最高人民会議第第13期第5回会議
−2017年4月11日−

会議報道

 朝鮮中央通信によると、最高人民会議第13期第5回会議が11日、平壌の万寿台議事堂でおこなわれた。

 朝鮮労働党委員長で国務委員会委員長、朝鮮人民軍最高司令官である党と国家、軍隊の最高指導者金正恩同志が会議に参加した。

 最高人民会議代議員が参加した。

 党、武力・政権機関、社会団体、省、中央機関、科学、教育、文学・芸術、保健医療、出版・報道の各部門の活動家がオブザーバーとして参加した。

 会議では、最高人民会議第13期第5回会議の議案を決定した。
 1.国家経済発展5カ年戦略遂行のための内閣の2016年の活動状況と17年の課題について
 2.2016年の国家予算執行の決算と17年の国家予算について
 3.全般的12年制義務教育の実施に関する法令執行総括について
 4.最高人民会議外交委員会の選出について
 5.人事について

 総理の朴奉珠代議員は第1議題に関する報告で、昨年に人民経済のすべての部門が工業総生産額計画を超過遂行したことで、国家経済発展5カ年戦略遂行の突破口を開いたと強調した。

 また、科学、教育、保健医療、スポーツの各部門でおさめられた成果に言及した。

 そして、昨年のたたかいを通じて我々は、敬愛する最高指導者金正恩同志の老練な指導があり、党の呼びかけならどんな難関と試練も乗り越える千万軍民の限りない力があり、強固な自立経済の土台と威力ある科学技術の武器がある限り、我々には占領できない要塞がなく、党が示した経済発展戦略を必ず実現できるという必勝の信念を改めて心に深く刻むようになったと述べた。

 朴奉珠代議員は、今年、「自力、自彊の偉大な原動力で社会主義の勝利の前進を推し進めよう!」の党の気迫あふれるスローガンを高くかかげ、万里馬先駆者大会を誇らしい労働の成果で輝かすための全人民総突撃戦を力強くおこない、国家経済発展5カ年戦略遂行の確固たる展望を開いていくことについて強調した。

 財政相の奇光豪代議員は第2議題に関する報告で、昨年の国家予算の歳入計画は2.1%超過遂行されて前年比で6.3%増加し、国家予算の歳出計画は99.9%執行されたと述べた。

 また、今年に昨年よりも国家予算の歳入は3.1%、国家予算の歳出は5.4%増えることになると明らかにした。

 第1議題と第2議題に関する討論がおこなわれた。

 各討論者は、昨年の内閣の活動と国家予算執行状況が正確に総括、決算されたし、今年の国家経済発展5カ年戦略遂行の展望を開くための内閣の課題が明確に提起され、それに即して国家予算も正しく編成されたと述べ、これに全幅の支持と賛同を表した。

 そして、自力、自彊の旗印高らかに継続前進、継続革新、連続攻撃して万里馬先駆者大会を勝利者の大会に輝かす決意を表明した。

 会議では、最高人民会議の決定「内閣の活動報告と2016年の国家予算執行の決算を承認することについて」と、最高人民会議の法令「2017年の国家予算について」が採択された。

 教育委員会委員長兼普通教育相の金承斗代議員は第3議題に関する報告で、2012年9月に開かれた最高人民会議第12期第6回会議で全般的12年制義務教育を実施することに関する法令を発布した後、全般的12年制義務教育を実施するための活動が、全党的、全国家的、全人民的な活動として力強く推し進められたことに言及した。

 また、去る1日の新学年度を迎えて朝鮮全土で全般的12年制義務教育が全面的に実施されたと述べた。

 第3議題に関する討論がおこなわれた。

 各討論者は、教育事業を党と国家の第一の重大事にかかげた党の意図に即して全般的12年制義務教育事業で新たな転換を起こしていくことについて強調した。

 最高人民会議の決定「全般的12年制義務教育を実施することに関する法令の執行総括について」が採択された。

 会議は、最高人民会議外交委員会を選出した。

 最高人民会議外交委員会の委員長に朝鮮労働党副委員長の李洙墉代議員、委員に副総理の李竜男代議員、祖国平和統一委員会委員長の李善権代議員、朝鮮対外文化連絡委員会委員長の金貞淑代議員、第1外務次官の金桂官代議員、朝鮮職業総同盟副委員長のキム・ドンソン代議員、金日成−金正日主義青年同盟書記のチョン・ヨンウォン代議員が選出された。

