李容浩外相がARF閣僚会議に参加
−2016年7月23〜30日−

 朝鮮中央通信によると、李容浩外相を団長とする朝鮮代表団がラオスでおこなわれるARF閣僚会議に参加するために23日、平壌を出発した。

 26日、李容浩外相は、ラオスのビエンチャンでおこなわれたARF閣僚会議で演説した。

 李容浩外相は、朝鮮半島での衝突の危険が、より現実化していることによって、東北アジア全般の情勢が大変緊張していると述べ、次のように指摘した。

 私はこの場で、朝鮮半島情勢の本質的な側面に関する朝鮮政府の見解と立場を通報することが本会議の案件の討議に役立つものと思う。

 去る5月におこなわれた歴史的な朝鮮労働党第7回大会で敬愛する金正恩同志は国家経済発展5カ年戦略を示した。

 人民経済全般を活性化して持続的な経済発展の土台を築き、人民生活を決定的に向上させようというのが、この戦略の目標である。

 朝鮮労働党委員長である敬愛する金正恩同志は党大会で、国の統一を民族自主の旗印のもとに連邦制方式で遂げることに関する主体的な祖国統一路線も示した。

 北と南が軍事的対峙状態を緩和し、すべての問題を対話と協議を通じて解決していこうというのが、その実現のための当面の課題、方途として示された。

 これにもとづいて朝鮮は、国家経済発展5カ年戦略の遂行に着手しており、北南関係を対話と協議の方法で改善するための新たな努力を傾けている。

 これらの努力は、すべてが朝鮮半島の平和と平和な環境を必須の前提として求めている。
しかし、情勢の流れは異なっている。わが国にたいする軍事的威嚇が前例なく増大している。

 米国の核爆撃機、原子力潜水艦、THAADをはじめとする戦略資産が絶えず朝鮮半島に投入されている。

 米国と南朝鮮の大規模な合同軍事演習による3〜4月の情勢の山場に続き、8月の暗雲が再び立ち込めている。

 悪名高い「ウルチフリーダムガーディアン」合同軍事演習で、今回はまたどのような山場を迎えるのか誰も予測できない。

 米国が、わが国にたいする敵対的な経済制裁を試みているのが情勢を緊張させるもう一つの要因となっている。

 いま、この場にいる各外相にも国連安全保障理事会の対朝鮮「制裁決議」を履行せよという圧力が加えられていることを我々は知らなくはない。

 米国の限りない核の威嚇には、やむを得ず核抑止力で立ち向かう方途しかないという戦略的決断をくだしたとき、我々は既にあり得るすべての制裁を覚悟した。

 いかなる制裁にも対処する準備ができている。
 しかし、各国の外相が参加したこの場で、国連安保理の「制裁決議」の適法性と道徳性いかんについては一言述べようと思う。

 国連憲章の規定によると、安保理は国際平和と安全が破壊されたり、そのような脅威が存在するときにのみ、当該の状況を扱うことになっている。

 核実験をはじめ、兵器の実験や人工衛星の打ち上げが国際平和と安全に脅威になるという定義は、国連憲章にも、どの国際法の条項にもない。

 もし、そのような条項があるなら、わが国が核実験と衛星打ち上げをおこなう、はるか前からおこなわれている2000余回の核実験と衛星打ち上げのたびに、安保理が黙っていなかったであろう。また、黙っていてはならなかったであろう。

 しかし、安保理は唯一、我々の核実験と衛星打ち上げにだけ「国際平和と安全にたいする脅威」であると勝手に定義し、それを禁止する「決議」を採択した。

 そして、我々がそれに違反するとして「制裁決議」をまた次々と採択した。

 政治目的に沿って国連憲章をしのぐ越権行為、これがまさに国連安保理の対朝鮮「制裁決議」の本質である。

 これに関連して、我々が国連事務局に「制裁決議」の適法性いかんに関する解明を公式に求めたが、事務局は説明をしていない。

 去る3〜4月に南朝鮮でおこなわれた合同軍事演習は、主権国家の指導部を「斬首」し、首都を占領することを目標にした侵略的で攻撃的な性格であることによって、明白に国際平和と安全を脅かす行為であった。

 しかし、朝鮮政府の再三の訴えにもかかわらず、国連安保理は動かなかったし、徹底して背を向けた。

 尊厳ある国連加盟国であるなら当然、対朝鮮「制裁決議」に反映された安保理の公正性と道徳性いかんに注意を払い、分別をもって判断するであろう。
米国がわが共和国を敵視しなかったなら、そもそも朝鮮半島は世界的なホットスポットにならなかったであろう。

 敬愛する金正恩同志は、朝鮮労働党第7回大会で、米国が時代錯誤の対朝鮮敵視政策を撤回すべきであり、停戦協定を平和協定にかえ、南朝鮮から侵略軍隊と戦争装備を撤収させなければならないと述べた。

 また、朝鮮政府は、かつて我々と敵対関係にあったとしても、わが国の自主権を尊重して我々に友好的に接する国とは関係を改善し、正常化していくであろうと宣明した。

 しかし、米国は、それと正反対の方向に進んでいる。

 最近は、ありもしない「人権問題」を持ち出して我々の最高の尊厳を冒涜することで最大の敵対行為を働くに至ったo

 これは、主権国家であるわが国との共存を拒否し、我々とのすべての対話の扉を完全に閉ざすという宣戦布告も同然である。

 我々はこれについても予想していたし、対話と対決の両方を準備した。

 既に3年前に、わが党は経済建設と核戦力建設の並進路線を示したし、その結果、こんにち、我々の核抑止力はその使命を立派に遂行できる水準に到達した。

 もし、来る8月に朝鮮半島情勢が統制を失うことになるなら、その全責任は核戦略資産を朝鮮半島に持ち込んだ側、朝鮮の最高の尊厳に手出しして先に宣戦布告した側である米国が負うことになるであろう。

 我々は、大国であるからといってわが国を苦しめて討とうとするなら、決して無事ではいられないことを示す準備ができている。

 米国は身震いする代価を払うことになるであろう。

 米国は、アジア太平洋地域の他の海上紛争問題にも勝手に介入して同地域の情勢をさらに複雑にしている。

 私はこの場で、米国の追従者にはあえて言及する必要を感じない。

 国務委員会委員長である金正恩同志は、我々の核戦力が相手にすべき真の敵は核戦争そのものであると述べた。

 朝鮮政府は、米国によって強いられている核戦争の危険を強力な核抑止力に依拠して根本的に終息させ、地域と世界の平和を守るたたかいを力強くおこなっていくであろう。

 一方、25日、李容浩外相は、中国とノルウェー、ミャンマーの各外相とおのおの会見した。

 李容浩外相は、敬愛する金正恩同志を党と国家の最高位にいただいた誇り高らかに朝鮮人民が社会主義強国建設の雄大な目標を達成するたたかいでおさめている成果に言及した。また、朝鮮が核強国の威力で地域と世界の平和と安全を守るために努力していると強調した。

 席上、国家間の友好・協力関係を拡大し、発展させていくうえで有益な意見が交換された。

 李容浩外相はまた、インド外務担当国務相、ブルネイ第2外相とおのおの会見した。

 26日、李容浩外相は、ラオス、タイの両外相とそれぞれ会見した。

 席上、2国間関係を拡大し、発展させ、経済分野での協力を強化するうえで提起される問題に関する意見が交換された。

 李容浩外相を団長とする朝鮮代表団は、28日にビエンチャンを出発し、30日に帰国した。【朝鮮通信=東京】


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