朝鮮民主主義人民共和国

最高人民会議第12期第4回会議
−2011年4月7日−


会議報道

 朝鮮中央通信によると、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第12期第4回会議が7日、平壌の万寿台議事堂で行われた。

 会議には、最高人民会議代議員が参加した。

 また、党、武力機関、政権機関、社会団体、省、中央機関の活動家、科学、教育、文化・芸術、保健医療、出版・報道の各部門の活動家がオブザーバーとして参加した。

 会議では、

 1.朝鮮民主主義人民共和国内閣のチュチェ99(2010)年の活動状況とチュチェ100(2011)年の課題について
 2.朝鮮民主主義人民共和国のチュチェ99(2010)年の国家予算執行の決算とチュチェ100(2011)年の国家予算について
 3.組織問題−

 が討議された。

 総理の崔永林代議員は第1議案に関する報告で、昨年に人民経済の主体化を実現するうえで画期的な前進をもたらし、軽工業の発展と農業生産で根本的な転換を起こすことのできる強固な土台が築かれたし、科学技術の発展と文化建設分野などで大きな成果がおさめられたことについて述べた。

 また、今年に一般消費財の生産を画期的に増やし、穀物生産目標を必ず果たして人民生活の向上で決定的な転換をもたらし、経済部門全般で生産を力強く行うとともに人民経済の現代化を引き続き強く推し進めなければならないと述べ、具体的な課題に言及した。

 副総理兼財政相の朴寿吉代議員は第2議案に関する報告で、昨年の国家予算の歳入が1.3%超過遂行され、歳出が99.9%執行されたし、歳入と歳出が前年比でおのおの7.7%、8.2%増えたことについて明らかにした。

 また、昨年の国家予算で、前年比で軽工業部門への支出を10.9%、農業部門への支出を9.4%、人民経済の先駆け部門、基礎工業部門への支出を8%、基本建設資金支出を12.9%、科学技術部門への資金支出を8.1%、人民的施策資金支出を6%増やし、国家予算歳出総額の15.8%を国防費にあてたと述べた。

 そして、今年は前年比で国家予算の歳入は7.5%、国家予算の歳出は8.9%増やし、そのうち、軽工業、農業などに多くの資金をあて、国家予算歳出総額の15.8%を国防費に支出することになると強調した。

 会議で各討論者は、昨年の内閣の活動状況と国家予算執行が正確に総括、決算されたと述べ、今年の内閣の課題が明白に提起され、わが国の社会主義制度の優位性を強く発揮させられるよう国家予算が正しく編成されたことについて全面的な支持と賛同をあらわした。

 また、今年に国の政治的・軍事的威力をあらゆる面から打ち固め、人民生活大高揚の炎をさらに激しく燃え上がらせて強盛大国の建設で画期的な転換を起こすための総攻撃戦をいっそう力強く推し進める決意を表明した。

 会議では、最高人民会議決定「朝鮮民主主義人民共和国内閣の活動報告とチュチェ99(2010)年の国家予算執行の決算を承認することについて」、最高人民会議法令「朝鮮民主主義人民共和国のチュチェ100(2011)年の国家予算について」が代議員全員の賛成で採択された。

 会議では、組織問題が討議された。

 全秉浩代議員の職務移動に関連して同氏を朝鮮国防委員会委員から解任し、朴道春代議員を補選した。

 国防委員会人民保安部長に李明秀代議員が任命された。

 最高人民会議法制委員会委員長に張炳奎代議員が補選された。

 李泰男代議員を病気により副総理から解任した。                 


2010年活動状況と11年課題

 7日に行われた最高人民会議第12期第4回会議で、総理の崔永林代議員が朝鮮内閣の昨年の活動情況と今年の課題について報告した。

 報告によると、昨年、国の経済発展でおさめた最も重要な成果は、人民経済の主体化を実現するうえで画期的な前進をもたらしたことである。

 重要金属工場のチュチェ鉄生産システムが成功裏に完成し、新たな合金鋼の生産拠点が整えられたのをはじめ、金属工業の部門構造が新たに整備された。

 大規模な化学工業拠点が最新科学技術に基づいて現代化されたことで、チュチェ繊維、チュチェ肥料が量産される大慶事をもたらした。

 石炭工業部門で石炭生産能力が向上し、電力工業部門で水力発電所が完工して多くの発電能力が新たに生み出され、煕川発電所建設が前例にない速度で進捗して2012年までに完工させられる確固たる展望が開かれた。