 会議では、人事が討議された。

 朝鮮労働党中央委員会の委任により、異動に伴い金完洙、李明吉の両代議員を最高人民会議常任員会委員の職を解き、朝鮮社会主義女性同盟委員長の張春実代議員、祖国統一民主主義戦線書記局長兼議長の朴明哲代議員を最高人民会議常任委員会委員に選出した。

 総理の提案により、化学工業相にチャン・ギルリョン氏を任命した。

 朝鮮労働党中央委員会の委任により、張炳奎代議員を朝鮮中央検察所所長の職を解き、キム・ミョンギル氏を中央検察所所長に任命した。

 張炳奎代議員を最高人民会議法制委員会委員の職を解いた。


内閣活動報告

 朝鮮中央通信によると、11日におこなわれた最高人民会議第13期第5回会議で、総理の朴奉珠代議員が国家経済発展5カ年戦略遂行のための内閣の昨年の活動状況と今年の課題について報告した。

 報告によると、昨年に人民経済のすべての部門が工業総生産額計画を超過遂行したことで、国家経済発展5カ年戦略遂行の突破口を開いた。

 前年に比べて電力と石炭の生産を増やし、鉄道貨物輸送量を成長させた。

 化学肥料、セメント、一般織物、履き物をはじめ、重要現物指標の生産がはるかに増えた。

 穀物の生産で過去最高であった年度の水準を突破した。

 黎明通り(平壌)を現代建築通りのモデル、標準に建設し、白頭山英雄青年3号発電所(両江道)、洪建島干拓地(平安北道)第1段階、柳京眼科総合病院(平壌)をはじめとする多くの記念碑的創造物を立派に建設した。

 我々の力と技術でつくった新型のトラクターとトラック、さまざまな性能の高い農業機械、風力発電機と林業機械をはじめとする機械製品を党大会に衷情の労働の贈り物として出した。

 咸鏡北道北部被害復旧を200日戦闘の主力を注ぐ方向、最前線に定めた党の意図に即して国のすべての潜在力を総動員する経済作戦と指揮を戦闘的におこなって短期間に1万1900余戸の住宅と100余の託児所、幼稚園、学校、診療所、病院の建設、1万5000余戸の住宅補修をはじめ、膨大な工事を成功裏に締めくくった。

 我々式の無人化されたモデル生産システムを確立し、多収穫優良品種の育種をはじめ、国の経済発展と人民の生活で重要な意義をもつ科学技術的成果をおさめた。

 教育の条件と環境を改善し、先進医学・科学技術を臨床の実践に積極的に導入したし、スポーツ選手が2016年国際サッカー連盟(FIFA)U−17(17歳以下)、U−20の女子ワールドカップ(W杯)で相次いで優勝した。

 朴奉珠代議員は、今年に国の緊迫した電力問題を解決し、金属工業と化学工業をもり立てて人民経済の全般を活性化し、人民生活の向上で決定的な転換を起こすことを中心課題に捉えて戦闘目標を必ず遂行することについて述べ、次のように指摘した。

 科学技術部門への投資を増やして原料と燃料、設備の国産化と工場、企業所の現代化、生産正常化で提起される科学技術上の問題を解決していくであろう。

 発電所の技術更新を推し進めて、さまざまな先進技術を積極的に取り入れ、党が示した電力生産目標を必ず遂行するようにするであろう。

 金策製鉄連合企業所(咸鏡北道)のチュチェ鉄生産のための建設の完工を中心課題に捉え、金属工場が原料と燃料、動力の供給対策を立て、先進技術を取り入れて鉄の生産コストを極力下げ、鉄鋼材の生産目標を達成するようにするであろう。

