李洙墉外相が米国に敵視政策撤回要求
国連本部で演説 
-2016年4月21日-

 朝鮮中央通信によると、朝鮮の李洙墉外相が21日、国連本部で開かれた持続可能な開発目標(SDGs)に関する高官級討論会で演説した。

 李洙墉外相は、SDGsは全世界的な範囲で社会的不平等と貧困をなくし、人間の尊厳と創造的能力を思う存分発揮して我々の世代だけでなく次代の豊かな生活を保証する世界を建設することを公約した人類共同の行動綱領であるとし、次のように指摘した。

 朝鮮は、SDGsに示された目標が社会主義強盛国家建設のための政策に合致するとみなし、既に支持を表明した。

 わが共和国は、人民大衆中心の社会主義国家であって全的に人民のために服務しており、人民にさらに豊かで文化的な生活を与えるために積極的に努力している。

 わが国では、全般的12年制義務教育制度と働きながら学ぶ教育体系によって皆が思う存分学んでおり、全般的無料治療制の恩恵で、性別や年齢、職業や居住地に関わりなく無料で医療サービスを受けている。

 人民に無償で住宅を供給し、働く能力がある人に職を与え、税金という言葉そのものをなくし、国家の負担による有給休暇制、静養・休養制をおこなうなどの人民的施策を実施している。

 わが国でのSDGs達成の展望はとても良好である。

 わが共和国政府は、食糧問題、食の問題を人民生活の向上のための優先的な課題として提起し、農業に科学農法を積極的に取り入れ、営農の総合的な機械化を推し進めて2030年までに穀物生産を2倍に増やす活動に大きな力を入れている。

 重要生産施設と教育・文化施設、住宅が最上の水準で、最大の速度で建てられており、人民と次代のための文化的生活拠点が、さらに多く建設されて至る所で幸福の笑い声が高く響き渡っている。

 わが共和国政府は、山林復旧を自然との戦争であると宣布するとともに、現代的な苗木生産拠点を設けて苗木生産を科学化、工業化、集約化し、山林造成と山林保護を同時に推し進めて2024年までに167万余ヘクタールの山を造林、再造林するであろう。

 国土建設が科学的に展望をもっておこなわれて、人民により文化的でしっかりとした生活の基盤がもたらされ、2030年までに自然災害による人的・経済的損失が大幅に減るであろう。

 朝鮮は、科学技術重視を戦略的路線として捉え、科学研究部門にたいする国家的投資を絶えず増やして、原料、資材、設備の国産化を推進することで、自立的な開発能力を積極的に向上させていくであろう。

 SDGsは、すべての国家の領土保全と政治的独立を徹底的に尊重し、富と天然資源、経済活動にたいする完全かつ永遠の主権行使を保証し、国際法と国連憲章に反する一方的な経済・金融および貿易措置を講じることを禁ずることを厳かに、そして強く求めている。

 わが国で持続可能な開発は、外部勢力によって最悪の条件でおこなわれている。

 いま、この時刻にも、朝鮮半島では30余万人の膨大な武力と米国の核戦略資産がすべて動員された史上最大規模の核戦争演習が大々的におこなわれている。

 わが共和国を目標にした米国の核戦争演習は、既に20世紀の50年代からこんにちに至る長い問、絶えず続いている。

 わが共和国政府は、米国の核の脅威を除去するために対話を通じた努力もしたし、国際法に依拠した努力もしたが、すべてが水泡に帰した。残ったのは唯一、核には核で対応することだけであった。

 米国こそ、我々を核保有へと後押しした張本人であり、米国の核の威嚇、恐喝は、我々を核戦力強化へと促した原動力になった。

 世界で唯一の核兵器使用国であり、朝鮮半島核問題の基本の当事者である米国が逆に我々の自衛的な核抑止力強化措置と人工衛星打ち上げを問題視し、国連安全保障理事会を唆して対朝鮮「制裁決議」を強行採択するようにしたのは、無法極まりない強盗の行為にほかならない。

 わが共和国の水爆実験は、米国の侵略的な対朝鮮敵視政策と増大する核威嚇から国の自主権と生存権を守るための自衛的な核抑止力の確保措置である。

 我々の人工衛星打ち上げは、国際的に公認された主権国家の合法的な権利の行使である。

 米国の核の威嚇に対応した我々の核保有が問題になるなら、この世界で一番最初に核を保有し、唯一核を使用した米国から問題視すべきであり、衛星打ち上げを問題視するなら米国をはじめとする宇宙に衛星を打ち上げたすべての国を問題視すべきであろう。

 米国が国連安保理を動員して我々の自衛的措置と平和的宇宙活動を世界の平和にたいする「脅威」に、人類の安全を害する「挑発」と罵倒し、制裁の対象に定めたことこそ国際法と国連憲章にたいする乱暴な違反であり、SDGsにたいする露骨な挑戦である。

 米国は、国連「制裁決議」の穴を埋めるとして強盗さながらの単独制裁を加え、他国を威嚇、恐喝して我々との正常な貿易取引まで遮断しており、日本と南朝鮮を押し立てて卑劣で、幼稚な方法で我々の経済活動を妨害しようとしている。

 核の威嚇と経済封鎖で、我々をなくすという米国の行為は無知のあらわれである。

 制裁と封鎖が強化されるほどさらにかたく、力強く立ち上がろうとする不屈の精神力にもとづいたわが人民のチュチェ哲学を米国は永遠に理解できないであろう。

 米国がいくら水も漏らさぬ制裁と封鎖を加えても、わが人民は自彊力第一主義の旗印をさらに高く掲げ、我々自身の力ですべての難関と試練を乗り越えていくであろう。

 誰が最後に笑うのか見よ、我々は必ず勝利するであろう、まさにこれが、国防委員会第1委員長である敬愛する金正恩同志の政治的意志であり、わが人民皆の心に刻まれている信念であり、度胸である。

 わが人民は、勝利を確信し、いつであろうとも米国が我々の持続的な開発を阻んだことにたいする補償をしっかりと受け取るであろう。

 米国の制裁圧殺策動の危険性は、それが、こんにちはわが共和国を対象におこなわれているなら、明日は米国の強権に立ち向かうすべての国がその犠牲になるというところにある。

 一方的な基準と観念で他国の政治体制を敵視し、政治的、軍事的、経済的な圧力と威嚇を加える強権と専横が終わらないなら、人類の福利増進のためにかかげたSDGsも決して実現しない。

 わが共和国に反対して核戦争と制裁を強要し、世界の平和と安全を脅かす米国に盗用されている国連安保理は速やかに改革されるべきであり、これ以上米国の玩弄物になってはならない。

 私は、国連の神聖なこの演壇で、米国がわが共和国に反対するすべての形態の核の威嚇と制裁策動を直ちに中止し、時代錯誤な対朝鮮敵視政策を終息させることを強く求める。

 あわせて、この機会に朝鮮が朝鮮半島に生じた厳しい環境のなかでもSDGs達成のための世界的な努力に積極的に合流していくことを確言する。【朝鮮通信=東京】


inserted by FC2 system