国連は「制裁決議」法律フォーラム開催を
−2017年3月16日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮法律家委員会は16日、白書を発表し、次のように指摘した。

 最近、米国とその追従勢力は、国連安全保障理事会でわが共和国の自衛的国防力強化措置を世界平和と安全の脅威であると罵倒し、対朝鮮「制裁決議」を引き続きでっち上げている。

 朝鮮法律家委員会は、国連安保理が、何の妥当性もなく、主権国家に反対する不法な「制裁決議」をつくり上げた背景と国連事務局が主張する法律的根拠の荒唐無稽さを明らかにするためにこの白書を発表する。

 国連の史上初となる制裁決議は、米国の唆しのもとで国連安保理が旧ローデシア(現ジンバブエ)の独立宣言を国際平和と安全の脅威であると言いがかりをつけて1966年12月16日に採択した「決議第232号」である。

 ローデシアにたいする制裁決議の採択に始まった国連安保理の越権行為にたいする非難は続いたが、米国は自分らの気に障る国々を転覆する目的のもとに国連安保理を発動して1990年にはイラク、91年にはユーゴスラビア、92年にはリビアとカンボジア、ソマリア、リベリア、ルワンダにたいする制裁決議を引き続きでっち上げた。

 諸般の事実は、国連安保理の「制裁決議」が、米国の強権と専横にまみれた犯罪文書であることをはっきりと示している。

 国連安保理は、20世紀50年代に米帝の朝鮮侵略戦争と「国連軍」の参戦を「合法化」した「決議第82号」「決議第83号」「決議第84号」でっち上げで米国の対朝鮮敵視政策に便乗する忌まわしい歩みを始めた。

 1993年5月、我々の核拡散防止条約(NPT)脱退の決定を保留し、国際原子力機関(IAEA)との協力に復帰することを強要するためにつくった「決議第825号」を起点にした国連安保理の対朝鮮「制裁決議」の採択劇はこんにち、極限に達している。

 昨年も、国連安保理は、米国の唆しのもとで自主権守護のための我々の水爆実験と核弾頭爆発実験を国際平和と安全の「脅威」であると罵倒し、「制裁決議」第2270号と第2321号をでっち上げる越権行為、主権侵害行為をまたもや働いた。

 これに関連して、国連駐在朝鮮常任代表は、2016年5月と12月、国連事務総長に我々の核実験と人工衛星打ち上げ、弾道ミサイル発射が「国際平和と安全にたいする脅威」になると規定した国連安保理「制裁決議」の法律的根拠が何なのかを問う書簡を2度も送った。

 これにたいして、国連事務次長(政治問題担当)は2016年12月22日、国連安保理は国連憲章第39条によってどのような特別行動や情勢、紛争が平和にたいする脅威や侵害、侵略行為になるのかを規定できるという内容の回答書簡を寄せた。

 言いかえれば、国連安保理の対朝鮮「制裁決議」の法律的根拠が国連憲章第39条であるというのである。

 もし、国連憲章第39条によって核実験や衛星打ち上げ、弾道ミサイル発射自体が国際平和と安全にたいする脅威になるなら、これまで2000余回にわたる核実験をおこなって7000余個の衛星を打ち上げ、ICBMの試射を毎日のようにおこなっている国連安保理常任理事国からが制裁対象として相次いで送付されるべきであり、当該の制裁決議が出るべきであろう。

 我々の核実験と弾道ミサイル発射は、半世紀以上持続している米国の核の威嚇に対処して国の自主権と生存権を守るための正当な自衛的措置であり、これは国連憲章第51条(自衛権)をはじめ、どの国際法にも抵触しない。

 国連をはじめ、国際舞台で正義と真理が踏みにじられ、主権国家の自主権が蹂躙される非正常な現象がもはや黙認、許容されてはならない。

 国連の対朝鮮「制裁決議」は、単にわが共和国にのみ限られた問題ではない。

 70余年間の国連の歴史が示しているように、今日は朝鮮が国連「制裁」の目標になったなら、明日はまた他の国が「制裁」の目標になるであろう。

 国連駐在朝鮮常任代表部は、国連安保理で一つの慣例のように続く不法、非道な悪事に終止符を打つために2017年1月、国連事務局に、「制裁決議」の法律的根拠を解明するための国際的な法律専門家のフォーラムをニューヨークやジュネーブで開くことを提案した。

 しかし、我々が法律専門家のフォーラムの開催を提案した直後、米国が政府の資金で運営される御用放送を押し立て、国際法も知らない人物の非専門的見解を引用して対朝鮮「制裁決議」の法律的根拠について荒唐無稽な詭弁を並べている。

 米国は、国際法も知らない人物を押し立てて理にかなわないことを広めるのではなく、言い分があれば国際的な法律専門家のフォーラムに出て堂々と言うべきであろう。

 現実は、「制裁決議」の法律的根拠を解明するための国際的な法律専門家のフォーラムの開催が、さらに切実であることを如実に示している。

 国際的な法律専門家のフォーラムは、「制裁決議」の適法性を国際法的見地から公正に解明できる場である。

 2017年3月13日、国連駐在朝鮮常任代表部は、国連事務局にフォーラムには希望するすべての国の政府および非政府レベルの専門家と国際法律団体が参加し、フォーラムの議題は参加者の希望と見解を十分に反映して合理的に定めることに関する案を提出した。

 国連事務局は、国際平和と安全保障を基本とする国連の使命に即して対朝鮮「制裁決議」の法律的根拠を解明するための国際的な法律専門家のフォーラムの開催に関する我々の提案に積極的に呼応することで、国際社会に担った責任を全うすべきであろう。【朝鮮通信=東京】


 <参考> 国際連合憲章39条と関連条項、51条は、次のように定める。

第39条〔安全保障理事会の一般的権能〕
 安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。

第41条〔非軍事的措置〕
 安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。

第42条〔軍事的措置〕
 安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。

第51条 この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。


inserted by FC2 system