最高人民会議第13期第4回会議
金正恩国務委員長推戴
−2016年6月29日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮最高人民会議第13期第4回会議が29日、平壌の万寿台議事堂でおこなわれた。

 敬愛する金正恩同志が会議に参加した。

 会議には、最高人民会議代議員が参加した。

 党、武力・政権機関、社会団体、省、中央機関、科学、教育、文学・芸術、保健医療、出版・報道の各部門の活動家がオブザーバーとして参加した。

 会議は、最高人民会議第13期第4回会議の議案を決定した。
 1.朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法を修正、補充することについて
 2.敬愛する金正恩同志を朝鮮民主主義人民共和国の最高位に推戴することについて
 3.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会を構成することについて
 4.朝鮮労働党が示した国家経済発展5カ年戦略を徹底的に遂行することについて
 5.朝鮮民主主義人民共和国祖国平和統一委員会を設けることについて
 6.人事について

 会議では、第1議題が討議された。

 楊亨燮代議員は第1議題に関する報告で、社会主義憲法の構成体系と基本内容、革命的原則はそのまま継承し、主に序文と国家機構の部分を修正、補充することについて明らかにした。

 当該の条文で、「朝鮮民主主義人民共和国国防委員会第1委員長」を「朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長」に、「国防委員会」を「国務委員会」に、「最高検察所」を「中央検察所」に、「最高裁判所」を「中央裁判所」に改め、一部表現を整理した。

 第1議題に関する最高人民会議の法令が採択された。

 第2議題が討議された。

 金正恩同志を国務委員会委員長に推戴する演説を金永南代議員がおこなった。

 金永南代議員は、チュチェ朝鮮の強大さの象徴であり、すべての勝利と栄光の旗印である金正恩同志を朝鮮の最高位にいただいてチュチェ革命偉業、社会主義偉業の最後の勝利を早めようとするのは、全国の千万軍民の揺るぎない信念であり、確固不動の意志であると強調した。

 そして、すべての最高人民会議代議員と人民軍将兵、人民の一様な意思と念願を込めて、金正恩同志を国務委員会委員長に推戴することを最高人民会議に丁重に提案した。

 提案は、すべての代議員と参加者の絶対的な支持と賛同を得た。

 会議は、金正恩同志が朝鮮国務委員会委員長に推戴されたことを厳かに宣言した。

 会議では、第3議題が討議された。

 金正恩同志の提案により、国務委員会副委員長に黄炳端、朴奉珠、崔龍海の各代議員が、国務委員会委員に、金己男、朴永植、李李墉、李万建、金英哲、金元弘、崔富−、李容浩の各代議員が選出された。

 第4議題が討議された。

 朝鮮労働党が示した国家経済発展5カ年戦略を徹底的に遂行することに関する報告を朴奉珠代議員がおこなった。

 続いて討論があった。

 各討論者は、国家経済発展5カ年戦略は、社会主義経済建設の合法則的要求と現実的条件に即して経済強国の建設で一大高揚を起こせるようにする科学的で革命的な戦略であり、社会主義強国建設の近道を明らかにした設計図であると述べ、国家経済発展5カ年戦略の目標を必ず達成する決意を表明した。

 第4議題に関する最高人民会議の法令「朝鮮労働党が示した国家経済発展5カ年戦略を徹底的に遂行することについて」が採択された。

 第5議題に関する最高人民会議の決定「朝鮮民主主義人民共和国祖国平和統一委員会を設けることについて」が採択された。

 決定によると、朝鮮祖国平和統一委員会を設け、祖国平和統一委員会書記局を廃止する。

 会議では、第6議題である人事が討議された。

 朝鮮労働党中央委員会の提案により、太宗秀代議員を異動に伴い最高人民会議常任委員会委員の職を解き、金英哲、朴泰成、朱英吉の各代議員を最高人民会議常任委員会委員に選出した。

 また、総理の提案により、李周午氏、李龍男代議員を副総理に、高人虎氏を副総理兼農業相に任命した。

 朝鮮労働党中央委員会の提案により、朴明哲代議員を異動に伴い朝鮮中央裁判所所長、最高人民会議法制委員会委員の職を解き、姜潤石代議員を朝鮮中央裁判所所長、最高人民会議法制委員会委員に選出した。


主席と総書記は「永遠の領袖」、国務委員長は「最高指導者」

「労働新聞」(電子版)30日付によると、平壌で29日におこなわれた最高人民会議第13期第4回会議では、社会主義憲法の修正、補充について討議し、序文の「金日成同志を共和国の永遠の主席に、金正日同志を共和国の永遠の国防委員会委員長にいただき」を「金日成同志と金正日同志をチュチェ(主体)朝鮮の永遠の領袖にいただき」に修正した。

