中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国との間の
友好、協力および相互援助条約
−1961年7月11日−

 中華人民共和国主席および朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、マルクス・レーニン主義およびプロレタリア国際主義の原則にもとづき、かつ、国家主権および領土保全の相互の尊重、相互不可侵、内政相互不干渉、平等互恵並びに相互の援助および支持の基礎のうえに、全力をあげて両国間の兄弟のような友好、協力および相互援助関係をいっそう強化発展させ、両国人民の安全を共同で保障し、アジアおよび全世界の平和を守り、かつ、強固にすることを決意し、また、両国間の友好、協力および相互援助関係の発展強化が、両国人民の根本的利益に合致するのみでなく、世界各国人民の利益に合致するものであることを確信し、このために、この条約を締結することに決定し、それぞれ次のとおり全権代表を任命した。

 中華人民共和国主席は中華人民共和国国務院総理周恩来を特派し、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、朝鮮民主主義人民共和国内閣首相金日成を特派した。

 これらの全権代表は、互いにその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次のとおり協定した。

第1条
 両締約国は、アジアおよび全世界の平和並びに各国人民の安全を守るため、引き続きあらゆる努力を払う。

第2条
 両締約国は、共同ですべての措置をとり、いずれの一方の締約国にたいするいかなる国の侵略をも防止する。いずれか一方の締約国がいずれかの国または同盟国家群から武力攻撃を受けて、それによって戦争状態に陥つたときは他方の締約国は、直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える。

第3条
 いずれの締約国も、他方の締約国にたいするいかなる同盟をも結ばず、また、他方の締約国にたいするいかなるブロック、行動または措置にも参加しない。

第4条
 両締約国は、両国に共通の利害関係があるすべての重大な国際問題について、引き続き互いに協議するものとする。

第5条
 両締約国は、主権の相互の尊重、内政の相互不干渉および平等互恵の原則並びに友好的協力の精神にもとづき、両国の社会主義建設事業において、可能な経済上および技術上の援助を引き続き相互に与え、かつ、両国間の経済上、文化上、科学上および技術上の協力を引き続き強化発展させる。

第6条
 両締約国は、朝鮮の統一は平和民主の基礎のうえに実現されるべきであり、このような解決は朝鮮人民の民族利益および極東における平和の擁護の目的に合致するものであることを認める。

第7条
 この条約は、批准されなければならない。この条約は、批准書の交換の日に効力を生ずる。批准書は、平壌で交換される。
 この条約は、両締約国が改正又は終了について合意しない限り、引き続き効力を有する。

 1961年7月11日に北京で、ひとしく正文である中国語および朝鮮語により本書2通を作成した。

中華人民共和国全権代表   朝鮮民主主義人民共和国全権代表
周 恩 来   金 日 成

出典:「国際条約集」1991年版 有斐閣

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