金永南委員長が非同盟諸国首脳会議に参加
−2016年9月13〜24日−

 朝鮮中央通信によると、最高人民会議常任委員会の金永南委員長を団長とする朝鮮代表団がベネズエラでおこなわれる第17回非同盟諸国首脳会議に参加するために13日、平壌を出発した。

 17日、朝鮮代表団団長である金永南委員長は、ベネズエラで開幕した第17回非同盟諸国首脳会議で演説した。

 金永南委員長は、非同盟諸国会議の理念は、この55年間、平和で繁栄する世界、自主的で義に徹した世界の建設のための発展途上諸国のたたかいを力強く促し、世界の変革プロセスに有意義な寄与をしたと強調し、次のように続けた。

 非同盟諸国会議が歩んできた長久な道のりには、会議の創始者とその理念の実現に貢献した著名な指導者たちとともに、自主化された新しい世界の建設と世界の平和偉業の実現、非同盟諸国会議の強化、発展に巨大な寄与をした金日成主席と金正日総書記の不滅の業績が深く刻まれている。

 こんにち、非同盟運動は、帝国主義、支配主義者の侵略と戦争、内政干渉策動によって依然として重大な挑戦に直面している。

 自主勢力との対決で致命的打撃を受けて衰退、没落している帝国主義反動勢力は、何としても自分らの支配権を維持するために必死にあがいて自主的な非同盟諸国会議参加国にたいする侵略と干渉策動を強化している。

 米国をはじめとする帝国主義、支配主義者の策動によって、世界の至る所で「カラー革命」のような政治的動乱と軍事的衝突、紛争が激化し、難民事態のような人道的惨事が拡大しており、その主な被害者の大多数は非同盟諸国会議参加国である。

 大多数の国連加盟国を網羅しており、巨大な人的・物的資源をもつ非同盟諸国会議が国際舞台で当然の地位と発言権をもっていないし、一部の列強の専横と横暴に団結した力で立ち向かえていない厳然たる現実は、我々に深刻な教訓を与えている。

 こんにち、朝鮮半島には、史上最大規模の核戦略資産と膨大な武力を投入して侵略的な核戦争演習を年中絶え間なくおこなっている米国の火遊び騒動によって、いつ爆発するかわからない核戦争の暗雲が恒常的に漂っている。

 米国の強権と核の恐喝に屈服して奴隷になるのか、もしくは、自主的尊厳を守るのかという生死存亡の岐路でわが共和国は、わが人民が選択した思想と制度、民族の自主権と生存権を守るために正義の核の宝剣で不正義の核のこん棒を折る戦略的決断をくだすことになった。

 わが共和国は、核抑止力を中枢とする自衛的軍事力を備えた米国の戦争挑発策動を粉砕することで、民族の尊厳と自主権、朝鮮半島と世界の平和と安全を頼もしく守っている。

 これがまさに、朝鮮半島核問題の本質であり、真相である。

 我々の自衛的国防力の強化と平和的な宇宙の開発に言いがかりをつけていわゆる「脅威」と「挑発」を騒いでいる米国の詭弁は、自分らの侵略的な対朝鮮敵視政策とアジア支配戦略を合理化するための口実にすぎないし、まさに、そのために制裁を加えるべきであるというのは、国連憲章と国際法にたいする乱暴な違反、内政干渉であり、妥当な法律的根拠もない強盗の論理である。

 わが共和国は、小銃で米国の核兵器に立ち向かって戦った1950年代の朝鮮ではないし、米国が核兵器で我々を威嚇、恐喝していた時代は永遠に過ぎ去った。

 最近、我々が成功裏におこなった核弾頭爆発実験は、わが国家の自衛的権利の行使に悪辣に言いがかりをつける米国をはじめとする敵対勢力の威嚇と制裁騒動にたいする実際の対応措置の一環であって、敵が我々に手出しするなら我々も迎え撃つ準備ができているというわが党と人民の超強硬意志の誇示である。

 米国は、核強国、軍事大国の前列に立ったわが共和国の戦略的地位と限りない力を直視して、自重、自粛すべきであり、百年、千年がたっても実現できない荒唐無稽で時代錯誤の対朝鮮敵視政策を撤回し、平和協定を締結する道に出なければならない。

 こんにち、わが人民は、敬愛する金正恩同志の卓越にして洗練された指導のもとに自主、先軍の旗印に従って社会主義強国の建設に総力を集中している。

 敬愛する金正恩同志が朝鮮労働党第7回大会で明らかにした国家経済発展5カ年戦略の遂行でわが人民は、昨日と今日が異なり、朝と夕が異なるように人々を驚かす奇跡と革新を創造している。

 私はこの機会に、敬愛する金正恩同志の指導に従って不屈の精神力で敵対勢力の制裁と封鎖、圧力の鎖を断ち切り、社会主義強国の頂へと駆け上がるわが軍隊と人民の必勝の信念と確固不動の意志を宣明し、会議の地位、役割の強化に関するわが共和国政府の見解と立場に言及しようと思う。

 第1に、非同盟諸国は、反帝、自主の旗印をかかげて人類共通の念願であり、志向である世界の自主化偉業を実現するためにたたかわなければならない。

 朝鮮人民の偉大な領袖たちである金日成主席と金正日総書記は、早くに、こんにちは自主性の時代であり、反帝、自主は非同盟諸国会議の根本理念であるという思想を示し、会議の強化、発展に不滅の寄与をした。

 非同盟諸国は、「民主主義」と「対テロ戦」を盾にしておこなっている帝国主義者の侵略と戦争策動を粉砕すべきであり、「人権擁護」と「世界化」の看板のもとにおこなわれる帝国主義者の狡猾な策動に警戒心を高めなければならない。

