米国の「核体制の見直し」を排撃
−2010年4月9日−


 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省のスポークスマンは9日、米国が核戦略の指針NPRを発表したことと関連し、同通信社記者の質問に次のように答えた。


 今月6日に発表された米国のNPRの内容を見れば、米国の現政府が依然として核兵器を世界制覇戦略実現の柱にしていることがわかる。

 オバマ大統領は、米国はNPTを遵守する非核保有国に対しては核兵器を使用しないが、我が国とイランは核不使用の対象から除外されると述べた。これは、我が国を「核先制攻撃の対象」に名指しし、核の脅威を加えてきたブッシュ政権初期の対朝鮮敵視政策と変わったものがないことを示している。

 今回の発表で、米国は6者会談の9.19共同声明で核兵器や通常兵器で我々を攻撃したり、侵攻する意思がないとした公約を完全に覆し、せっかく築かれている会談再開の雰囲気に再び冷水を浴びせた。

 NPTについて言えば、世界の非核化が実現されるまでの間に核拡散を防止するための過渡的な措置として初めから長く存続すべき条約ではなかった。我々は、NPTが米国の増大する対朝鮮孤立・圧殺のテコに盗用されてきたため、正々堂々と合法的な手続きを踏んで脱退した。何らかの核の野心があったからではなく、米国が我が国を「核先制攻撃の対象」に指定し、実際の核の脅威を加えたので米国の攻撃を抑止し、自主権と生存権を守るために核兵器を製造したのである。これまで、我々は責任ある核保有国として国際的に担っている義務を誠実に履行してきた。

 朝鮮半島の非核化は、我々の変わらぬ目標である。朝鮮半島と世界の非核化を実現するためには、米国が核の優位に基づく力の政策で自主権と生存権を踏みにじる敵対行為を中止しなければならず、空言ではなく実際の行動で対朝鮮敵視政策を撤回し、信頼醸成の措置を講じることが急務である。

 米国の核の脅威が続く限り、我々は今後も抑止力としての各種の核兵器を必要なだけさらにふやし、現代化することになるであろう。

 我々には、そうする能力が十分にある。米国が我々にそうさせる理由と名分を与えている。

 米国は、我々が彼らの核兵器によって脅しと圧迫だけを受けていた時期が昔のことになったことを悟るべきである。

2010.4.9 朝鮮外務省代弁人−朝鮮通信=東京



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