安保問題を通じて見たドイツの二面的行為
−2017年7月21日−

 朝鮮中央通信社は21日、「安保問題を通じて見た欧州大国の二面的行為」と題する全文次のような論評を発表した。

 最近、ドイツ連邦議会で欧州共同の核抑止力を保有する問題を検討し、それが法律的に可能であるという結論に至ったという内容の報道が出ている。

 ポーランドのインターネット誌「フ・プロスト」は6日、米国メディアの報道を引用し、ドイツ連邦議会が欧州の核保有国であるフランスや英国の核兵器を金を払ってレンタルする方式で欧州諸国が共同で核抑止力を保有する問題を検討し、それが合法的であり、当該の法律を採択すれば十分に実践可能であるという結論をくだしたと伝えた。

 これが事実なら、ドイツが遅まきながら欧州の安全は欧州自身で守るべきであり、最上の安全保障は核抑止力を備える道であることを認識していると見るべきであろう。

 ほとんどがNATO加盟国である欧州諸国は、防衛および安保分野で米国に大きく依存している。

 最近、トランプ政権がNATO加盟国の防衛費支出増額を求めて欧米間の対立が深まっており、同時に欧州連合(EU)の安保政策では変化が起きている。

 欧州委員会委員長は6月9日、ある講演で「欧州防衛をこれ以上外国任せにできない」と主張し、対米依存度を下げてEU独自の防衛力を強化する意向を示したし、欧州委員会は7日、「欧州防衛基金」を設立する計画を発表した。

 EU加盟国の間で輸送機と潜水艦をはじめ、戦闘技術装備を共同購入することを決定し、小規模航空輸送部隊の創設で合意するなど、みずからの軍事能力を高める動きも活発になっている。

 ドイツ連邦議会の今回の法律見直し措置にもやはり、米国の不確実な欧州防衛公約にたいする懸念から米国の「核の傘」ではない欧州自体の核抑止力で最上の安全保障を確保しようとする戦略的な打算が潜んでいるとみられる。

 実際、ドイツのマスメディアと前職および現職高位政治家の間で核抑止力に関する論議がおこなわれており、これは前例のないことであって、安保にたいする関心と懸念がいかに大きいのかを示している。

 問題は、自分の安全には、こんなにも関心が高いドイツが他人の核保有と核戦力強化の不可避性にはあくまで背を向け、ともすれば我々を中傷していることである。

 我々が核を保有して核戦力を強化しているのは、数十年間続き、日々増大する米国の核の威嚇から国の自主権と生存権を守り、地域の平和と安全を守るためであり、これは周知の事実である。

 にもかかわらず、ドイツの政治家が機会あるたびに我々の核抑止力に言いがかりをつけるのは、他人の安全がどうなろうと自分らは関係ないという性根にほかならない。

 ドイツが世界の平和と安全問題に関心があるなら、誰それの核抑止力に言いがかりをつけるのではなく、米国に対朝鮮敵視政策と核の威嚇の中止を求めるべきであろう。【朝鮮通信=東京】


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