 軽工業の発展と農業生産で根本的な転換を起こすことのできるしっかりした土台が築かれたのは、昨年の人民経済の発展でおさめられたもう一つの重要な成果である。

 昨年、科学技術の発展で特出した成果がおさめられ、人民経済の全ての部門でCNC(コンピューター数値制御)化が力強く進捗した。

 科学者、技術者が最先端技術である核融合に成功して世界を驚嘆させたし、先端技術の製品が開発され、バイオテクノロジーの発展で大きな前進が遂げられた。

 崔永林代議員は、内閣が今年、一般消費財の生産を画期的に増やし、穀物生産目標を必ず果たして人民生活の向上で決定的な転換をもたらすとともに、経済部門全般で生産突撃戦を力強く行い、人民経済の現代化を引き続き力強く推し進めていくことについて強調した。

 それによると、内閣は今年を軽工業が力を発揮する年、人民が軽工業の恩恵に浴する年となるようにするのと同時に、一般消費財生産の現代化、科学化を引き続き推し進める。

 内閣は、全党、全国、全軍、全人民が総動員されて農業に大革新を起こし、穀物生産目標の達成に総力を集中する。

 農産と畜産、果樹と畜産の循環型生産システムを確立し、現代的に整えられた畜産と果物生産の拠点での生産を活性化して畜産物と果物、穀物の生産をすべて一様に増やし、特に今年に果樹農業の発展で変革を起こすようにする。

 水産部門の物質的・技術的土台を強化して遠洋漁業、小規模漁業、浅海養殖を大々的に展開し、養魚を科学化、集約化して、さらに多くの水産物およびその加工品を生産、供給するようにする。

 人民サービス事業を改善、強化して住民の需要を最大限保障し、人民の生活上の便宜をさらに図る。

 内閣は、4大先駆け部門(電力、石炭、金属、鉄道運輸)をはじめ、人民経済全般で生産を決定的に増やし、人民生活の向上のためのこんにちの大高揚進軍を積極的に推進する。

 石炭工業部門で石炭生産を画期的に成長させる一方、石炭の生産能力を将来を見すえて増やすようにする。

 電力工業部門で発電設備をフル稼働、フル回転させ、送変電システムを合理的に構成し、生産した電力を最大限効果的に利用するようにする。

 煕川発電所建設に引き続き国家的な力を集中し、大規模な水力発電所と火力発電所の建設を促進して電力生産目標が達成できる確固たる保証をもたらすようにする。

 金属工業部門で主体的な鉄生産のシステムと方法をさらに強固にし、発展させ、鉄道運輸部門で鉄道の重量化、現代化を促進し、輸送能力を決定的に高めて輸送の緊迫した需要を円滑に解決するようにする。

 採掘工業部門で生産を正常化して現代化を力強く推し進め、非鉄金属製品をより円滑に生産、供給するための土台を将来を見すえて築くようにする。

 機械工業部門で機械工場のCNC化を積極的に促進し、発電設備と人民経済の現代化に必要な機械、設備を十分に生産、供給し、電子工業部門で各種の電子要素と電子製品の生産を増やし、情報産業部門で人民経済の情報化の実現に寄与するようにする。

 建設部門で興南(咸鏡南道)ガス化プロジェクト、端川港(同)、テコンドー聖地(平壌)、平壌市10万世帯住宅をはじめ、重要プロジェクトの建設を力強く推し進めて完工期日を最大限繰り上げるようにする。

