米国が北南共同報道文履行を妨害
祖国平和統一委員会代弁人 
−2015年9月17日−

 祖国平和統一委員会(祖平統)のスポークスマンは、米国が北南高位級緊急接触でもたらされた北南関係改善の流れを妨害するために策動していることに関連して17日、朝鮮中央通信の質問に次のように答えた。

 最近、北南間で赤十字実務接触が行われ、離散家族・親戚再会の準備が予定どおり進められるなど、北南高位級緊急接触の共同報道文の履行で一連の肯定的な前進が遂げられている。

 しかし、米国が、これに差し出がましく割り込んで露骨に妨害している。

 ホワイトハウスと米国務省、国防総省の関係者、対朝鮮専門家が、口々に「北は約束を破ったことが一度や二度ではない」「見守るべきである」「来る10月のオバマと朴槿恵の会談で、北の核廃棄と人権改善の問題に比重を置いて取り扱われる」と騒ぎ立てる一方、米国で前例のない規模の「北朝鮮人権討論会」なるものを開いてわが共和国に対する否定的な世論をつくり、北南間にくさびを打ち込もうとあがいている。

 また、心理戦放送が、北の態度を変える「最善の解決法」であるとして南朝鮮当局者を謀略放送の再開へとあおる一方、「北の10月挑発説」を積極的に世論化し、米本土にある米陸軍第10山岳師団所属の特殊戦武力まで南朝鮮に投入し、朝鮮半島の軍事的緊張を激化させようと画策している。

 せっかくもたらされた北南対話の雰囲気に冷や水を浴びせ、共同報道文の履行を公然と妨害した米国の卑劣な策動はいま、全同胞の込み上げる怒りを買っている。

 米国は、歴史的に北南間に関係改善の雰囲気が生じるたびに、南朝鮮当局に圧力を加えて情勢を意図的に激化させ、壊す茶番を演じてきた。

 1972年に7.4共同声明が発表され、統一に対する希望と期待で北南三千里が沸き返った際、「二つの朝鮮」でっち上げ策動と「チームスピリット」合同軍事演習でその遮断棒をおろしたのがまさに米国であり、90年代に入って北南高位級会談が開かれ、「北南間の和解と不可侵および協力・交流に関する合意書」が採択されると、反朝鮮核騒動で北南合意書が日の目を見ないようにした張本人も、ほかならぬ米国である。

 2000年6月と07年10月、歴史的な北南首脳対面が行われて6.15共同宣言と10.4宣言が採択された際も、米国が南朝鮮執権者に圧力を加えて両北南宣言を白紙に戻そうとどれほど卑劣に策動したのかは、既に広く知られている。

 北南関係の進展を阻もうとする米国の凶悪な下心は、昨年に離散家族・親戚の再会が行われている最中に膨大な核戦争手段を南朝鮮に投入し、「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習を行って意図的に一触即発の緊迫した情勢を醸成した事実を通じて全世界にあらわになった。

 結局、米国は、今回も北南高位級緊急接触の共同報道文が発表されたことについて「歓迎」するとしておいては、裏では各方面からその履行にブレーキをかけているのである。

 これは、米国の欺瞞的で偽善的な正体とともに、米国こそ朝鮮半島の平和と統一のがん的存在であることを改めてはっきりと示している。

 米国は、南朝鮮を永久占領するために朝鮮半島で情勢緩和ではなく緊張を激化させ、北南関係改善ではなく対決だけを追求している。

 米国のこのような露骨な圧力が、南朝鮮当局の手足を縛り、北南関係に致命的な影響を及ぼしているのがこんにちの厳然たる現実である。

 米国の対朝鮮敵対企図がさらに露骨になっているのと時を同じくして、いま、南朝鮮当局者の間で今回の北南高位級緊急接触の合意精神に反し、対話の相手側を刺激して反対する極めて無礼な挑発的妄言が連日飛び出ている事実がそれを明白に示している。

 米国の干渉と妨害策動をそのまま放置しては、いつになっても北南関係の問題で解決されるものなど一つもない。

 我々が北南関係で一貫してわが民族同士を主張する理由が、まさにここにある。

 南朝鮮当局が、米国の圧力に抑えられて自主の立場に立てず優柔不断に行動するなら、北南間にいくら良い合意が遂げられようと死文化するしかないというのが曲折多い北南対話の歴史が示す教訓である。

 いまこそ、南朝鮮当局が、わが民族同士か、もしくは外部勢力との共助かの立場を明白にすべき時である。

 我々は、ようやくもたらされた緊張緩和の局面を壊し、北南関係の改善を妨げる米国とその追従勢力の策動を絶対に許さないであろう。

 全同胞は、わが民族同士の旗印高らかに力を合わせて米国の干渉と妨害策動を粉砕し、意義深い今年に自主統一の大道を必ず開いていくべきであろう。【朝鮮中央通信=朝鮮通信】

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