日本の内閣官房参与が訪朝

飯島参与一行が訪朝
−2013年5月14日〜17日−

 朝鮮中央通信によると、日本の安倍(晋三)内閣官房参与の飯島勲氏一行が14日から17日まで訪朝した。

 15日、朝鮮労働党の金永日書記が飯島氏一行と会見し、懇談した。

 16日、朝鮮最高人民会議常任委員会の金永南委員長は平壌の万寿台議事堂で、飯島氏一行と会見し、懇談した。

 飯島氏一行は滞在期間、平壌民俗公園、綾羅イルカ館、人民野外スケート場を参観した。【朝鮮通信=東京】


日本の報道
−5月17日〜21日−

 5月17日 −北朝鮮を訪れていた飯島勲内閣官房参与は17日、中国・北京国際空港に到着した。飯島氏は記者団に、「長時間、真摯(しんし)に会談ができた。(北朝鮮側との会談内容について)それなりの判断材料の一つとして、これから精査して考えたい」と述べた。今後は一切、取材は受けないとしている。一方、朝鮮中央通信はこの日、飯島氏が16日に平壌で金永南最高人民会議常任委員長と会談した際の動画を公開した。ラヂオプレス(RP)によると、動画は場面を細かくつなぎ合わせたもので、金氏は飯島氏に「非常に重要な使命をもって平壌を再訪問」したと語りかけている。

 動画では通訳が飯島氏の言葉として、「(朝日国交正常化交渉担当の)宋日昊大使に極めて具体的に申し上げました」と朝鮮語で伝えている。また、飯島氏が「私の(訪朝の)目的は大変に隔たりがある日朝関係を…」と述べたところで切れており、内容が伝わらないよう編集されている。

 動画には金氏が、「久しい前から誠意ある努力を傾けていたことをよく知っており、高く評価している」と述べる場面もあり、北朝鮮が飯島氏を礼遇していることを印象づける狙いをうかがわせる。(産経新聞5.18)


 5月18日 −北朝鮮を訪問していた飯島勲内閣官房参与は、経由地の北京から民間機で羽田空港に到着した。帰国後、飯島氏は東京都内のホテルで菅官房長官と約1時間面会し、拉致問題などで「本音の話をしてきた」と報告した。

 飯島氏は14日から17日まで平壌に滞在し、北朝鮮メディアは、金永南最高人民会議常任委員長、金永日朝鮮労働党書記(国際部長)との会談の模様を報じた。日本政府高官は18日、飯島氏が報道されていない北朝鮮要人とも会談したことを明らかにしたうえで、「安倍首相は拉致問題を解決したいという強い思いがある。それに基づく会談だった」と語った。

 関係者によると、飯島氏は一連の会談で、北朝鮮側に「拉致事件の被害者の即時帰国、真相究明、実行犯の引き渡しがなければ日本政府は動かない」と説明したという。北朝鮮がどのように答えたのかは明らかになっていない。菅氏は飯島氏との面会後、報告された内容を九州に出張している安倍首相に電話で伝えた。(読売新聞5.19)


 5月20日 −菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、飯島勲内閣官房参与が北朝鮮を訪問して日本人拉致問題の早期解決を求めたことに関し「安倍内閣としては対話と圧力。常にドアをオープンにしながらこの問題の解決に全力を尽くす」と述べ、北朝鮮との対話を重視しながら取り組む姿勢を示した。

 また、菅長官は「被害者の家族は横田さん夫妻をはじめ高齢にもなっている」として、解決を急ぐ考えを強調した。

 飯島氏は14日から4日間、平壌を訪問。北朝鮮ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長らと会談し、拉致被害者の帰国と事件の真相究明、実行犯の引き渡しを要求した。飯島氏は18日に続いて20日午前も首相官邸で菅長官と会い、訪朝について報告。近く安倍晋三首相にも直接報告する見通しだ。

 一方、古屋圭司拉致問題担当相は午前のTBSの番組で、飯島氏が金常任委員長と会談したことについて「想定していなかった」と述べた。その上で「強いメッセージを最高幹部に伝えたことに意義がある」と指摘した。

 古屋氏は、自身の訪朝の可能性については「そういうことには答えられない」と言及を避けた。北朝鮮が連日、日本海上に短距離ミサイルを発射したことに関しては「日本に全く影響のある話ではない」との認識を示した。(時事)


  5月21日 −安倍晋三首相は21日午後、北朝鮮を訪問した飯島勲内閣官房参与と首相官邸で約30分間会い、日本人拉致問題をめぐる北朝鮮要人との会談内容について報告を受けた。この後、飯島氏は記者団に対し、「(報告を)一つの(判断)材料として、首相がきちんと不退転の決意で実行していくと解している」と述べ、拉致問題解決に向けた進展に期待を示した。首相とのやりとりについては「言えない」と言及を避けた。

 報告に同席した菅義偉官房長官は記者会見で、政府の今後の対応について「ありとあらゆる可能性を探りながら内閣を挙げて取り組んでいきたい」と述べ、中断している局長級協議の再開も念頭に、日朝対話を継続していく考えを示した。

 飯島氏は記者団に、日米韓の分断を図る北朝鮮の思惑に乗せられたとの批判があることに関し「それはそれで構わない。捉え方は勝手だ」としながらも、「過去10年間の経緯を見れば(拉致被害者)家族会の方は静かに見守ってくれていると理解している」と語った。

 飯島氏は平壌で北朝鮮ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長らと会い、拉致被害者の即時帰国と事件の真相究明、実行犯引き渡しを要求。北朝鮮側は「金正恩第1書記に伝える」と応じた。(時事)

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