 第6章「国家機構」では、第2節の「国防委員会第1委員長」を「国務委員会委員長」に修正し、国務委員会委員長が「国家の最高指導者」であり、「全般的武力の最高司令官となり、国家の一切の武力を指揮、統率する」とした。

 また、国務委員会委員長の「任務と権限」では、「国防委員会事業を直接指導する」を「国務委員会事業を直接指導する」に、「国防部門の重要幹部を任命または解任する」を「国家の重要幹部を任命または解任する」に修正するとともに、新たに「戦時に国家防衛委員会を組織、指導する」を補充した。

 第3節の「国務委員会」では、「国務委員会は、国家主権の最高政策的指導機関である」と規定し、「任務と権限」では「国防建設事業をはじめ、国家の重要政策を討議、決定する」とした。

 第5節の「内閣」では、「内閣は、最高主権の行政的執行機関」を「内閣は、国家主権の行政的執行機関」と修正した。

 その他に、各条文の「国防委員会第1委員長」を「国務委員会委員長」、「国防委員会」を「国務委員会」に、「最高検察所」と「最高裁判所」を「中央検察所」「中央裁判所」に修正した。


国務委員会メンバー

 朝鮮中央通信によると、最高人民会議第13期第4回会議で構成された国務委員会のメンバーは、次のとおり。(肩書きは朝鮮通信)

 ○委員長 金正恩(朝鮮労働党委員長)

 ○副委員長 黄炳瑞(朝鮮労働党政治局常務委員、軍総政治局長)・朴奉珠(朝鮮労働党政治局常務委員、首相)・崔龍海(朝鮮労働党政治局常務委員兼副委員長)

 ○委員 金己男(朝鮮労働党政治局員兼副委員長)・朴永植(朝鮮労働党政治局員、人民武力部長)・李洙墉(朝鮮労働党政治局員兼副委員長)・李万建(朝鮮労働党政治局員兼副委員長、党軍需工業部長)・金英哲(朝鮮労働党政治局員兼副委員長、党統一戦線部長)・金元弘(朝鮮労働党政治局員、国家安全保衛部長)・崔富一(朝鮮労働党政治局員、人民保安部長)・李容浩(朝鮮労働党政治局員候補、外相)


経済発展5カ年戦略の遂行に関する報告

 朝鮮中央通信によると、29日におこなわれた最高人民会議第13期第4回会議で朴奉珠代議員が、朝鮮労働党が示した国家経済発展5カ年戦略を徹底的に遂行することに関する報告をおこなった。

 朴奉珠代議員は、敬愛する金正恩同志は、朝鮮労働党第7回大会で経済強国建設の戦略的路線を明らかにし、差し当たり2016年から20年までの国家経済発展5カ年戦略を示したと指摘した。

 朴奉珠代議員は、国家経済発展5カ年戦略の目標は、人民経済全般を活性化して経済部門の均衡を保ち、国の経済を持続的に発展させられる土台を築くことであると述べ、次のように強調した。

 内閣は、わが党の並進路線をしっかりと堅持して、エネルギー問題を解決し、人民経済の先駆け部門(電力、石炭、金属工業、鉄道輸送)、基礎工業(素材産業、エネルギー産業など工業生産の基礎となる産業)部門を正常軌道に乗せ、農業と軽工業生産を増やして人民生活を決定的に向上させることを中心課題として捉えていくであろう。

 電力工業部門に国家的な力を集中して電力生産の強固な土台を築き、党が示した電力生産目標を必ず達成する。

 5カ年戦略遂行期間に石炭生産を高い水準に引き上げる。

 金属工場のチュチェ鉄生産の土台を強固にし、全般的な生産工程の技術装備の水準を高め、生産工程を補充、完備する活動を力強く推し進めて、さまざまな特殊鋼や規格鋼材をはじめとする鉄鋼材の生産をはるかに増やす。

 内閣は、化学製品生産の主体化を高い水準で実現して化学工業を新しい土台の上に押し上げることを重要な課題として捉えていくであろう。

 内閣は、5カ年戦略遂行期間、鉄道輸送の発展に力を入れて年間の鉄道貨物輸送量を引き上げるであろう。

 内閣は5カ年戦略遂行期間、農業と畜産業、水産業を3大柱にして人民の食糧問題、食の問題を解決し、軽工業の発展に力を入れて消費財の問題を基本的に解決することで、人民生活の向上で決定的転換を起こすようにするであろう。