 化学製品の生産を正常化するとともに、生産工程の節電型への更新を力強く推し進めるようにするであろう。

 国産肥料で国の肥料需要を基本的に賄えるようにし、Cl化学工業の創設とリン酸肥料生産の土台をしっかりかためるのをはじめ、化学工業の主体化の実現で大きな一歩を踏み出すであろう。

 埋蔵量が多く、採掘条件が有利な炭鉱に投資を集中し、切り羽装備の機械化水準を高め、先進的な採炭方法を積極的に取り入れて年間の石炭生産目標を達成するようにするであろう。

 火力発電所と金属・化学工場の輸送需要を最優先に満たし、鉄道の物質的・技術的土台を強化するたたかいを力強く展開していくようにするであろう。

 機械工場の現代化を推し進め、新型のトラクターとトラック、多用途化された農業機械のライン生産工程を建設して、党が示した生産目標を達成するだけでなく、現代的な測定設備生産工場の建設を積極的に推し進め、再生可能エネルギー発竃設備生産工程を築くようにするであろう。

 原料、資材の国産化を種子に捉えて一般消費財の多種化、多様化、多色化と質の向上を重要課題として推し進め、すべての工場、企業所が一般消費財の生産目標を達成するようにするであろう。

 党が示した穀物生産目標を必ず達成するであろう。

 食肉とミルクの生産を増やすだけでなく、全国的に果物とキノコ、野菜の生産に力を入れて人民が実際の恩恵に浴するようにするであろう。

 現代的な漁船を多く建造し、積極的な漁労戦を繰り広げて水産物生産目標を必ず達成するようにするであろう。

 三池淵郡(両江道)をモデル郡に整える事業に国家的な力量をすべて集中し、重要プロジェクトを最上の水準で完工するようにするであろう。

 山林復旧を戦略的課題に捉えてたゆみなく推し進め、河川管理と道路補修、環境保護事業を計画的におこなって国土の面貌をさらに改善していくようにするであろう。

 国家、社会をあげて科学教育の施設と環境を一新し、保健医療部門にたいする条件の確保を責任をもっておこなって、わが国の社会主義保健医療制度の優位性と生命力を高く発揚させ、大衆スポーツ活動と大衆文化・芸術活動を活発におこなって全国に革命的ロマンが満ちあふれるようにするであろう。

 朴奉珠代議員は、内閣はすべての経済指導活動家がこんにちの万里馬速度創造大戦を力強く推し進めることで、今年を社会主義経済強国建設の分水嶺になるようにするうえで責任と本分を全うするであろうと強調した。


国家予算報告

 朝鮮中央通信によると、11日におこなわれた最高人民会議第13期第5回会議で、財政相の奇光豪代議員が朝鮮の昨年の国家予算執行の決算と今年の国家予算に関する報告をおこなった。

 報告によると、昨年の国家予算の歳入計画は、2.1%超過遂行され、前年比で6.3%増加した。

 地方予算の歳入計画は、14.3%超過遂行された。国家予算の歳出計画は、99.9%執行された。歳出総額の15.8%を国防費に充て、科学技術発展にたいする投資を前年比で5.5%増やした。人民経済部門に歳出総額の48.3%を充てた。建設部門への投資を前年比で15.3%増やした。教育と保健医療、スポーツ、文学・芸術をはじめ、すべての分野を社会主義文明強国の高みに押し上げる活動に歳出総額の35.7%を充てた。

 今年の国家予算は、国家経済発展5カ年戦略遂行に総力を集中し、社会主義文明強国の建設で画期的な前進を遂げ、自衛的国防力を引き続き強化していけるように国家予算の歳入と歳出を編成した。

 国家予算の歳入は昨年よりも3.1%増加することになり、そのなかで取引収益金は2.4%、国家企業収益金は3.5%、協同団体収益金は1.6%、不動産使用料は2%、社会保険料は1.2%、財産販売および売上利益収入は1.1%、その他の収入と経済貿易地帯収入はおのおの1.2%増えるものと見込んだ。

