米司令官の「戦争遂行司令部」転換発言非難
−2010年4月27日−


 朝鮮中央通信によると、27日付の「労働新聞」は、「火薬臭を漂わす戦争たわ言」と題する署名入りの論評を掲載した。その全文は次のとおり。


 南朝鮮を軍事的踏み台にして全朝鮮を併呑しようとする米国の新たな戦争挑発策動が、いっそう露骨になっている。米国の好戦階層が、連発する好戦的な妄言がそれを実証している。

 最近、南朝鮮占領米軍司令官は、「米第8軍司令部が、戦争遂行司令部に転換されるであろう」とし、米軍は朝鮮半島に対する長期的な駐屯を通じて「安保を提供するであろう」と言い散らした。好戦的な侵略者の時代錯誤の対決意識、戦争ヒステリーの発露である。

 南朝鮮駐屯米軍は、朝鮮侵略の別動隊であり、植民地統治のための占領軍である。

 この数十年間、米国は武力で南朝鮮を占領し、南朝鮮を自由と民主主義の廃墟地帯、北侵戦争のための巨大な核および兵站基地、作戦基地に変えた。

 米帝はこれまで、南朝鮮占領米軍とかいらい軍、そして米本土とアジア太平洋地域の膨大な米軍武力を動員して、我が共和国に反対する戦争演習を絶え間なく行って情勢を激化させてきた。大規模の危険な火薬庫同然の所で米軍が、核兵器をはじめ、各種の戦争装備を投入して地上と空中、海上で無謀な合同軍事演習を展開するたびに南朝鮮は一つの戦場をほうふつさせ、朝鮮半島の情勢は一触即発の危機に瀕した。

 ここで、米第8軍司令部が、中枢の役割を果たしたというのは言うまでもない。

 南朝鮮では、米帝侵略軍による殺人、強姦など各種の犯罪行為が続発している。南朝鮮の幼い女子生徒たちを装甲車でひき殺したのもほかならぬ米占領軍である。

 米国の軍事的占領統治が続くほど、南朝鮮人民が被る不幸と災難は大きくなり、朝鮮半島の情勢はさらに緊張激化の道へひた走っている。米国が、南朝鮮占領米軍を「安保」のための「抑止力」に描写して、その長期駐屯と戦争遂行について唱えるのは、北侵野望に狂っている好戦狂のヒステリーであると言わざるを得ない。

 朝鮮半島がいまだ統一されずに北と南に分かれて同族が銃口を向け合っているのは、ほかならぬ米国の南朝鮮占領のためである。南朝鮮に対する米国の軍事的占領がなかったなら、我が人民はこんにちのように民族分裂の悲劇に見舞われなかったであろうし、朝鮮半島は平和と繁栄の地帯になったであろう。

 米国が南朝鮮に対する軍事的駐留を長期化すると妄言を吐くのは、ここを永久に占領して侵略的な対朝鮮・対アジア戦略実現の前哨基地にしようとする腹黒い下心から出発したものである。

 米国が騒ぎ立てる「安保」云々は、第2の朝鮮戦争のスローガンであり、侵略論である。米帝が、南朝鮮駐屯米第8軍司令部を戦争遂行司令部に転換しようとするのは、これに伴うものである。

 米第8軍司令部は、日本から南朝鮮に移動展開されてからこんにちまで駐留し続けて米帝の朝鮮侵略の突撃隊としての役割を果たしてきた。

 米国は、朝鮮半島を取り囲むアジア太平洋地域に膨大な侵略武力を集中展開すると同時に、新たな朝鮮戦争計画に従って米第8軍の作戦指揮体系を絶えず改編、完成してきた。米国防総省は既に、南朝鮮占領米第8軍を野戦軍体系に改編して東北アジア地域の多くの米軍武力を米第8軍司令部の軍事作戦指揮圏内に置いた。米第8軍司令部を戦争遂行司令部に転換させるのは、単に看板だけを取り替えることではない。これには、第2の朝鮮戦争の導火線に必ず火を付けようとする米帝の危険な北侵戦略が潜んでいる。

 米第8軍司令部が正式に現地戦争遂行司令部に転換されれば、南朝鮮占領米軍司令官は朝鮮半島周辺に配置されている多くの米陸海空軍および海兵隊武力はもちろん、戦略核武力まで朝鮮戦争に動員させることのできる戦時作戦権を行使できるようになるのは明白である。これは、「有事」に朝鮮半島に投入する膨大な米軍武力に対する統一的な作戦指揮を保障して戦争を速戦即決しようとする企図から発した無謀な策動である。

 米国は、新たな朝鮮戦争挑発のために狂奔している。

 戦争の方法で全朝鮮を掌握し、ひいてはアジア太平洋地域に対する軍事的覇権を維持、強化しようとするのは米国の変わらぬ戦略的企図である。米国が、朝鮮停戦協定を平和協定にかえることについての我々の提案に背を向けて南朝鮮とその周辺地域に侵略武力を引き続き増強配備しているのはそれと関連する。

 米帝が、朝鮮半島の「安全保障」について騒ぎ立てるのはうそであり、欺瞞である。米国が南朝鮮を足がかりにして戦争を追求する限り、朝鮮半島の緊張緩和と平和を絶対に期待できない。

 米国が我々の「軍事的脅威」を騒ぎ立てて対朝鮮制裁と圧力を強化するのは、朝米関係を最大に悪化させて戦争挑発の時間を早めようとする意図的な策動である。

 米帝が新たな戦争挑発策動に狂奔する限り、我々はそれに対処して自衛的軍事力を百倍、千倍にしっかりと打ち固めていくであろう。

 米国は、自分らの冒険的な戦争挑発策動が招く重大な結果について熟考しなければならない。

2010.4.27 「労働新聞」論評(全文)−朝鮮通信=東京



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