 自主性を志向する非同盟諸国は、帝国主義者の狡猾な二面術策と欺瞞的な「援助」にいかなる期待や幻想ももたずに自主的立場を固守していかなければならない。

 第2に、非同盟諸国会議は、威力ある反戦・平和愛好勢力としての地位を占め、その役割を果たしていかなければならない。

 反戦、平和は、非同盟諸国会議の根本理念の一つであり、こんにち、帝国主義に反対するたたかいで基本は、米国とその追従勢力の侵略と戦争策動を阻止し、破綻させ、世界の平和と安全を守ることである。

 非同盟諸国は、主権国家にたいする帝国主義者の侵略と戦争策動を許してはならないし、欧州とアジア太平洋地域など世界各地で軍事的対決と戦争をもたらす侵略的な軍事同盟を解体し、他国にある侵略的な軍事基地を撤廃するたたかいを力強くおこなわなければならない。

 特に、個別の会議参加国に集団的におこなわれる帝国主義者の侵略と戦争策動に反対して会議としての抗議の声を高め、参加国間の相互の支持と連帯を強化しなければならない。

 第3に、非同盟諸国は、真の国際的正義を実現するために努力し、意見の相違を後回しにして団結と協力を重視する原則を堅持しなければならない。

 不正義が「正義」にすりかわって真理を踏みにじっているのが強大国中心の不公正な現在の国際秩序であり、他国を分裂、弱化させて弱い国から併呑するのは、帝国主義、支配主義者の常套の手法である。

 非同盟諸国会議は、帝国主義、支配主義者がかかげる鉄面皮な「正義」のベールを脱がし、「正義」の看板のもとに不正義がのさばる古い国際秩序を壊し、公正で義に徹した新しい国際秩序を立てるたたかいを力強くおこなわなければならない。

 真の国際的正義は、非同盟諸国、反帝・自主的な国が力が強いときにだけ実現できるし、その力は団結と連帯を強化する時、さらに大きくなるであろう。

 非同盟諸国は、自力、自彊の原則に立って自分の力を育てるたたかいを力強くおこない、政見と信仰、経済と文化の発展の違いに関係なく会議の共通の理念のもとに団結し、南南協力の旗印のもとに協力を強化していかなければならない。

 第4に、国連をはじめとする国際舞台で会議の組織力と行動能力を強化しなければならない。

 これに関連して我々は、会議の共通の目的と利益を擁護、代弁する方向で議長国の役割をさらに高め、分野別閣僚級会議とニューヨーク調整委員会の運営を定例化してその実践的行動能力を決定的に強化しなければならないとみなす。

 そして、会議内に組織されている人権に関する作業部会と国連安全保障理事会内の会議の小グループをはじめ、部門別作業部会の運営と役割をさらに強化するのが会議の行動能力を高める重要な方途の一つになると思う。

 朝鮮政府はこれまでと同様今後も、金日成主席と金正日総書記の遺訓と業績に従って平和で繁栄する世界の建設のための非同盟諸国会議の理念に忠実であろうし、世界の自主化と会議の強化、発展のために参加国としての責任と役割を果たしていくであろう。

 金永南委員長は会期中、各国の国家首班と会見した。

 18日、金永南委員長は、ベネズエラ大統領、キューバ国家評議会議長、イラン大統領とそれぞれ会見した。

 金永南委員長は席上、わが人民が敬愛する金正恩同志を朝鮮労働党委員長、国務委員会委員長に推戴した大きな栄光と誇りを抱き、第7回党大会の決定貫徹のためのたたかいで奇跡と革新を創造していることに言及した。

 また、米国とその追従勢力の増大する対朝鮮敵視政策によって、我々は核を保有したと述べ、敵対勢力の制裁策動の不当性に言及し、非同盟運動をさらに促して国家間の2国間関係の発展を積極的に推し進めることについて強調した。

 ベネズエラ大統領は、尊敬する金正恩同志が、非同盟諸国会議の強化、発展に深い関心を払って高位級代表団を派遣したことを大変ありがたく思うと述べ、ベネズエラは朝鮮との交流と接触を強化し、両国の関係を積極的に発展させていくであろうと指摘した。

 キューバ議長は、金正恩同志が核の兵器化とミサイル発射訓練を現地で指導する姿に深い感銘を受けた、両国の関係は今後もさらに強化され、発展するであろう、金正恩同志の健康を願うと強調した。

 イラン大統領は、両国の先代指導者がともに築いて強固にし、発展させた友好・協力関係は尊敬する金正恩閣下の関心のなかで引き続き良好に深化していると述べ、イランは困難な時期に朝鮮が誠心誠意支援したことをいつも忘れていないし、朝鮮との関係をさらに発展させていくであろうと指摘した。

 これに先立ち、金永南委員長は、エクアドル、ボリビア、ジンバブエ、パレスチナの各大統領とそれぞれ会見した。

 各大統領は、帝国主義者のあらゆる圧力と干渉策動にも揺るぎなく反帝、自主、社会主義の旗印を高くかかげて力強く進む朝鮮人民の正義の偉業に全的な支持と連帯をあらわし、今後も2国間関係をさらに拡大し、発展させていく意志を表明した。

 一方、金永南委員長は会期中、ウガンダ首相とエルサルバドル副大統領、ニカラグア副大統領、ベトナム副首相兼外相とそれぞれ会見した。

 金永南委員長を団長とする朝鮮代表団は24日、帰国した。【朝鮮通信=東京】


inserted by FC2 system