国連事務局は「制裁決議」の根拠に答えていない
−2017年1月5日−

 国連駐在朝鮮常任代表は、国連事務次長(政治問題担当)が前国連事務総長の委任によって寄せた回答書簡に関する見解を表明するために5日、国連事務総長に書簡を送った。

 代表は書簡で、国連事務局側の回答は、朝鮮がおこなった核実験と平和的人工衛星の打ち上げに関連した国連安全保障理事会の「制裁決議」の法律的根拠がどこにあるのかという我々の質問にたいする答えではないと結論をくだした。

 また、2016年5月23日と12月5日の2度にわたって前事務総長に送った書簡で、国連安保理の「制裁決議」の法律的根拠としてどの国際法典に核実験や衛星の打ち上げ、弾道ミサイルの発射そのものが「国際平和と安全に脅威」になると規定した条項があるのかを明らかにするよう求めたことについて想起させた。

 代表は、しかし先日、国連事務局側が我々の質問には一言半句もなく、国連憲章第7章第39条にだけ言及した書簡を寄せたとし、次のように明らかにした。

 国連憲章第39条は、国際法曹界で既に論議されたように、「制裁決議」の法律的根拠になり得ない。

 1960年代、旧ローデシアが英国から独立を宣言した当時、国連安保理が国連憲章第39条を法律的根拠に国連の歴史で初めて「制裁決議」なるものをでっち上げた際、国際法曹界は、独立宣言は平和にたいする脅威や破壊行為ではないとし、「制裁決議」は越権行為であると断じた。

 国連憲章の作成者までも、自分らは武力侵攻のような行為を念頭に憲章第39条を作成したのであって、平和な時期に制裁を発動せよとして作ったのではないことを明白にした。

 もし、国連憲章第39条に従って核実験や衛星の打ち上げ、弾道ミサイルの発射が「国際平和と安全に脅威」になるなら、国連安保理は米国をはじめとする他国の2000余回にわたる核実験と衛星の打ち上げ、弾道ミサイルの発射にたいしても当然問題視し、当該の制裁決議を採択すべきであったであろう。

 これは、国連憲章第39条が、核実験や衛星の打ち上げとは何の関連もないことを示している。

 国連安保理が、不法、非道な対朝鮮「制裁決議」をつくり上げて封鎖型の制裁を加えたうえ、競技用の銃や銃弾、弓と矢までも制裁の対象に含めているのは、わが人民の生存権をゆゆしく脅かし、現代文明を破壊するだけでなく、世界を中世的な暗黒世界に逆戻りさせようとする反人倫的・反文明行為である。

 我々の水爆実験、核弾頭爆発実験とICBMをはじめ、さまざまな攻撃手段の試射は、敵対勢力が朝鮮の自主権と生存権を侵害する場合、その挑発の本拠地を一掃できる抑止力を備えるための自衛的措置であって、国連憲章に明示された合法的な権利の行使である。

 米国とその追従勢力の核の威嚇と恐喝が続く限り、そして、我々の門前で年次的の看板を掲げた戦争演習騒動を中止しない限り、核戦力を中枢とする朝鮮の自衛的国防力と先制攻撃能力は著しく強化されるであろう。

 国連事務局が国際平和と安全保障を基本とする国連の使命に照らして、対朝鮮「制裁決議」の法律的根拠に関する我々の質問にたいして熟考して公正な答弁を示すことで、国際社会に担った責任を果たすことを期待する。【朝鮮中央通信=朝鮮通信】


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