 国家予算の歳入で中央予算の歳入は73.1%、地方予算の歳入は26.9%を占め、各道市郡がみずからの歳入で歳出を賄い、収益金を中央予算に繰り込むものと見込んだ。

 国家予算の歳出は、昨年よりも5.4%増加することになる。

 科学技術部門への投資を8.5%、工業部門の支出を4.5%、農業部門の支出を4.4%、水産部門の支出を6.8%、山林部門の支出を7.2%増やすことになる。

 基本建設部門への投資を2.6%、教育部門にたいする支出を9.1%、保健医療部門の支出を13.3%、スポーツ部門の支出を6.3%、文学・芸術部門の支出を4.6%増やすことになる。

 歳出総額の15.8%を国防費に充てることになる。

 在日同胞子女のために多くの教育援助費と奨学金を送ることになる。

 奇光豪代議員は、領袖の遺訓貫徹戦、党政策擁護戦の旗印を高くかかげて新たな時代精神である江原道精神で万里馬先駆者大会を勝利者の大会に輝かすたたかいを力強くおこない、今年の国家予算を成功裏に執行することについて強調した。


全般的12年制義務教育実施の法令執行総括

 朝鮮中央通信によると、11日におこなわれた最高人民会議第13期第5回会議で、教育委員会委員長兼普通教育相の金承斗代議員が全般的12年制義務教育の実施に関する法令執行の総括について報告した。

 2012年9月に開かれた最高人民会議第12期第6回会議では、全般的12年制義務教育の実施に関する法令を発布した。

 報告によると、全般的12年制義務教育を実施するための事業が党・国家・人民あげての事業として推し進められた。

 教育委員会は、法令実行の直接の担当者として全般的12年制義務教育を全面的に実施し、その質を高める事業を積極的に推し進めた。全般的12年制義務教育を1年制就学前教育と5年制小学校、3年制初級中学校、3年制高級中学校の教育に定めたのに続き、2013〜14学年度から6年制中学校を3年制初級中学校と3年制高級中学校に分けて運営した。

 今年の新学年度から小学校教育を4年制から5年制に転換し、新しい学校種である各技術高級中学校で授業を始めた。

 全般的12年制義務教育の総体的目標と学校種別、科目別の到達基準を定めて授業内容の範囲と水準を確定したし、それにもとづいて2013年の新学年度前に学校種別のカリキュラムと教授要綱を作成して各級学校に示達した。

 師範大学、教員大学を地域別の総合大学に所属させ、教員養成部門の大学で通信教育を遠隔教育に転換したし、教員数を増やした。

 全般的12年制義務教育綱領にもとづいて幼稚園と小学校、初級中学校、高級中学校、技術高級中学校用の教科書、参考書を新たに出版して全国のすべての児童、生徒と園児、教員に供給したし、300余種910万余点に及ぶ実験・実習器具と教具、備品を供給した。

 省、中央機関、道市郡人民委員会が、学校の教育の条件と環境を改善するために積極的に努力した。

 財政省と当該機関は毎年、教育事業費を平均7.1%増やしたことで、教育の物質的・技術的土台をさらに強化できるようにした。

 法令発布後の4年間に全国的に1500余の学校を建設したり、増築して1万790余の教室を新たに設けたし、多くの教具、備品を生産、供給した。

 全国の愛育院(児童養護施設)と初等学院(初等教育をおこなう児童養護施設)、中等学院(中等教育をおこなう児童養護施設)の教育環境と生活条件が根本的に一新された。

 学校支援活動が、社会、人民あげての運動として積極的に繰り広げられた。

 去る1日、新学年度を迎えて朝鮮全土で全般的12年制義務教育が全面的に実施された。

 金承斗代議員は、全般的12年制義務教育の全面的な実施に合わせて教育部門で革命を起こし、全人民科学技術人材化、人材強国化の実現の近道を開いていくことについて強調した。【朝鮮通信=東京】

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