西欧同盟解体、清算すべきは停戦協定
−2010年4月20日−


 朝鮮中央通信によると、20日付の「民主朝鮮」紙は、「冷戦の産物を清算すべきである」と題する全文次のような署名入りの論評を掲載した。


 こんにち、世界は対決ではなく、和解と協力、平和の道に進んでおり、歴史発展の新たな転換期を迎えている。

 最近、欧州で西欧同盟(WEU)が声明を発表して同盟の解体を宣布した。声明は、WEUがみずからの歴史的な役割を完遂したとし、これに従ってブリュッセル条約の当事国が同盟を解体することを決定したと指摘した。フランスの外務省スポークスマンは同盟解体に関連した決定を全加盟国が支持したと明らかにした。

 結局、WEUは、みずからの使命を終えて解体された。

 周知のように、WEUは第2次世界大戦後の1948年にベルギーと英国、フランス、オランダなど多くの欧州諸国が、ベルギーの首都ブリュッセルに集まって旧ソ連の「脅威」に共同で対処していくという名目で条約を調印して創立された。

 ところが、冷戦が終息した後、WEUの存在意義は薄れ始め、とりわけ欧州連合(EU)の出現により、おのずと時代遅れの機関に転落した。

 特に、昨年の12月にリスボン条約が発効した後、EUが全般的な欧州地域の安全保障問題に責任をとることになり、WEUは自身の存在意義を完全に喪失することになった。

 WEU加盟国の中には、むだに資金だけを消費する朽ち果てた機関の解体を求める声が高まった。

 こうして、数十年間存在してきた冷戦時代の産物であるWEUは解体を宣布し、自身の存在に終止符を打つことになったのである。

 これは、世界的に冷戦時代の産物を清算し、平和と安定を実現することが人類共同の念願、時代の大勢であることを物語っている。

 しかし、朝鮮半島には現在も冷戦時代の産物である停戦状態が持続して地域の平和と安定をゆゆしく脅かしている。米国は、冷戦が終息した後も侵略的な対朝鮮侵略を実現する目的のもとに南朝鮮で自国の軍事統制権をより強化し、我が共和国を武力で侵略するための新たな戦争挑発を悪辣に行ってきた。米国が南朝鮮に数万人の米軍を駐屯させたのも、南朝鮮を世界最大の核前哨基地に転落させたのも侵略的な対朝鮮戦略を実現するためである。

 米国の新たな戦争挑発策動によって、朝鮮半島情勢は平和ではなく、戦争の局面へとひた走っており、我が人民はいつ核戦争が勃発するかわからない危険のなかで生活している。南朝鮮とその周辺に米国の核兵器が集中的に配備されており、大国の利害関係が複雑に絡み合っている朝鮮半島で戦争の炎を上げようと狂奔する米国の策動は世界の大きな憂慮をかき立てている。

 朝鮮半島で戦争が勃発すれば、それは瞬く間に世界的な核戦争へと拡大しかねない。

 既に以前、米国は、我が共和国を「核先制攻撃の対象」に指名したのに続いて、核先制攻撃を朝鮮戦争の基本方式に定めた。米国は、最近のNPRでも我が共和国を核不使用の対象から除外することを決定した。

 これは、核先制攻撃で、我が共和国を圧殺しようとする米国の野望には変わりがないことを実証している。

 朝鮮半島で緊張を緩和し、平和を保障することは、地域的な問題のみならず、アジアと世界を核戦争の災禍から救うための最も重要で責任のある事業である。

 世界的に最も先鋭なホットスポットとして対決と不信が持続し、常に戦争の危険のなかにある朝鮮半島で平和を保障するためには、米国の対朝鮮敵視政策が終わり、朝米の敵対関係の根源である戦争状態を終息させるための平和協定が締結されるべきである。

 停戦協定が平和協定にかわれば、朝鮮半島での軍事対峙状態が解消され、朝米間の信頼醸成の問題もおのずと解決されるし、ひいてはアジア太平洋地域で平和的な環境が整えられる。

 米国が平和協定締結に背を向け、対朝鮮圧殺を国策に掲げて強権と力の立場で共和国をどうにかしようとするのは実現されない妄想である。

 朝鮮半島で戦争が防止され、平和が保障されるかどうかの問題は、全面的に米国の態度にかかっている。

 米国と和解と協力、平和へと進む時代の流れを正しく認識し、冷戦時代の産物である戦争状態に終止符を打ち、平和協定の締結に速やかに応じるべきである。

2010.4.20 「民主朝鮮」論評(全文)−朝鮮通信=東京



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