 国土管理部門と都市経営部門の事業で、国全般の姿を強盛大国にふさわしく一新して人民により立派な生活条件と環境を与えるようにする。

 科学研究部門で情報技術(IT)、バイオテクノロジーなどの中核となる基礎技術と先端科学技術分野を画期的に発展させ、経済強国の建設で提起される科学技術上の問題を円滑に解決するようにする。

 内閣は、貿易を多様化、多角化して輸出額を画期的に成長させるようにする。

 朝鮮の社会主義自立経済の土台を強化する方向で、経済・技術協力の場を効果的に利用する事業を積極的に展開する。

 内閣は、人民軍の戦闘力と国の防衛力をあらゆる面から強化するための物質的保障事業と社会主義文化建設分野の発展にも引き続き大きな力を入れる。

 崔永林代議員は、皆が金正日総書記を首班とする党中央委員会のまわりに固く結集して金日成主席の誕生100周年を意義深く迎えるための今年の総攻撃戦で栄えある勝利者になるために力強くたたかっていこうと強調した。


予算報告

 7日に行われた最高人民会議第12期第4回会議で、副総理兼財政相の朴寿吉代議員が昨年の国家予算執行に関する決算状況と今年の国家予算に関する報告を行った。

 報告によると、昨年、国家予算の歳入は1.3%超過遂行され、国家予算の歳出は99.9%執行された。

 昨年、国家予算で前年に比べて軽工業部門に対する支出を10.9%、農業部門に対する支出を9.4%、人民経済の先駆け部門、基礎工業部門に対する支出を8%、基本建設資金支出を12.9%、科学技術部門に対する資金支出を8.1%、人民的施策資金支出を6%増やした。

 昨年、国家予算歳出総額の15.8%を国防費にあてた。

 今年の国家予算は、軽工業と農業生産を決定的に盛り立てて経済建設全般を活性化し、全分野で最先端突破戦を力強く行って経済強国の確固たる土台を築いていけるよう歳入と歳出の規模を編成した。

 国家予算の歳入計画は前年比で7.5%増えることになる。

 国家予算歳入総額で中央予算収入は83.9%、地方予算収入は16.1%を占めることになる。

 今年から国家予算で取り引きの収益金と国家企業収益金は、国家予算歳入総額の78.5%を占め、前年に比べて協同団体収益金は3.8%、固定財産減価償却金は1.4%、不動産使用料収入は0.7%、社会保険料収入は0.4%増えることを見込んだ。

 国家予算の歳出計画は、前年比で8.9%増えることになり、そのうち軽工業部門に対する支出を12.9%増やし、地方工業部門にも多額の資金をあてる。

 国家予算で農業部門に対する支出を前年比で9%増やし、農業に必要な資金を優先的に供給し、人民経済の先駆け部門、基礎工業部門に対する支出を13.5%増やす。

 基本建設資金の支出を前年比で15.1%増やし、重要プロジェクトの建設を推し進めて操業の期日を最大限繰り上げ、科学技術部門で国家科学技術発展5カ年計画を遂行し、工業部門の現代化、CNC化を積極的に推し進め、経済強国の建設で提起される科学技術上の問題を円滑に解決できるよう科学技術発展資金を10.1%増やすことになる。

 文化建設部門と国土管理・都市経営部門に多額の資金をあてる。

 国家予算歳出総額の15.8%を国防費として見込んだ。

 今年も、在日同胞子女のため多額の教育援助費と奨学金を送る。

 報告者は、今年の国家予算を成功裏に執行するには人民経済のすべての部門、すべての持ち場で生産者大衆の精神力をすべて爆発させ、労働力と資材、資金を節約して非生産的支出を極力減らすことで、予算の歳入計画を月別、四半期別に正確に遂行すべきであると強調した。


人民保安部長に李明秀氏
−2011年4月7日−

 朝鮮中央通信によると、李明秀氏が国防委員会人民保安部長に任命された。これに関する国防委員会決定が7日、発表された。


李泰男副総理解任
−2011年4月7日−

 朝鮮中央通信によると、李泰男氏を病気のため副総理から解任した。これに関する最高人民会議常任委員会政令が7日、発表された。
2011.4.7 朝鮮中央通信−朝鮮通信=東京



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