 二毛作と混作を積極的に取り入れて土地の利用率を1.5倍以上高めることで早生穀物の生産を引き上げる。

 畜産部門は、家畜の種子と餌の問題を解決し、洗浦地区畜産拠点(江原道)をはじめとする現代化された畜産拠点を正常運営するとともに、協同農場の共同畜産と農村世帯の個人畜産を発展させ、食肉生産を増やしていく。

 科学的な水産業はすなわち漁獲の実績であることを銘記して、漁船と漁具の現代化水準を高め、先進的な漁労技術を取り入れ、積極的な漁労戦をおこなって党が示した水産物生産の目標を必ず達成する。

 浅海養殖の面積を増やして浅海養殖をさらに発展させ、海藻や貝をはじめとする水産物の生産を増やし、水産物加工で転換を起こしてさまざまな良質の水産加工品をより多く生産する。

 軽工業工場を知識経済時代のモデル工場に整えて原料、資材の国産化を実現し、生産を活性化して、さらに多くの軽工業製品があふれるようにする。

 軽工業製品の多種化、多色化、多様化、軽量化を実現し、新製品を開発して技術工程を確立し、我々の商品が世界的な競争力をもつようにする。

 機械工場は、既存の機械設備の性能を改善し、フレキシブル生産セル(FMC)を構成する方法で生産工程を現代化して効率的で能率の高い機械製品を生産するための土台を築く。

 採掘工業部門の鉱山がさらに多くの鉱量を確保して、採掘場と採掘・運搬設備を現代化、大型し、選鉱場と製錬所の現代化を実現してマグネシアクリンカーと電気鋼、電気亜鉛をはじめ、さまざまな非鉄金属と非金属の生産を最大に増やす。

 建設部門がわが党の主体的建築美学思想を指針にして、「まず便利さ、まず美しさ」の原則が具現された万年の大計の記念碑的建築物を最上の水準で最大の速度で打ち立てる。

 内閣は5カ年戦略遂行期間、山林復旧戦闘を国家的に重要な戦略的課題として捉えていくことで、すべての山を、緑が茂る黄金の山、宝の山に変貌させるであろう。

 対外貿易は、信用第一主義の原則を守り、貿易を多様化、多角化して貿易構造を二次および三次加工品の輸出と技術貿易、サービス貿易の割合を増やす方向で改善する。

 朴奉珠代議員は、自彊力(自分で自分を強くする力)第一主義を高くかかげて我々の力と技術、我々の資源に依拠して5カ年戦略目標を必ず遂行することに言及した。

 そして、差し当たり200日戦闘を勝利のうちに締めくくるための経済作戦と指揮を綿密におこなって黎明通り(平壌)の建設を完工し、人民経済発展計画を無条件遂行して国家経済発展5カ年戦略遂行の突破口を開くことで、朝鮮労働党の決心はすなわち実践であり、勝利であることを全世界に力強く誇示することについて強調した。


祖国平和統一委員会設置に関する決定

 「労働新聞」(電子版)は30日、最高人民会議第13期第4回会議で採択された決定「朝鮮民主主義人民共和国祖国平和統一委員会を設けることについて」を掲載した。決定の要旨は次のとおり。

 民族最大の宿願である祖国統一を実現するのは、国と民族の運命に責任をもった朝鮮労働党と朝鮮政府に課せられた最も重大で切実な課題である。

 金日成主席と金正日総書記の畢生の志と遺訓を貫徹して祖国の自主的統一を必ず遂げるという確固たる決心と意志をもった敬愛する金正恩同志は、現情勢と時代発展の要求に即して自主的な祖国統一路線を示し、祖国統一の大道を開くためのたたかいを賢明に指導している。

 敬愛する金正恩同志が朝鮮労働党第7回大会で祖国の自主的統一を早めるための方略と方途を全面的に明らかにした祖国統一路線と方針を示したのは、三千里の国土の上に尊厳あり、繁栄する統一強国を打ち建てるためのたたかいで新たな転換的契機を開いた歴史的出来事になる。

 最高人民会議は、全民族の統一念願と志向を反映して朝鮮労働党第7回大会で示された主体的な祖国統一路線と方針を貫徹し、民族の自主的運命と統一繁栄の輝かしい未来を開くための神聖なたたかいを力強く組織し、展開するため次のように決定する。

 1.朝鮮民主主義人民共和国祖国平和統一委員会を設ける。
 2.祖国平和統一委員会書記局を廃止する。
 3.内閣と当該機関は、この決定を執行するための実務的対策を立てる。【朝鮮通信=東京】

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