「制裁決議」の法律的矛盾の見解求める
朝鮮代表が国連事務総長に書簡 
−2016年5月23日−

 朝鮮中央通信によると、国連駐在朝鮮常任代表が23日、国連事務総長に書簡を送った。
書簡は、国連安全保障理事会が朝鮮がおこなった核実験と平和的人工衛星打ち上げを「国際平和と安全にたいする脅威」と規定した「制裁決議」に重大な法律的矛盾があると明らかにした。

 書簡は、これと関連して国連事務総長の見解を求めるとし、次のように指摘した。

 国連安保理は、2006年には、第1回核実験と関連して「決議1718号」(S/RES/1718)を、09年には第2回核実験と関連して「決議1874号」(S/RES/1874)を、13年には第3回核実験と関連して「決議2094号」(S/RES/2094)を、16年には第1回水爆実験と関連して「決議2270号」(S/RES/2270)を採択した。

 問題は、2006年の「決議1718号」は、序文9項と本文1項で、09年の「決議1874号」は序文8項で、13年の「決議2094号」は序文7項で、16年の「決議2270号」は序文11項で我々の衛星打ち上げを「国際平和と安全にたいする脅威」に規定したことである。

 これに関連して次の質問を提起する。

 第一に、国連安保理の対朝鮮「制裁決議」で、我々の核実験と衛星打ち上げ、弾道ミサイルの発射が「国際平和と安全にたいする脅威」になると規定した法律的根拠が何なのか。

 国連憲章や既存の国連総会の決議、包括的核実験禁止条約(CTBT)や核拡散防止条約(NPT)、宇宙条約のような関連国際法典のどこにも核実験そのものが「国際平和と安全にたいする脅威」になると規定した条項はない。

 第二に、核実験や衛星打ち上げ、弾道ミサイルの発射が「国際平和と安全にたいする脅威」になるなら、国連安保理がなぜ米国をはじめ、他国がおkなった2000余回の核実験と衛星打ち上げ、弾道ミサイルの発射については、全く問題視せず、制裁措置を講じなかったのか。

 第三に、上記の質問にたいする納得できる法律的解明がない場合、国連安保理が制裁措置を講じるに先立ち、「国際平和と安全にたいする脅威の存在有無から決定」することに関する国連憲章第7章第39条の要求をうやむやにして越権行為をおこない、国際機関の生命である公正さを失って二重基準行為をおこなったとみなされるので、国連事務局の法律的答弁があることを願う。【朝鮮通信=東京】


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