第一の武器商人は米国
−2010年4月6日−


 朝鮮中央通信によると、6日付の「労働新聞」は、「通じない破廉恥な詭弁」と題する署名入りの論評を掲載した。その全文は次のとおり。


 今、米国が、「ミサイル脅威」「不法兵器の拡散」を云々して、我々に途方もなく言いがかりをつけている。

 最近、米下院歳出委員会の公聴会で米太平洋軍司令官と南朝鮮占領米軍司令官は、北朝鮮が国連安全保障理事会の各決議に「違反」している、ミサイルのような兵器の開発に力を集中しているなどと証言した。

 これだけではない。

 米国家情報長官室は昨年、全世界的な大量破壊兵器関連技術の拡散状況に関する報告書を米議会に提出して、我が国を弾道ミサイルとその関連技術の「最大輸出国」であると言いがかりをつけた。その一方で、米国防総省の副長官は、米航空宇宙学会の主催によるミサイル防御関連会議に出席して、我が国が米本土を「威嚇」する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を引き続き推し進めているなどとでたらめを言った。

 どれも、我が国に見当違いの「犯人」のレッテルを張ろうとする米国の狡猾な術策である。

 米国のいわゆる財団や研究所の軍事専門家は、我々のミサイルの開発と能力を自分なりに評価する文章を書いてマスコミを通じて世界に流布している。

 これらすべては、汚らわしい目的をねらった米国の心理・謀略戦である。我が共和国を「犯人」に仕立てなくては自分らの不純な目的を達成することができないので、そんな茶番を演じているのである。

 現実は、米国の卑劣な反共和国心理・謀略戦が新たな様相を帯びてより悪辣になりつつあることを示している。

 米国が、我が国のありもしない「ミサイル脅威」説、「不法兵器の拡散」説を世界に流布しようとする行為は絶対に許されないし、ここには明白にすべき問題がある。

 我が国がミサイルを開発し、配備しているのは、徹底的に自衛のためである。

 もともと、ミサイル問題の根源をただせば、それは朝鮮半島の南側に膨大な核兵器とミサイルを持ち込んで、我が共和国を恒常的に脅してきた米国によって生じたものである。一方が凶器を手に襲いかかってくれば、相手も相応の武器を手に立ち向かって戦うのは普遍的な対敵原理である。このように見ると、米国は我々のミサイル技術の保有を問題視して言いがかりをつけるのではなく、自分自身が長期間強行してきた対朝鮮敵視政策、ミサイル配備策動から問題視し、それを中止する方が正しい行為になるであろう。

 「不法兵器の拡散」説も、米国が捏造した謀略的な作り話である。

 世界的に多くの国が、兵器の取引をしている。なかでも、第一の武器商人は取りも直さず、米国である。世界の不安定な地域で、米国の兵器が入ってない所はほとんどない。自分の金もうけのために、不純な目的を実現するために国際情勢を緊張させ、通常兵器から戦略兵器に至るまで手当たり次第に売りさばく米国が、他国の「兵器拡散問題」に言いがかりをつけるのはお門違いにもほどがある。

 しかし、米国は、自国の犯罪行為は風呂敷に包み隠し、国際法の原則である各国の自主権尊重と平等保障の原則を無視して、衛星の打ち上げをはじめ、我々の自主的権利だけを意のままに「不法」に仕立て上げる不公正で独善的な行動を働いてきた。

 米国が国際法を無視する行為自体が不法、非法であり、重大な犯罪となる。

 国際的に糾弾を受けるべき真の不法兵器拡散者は米国である。イスラエルに高濃縮ウランを供与したこと、台湾に核弾頭用起爆装置を供与してから2年後に回収したことなど、米国が世界の知らない間に行って暴かれた不法兵器拡散の事例は、枚挙にいとまがない。このような汚い自国の犯罪行為を隠して対朝鮮孤立・圧殺野望を実現するために、米国は、我々の「ミサイル脅威」と「不法兵器の拡散」について猛烈に世論化しているのである。

 また、ほかの理由がある。

 米政府にとってミサイル防衛(MD)システムの構築をはじめ、自分らが展開している軍備競争、緊張激化策動を合理化する口実が必要なのである。「防衛」の名目で米国民から多くの税金を徴収するにもそうであり、世界の非難を鎮めて各地域に自国のミサイルをはじめ、各種の装備を引き続き配備するにも、我々のありもしない「脅威」説が絶対に必要なのである。

 しかし、半世紀以上も流し続けてきた古びた米国の「北朝鮮脅威」説に耳を傾けて相づちを打つ国が一体いくつあるであろうか。米国が捏造された「ミサイル脅威」説、「不法兵器の拡散」説で世論をミスリードして、我々の合法的な戦争抑止力強化を阻めると考えるなら、それほど愚かな誤算はない。

 我々の戦争抑止力は、朝鮮半島と東北アジアの平和保障の威力ある手段であり、我が人民の生と幸福の軍事的保証である。力の弱い国は、国家主権と人権、平和も守り抜くことができず、経済建設も意のままに進めることができず、国際舞台で自分の声を堂々と上げることもできない。これは、歴史が示す深刻な教訓である。

 我々は、敵の対朝鮮敵視・圧殺政策が引き続き強行される限り、戦争抑止力を強化する道から一歩も退かないであろう。これは、我が人民の鉄の信念であり、意志である。我々の合法的な戦争抑止力の強化を阻もうとする米帝の破廉恥な詭弁は絶対に通じない。

 米国は、途方もない反共和国茶番を中止する方がよかろう。

2010.4.6 「労働新聞」論評(全文)−朝鮮通信=東京



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