国連(第71回総会各委員会)で朝鮮の立場表明
−2016年10月4〜14日−

2030アジェンダ履行で原則的立場宣明
−2016年10月4日−

 10日の朝鮮中央通信によると、朝鮮代表が4日、第71回国連総会第2委員会(経済・金融)で演説した。

 代表は、昨年の国連創立70周年を契機に採択された持続可能な開発のための2030アジェンダを成功裏に履行するうえで本委員会が占める位置と役割が重要であると指摘し、これに関する朝鮮の原則的立場を次のように宣明した。

 第1に、2030アジェンダのスムーズな履行のためには、全加盟国の自主的な開発権が尊重されるべきである。

 人類の福利増進のためにかかげた持続可能な開発目標(SDGs)を実現するには、一方的な基準と観念で他国の政治体制を敵視し、政治的・軍事的・経済的圧力と威嚇を加える強権と専横を終わらせ、平和な環境を整えるのが最も優先すべき問題として提起される。

 第2に、SDGsの履行過程が当該国の経済発展を促す事業に、新たな国際経済秩序を樹立する過程へと志向されるべきである。

 こんにちの現実は当然、世界銀行と国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)など国際金融機関が、少数の特定国家が占めている独占的地位をこれ以上許さないことと、新興経済国をはじめ、発展途上国に代表権を十分に保障することを求めている。

 これと関連して2030アジェンダの履行は、国家間の不平等の解消に重点を置き、最も立ち遅れた国や内陸および島国、紛争状態と外国の占領下にある国と人民の持続可能な開発事業により大きな関心が向けられるべきであろう。

 代表は、朝鮮で科学技術をすべての事業で確固と先行させ、みずからの力と技術、資源に依拠して社会主義経済強国の建設が力強く推し進められていることに言及した。

 そして、朝鮮政府は今後も、古い国際秩序を排し、公正で義に徹した国際経済関係を樹立するために積極的に努力するであろうし、新たな開発アジェンダに示された目標を達成するための国際的な努力に積極的に貢献していくであろうと強調した。【朝鮮通信=東京】


自主権侵害されない限り先に核使用しない
−2016年10月6日−


 8日の朝鮮中央通信によると、朝鮮代表が6日、第71回国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)で演説した。

 代表は、核兵器のない平和で安定した世界で生きようとするのは、人類の志向であり、要求であると述べ、次のように強調した。

 平和な世界を建設するうえで軍縮、特に、核軍縮は最も重要な位置を占めており、朝鮮は核兵器の完全撤廃のための世界的な努力を支持する。

 核軍縮が実現するか、しないかは、世界で最も多くの核兵器を保有している列強の政治的決断と実践的意志にかかっている。

 米国は、いまも「核兵器のない世界」構想を唱えているが、それは世界を欺瞞する偽善であり、核独占戦略、世界制覇戦略を覆い隠すためのびょうぶにすぎない。

 続く米国の核兵器近代化策動は、核兵器のない平和な世界で生きようとする人類の志向にたいする挑戦であり、世界の平和と安全はもちろん、人類の生存そのものにたいする最も深刻な脅威となる。

 現在、国際社会の深刻な懸念を呼び起こしているのは、核兵器が支配と干渉のための恐喝の手段として公然と利用されていることである。

 その代表的な実例がまさに、朝鮮にたいする米国の核の威嚇、恐喝である。

 全世界が大きな不安を抱いて中止するなか、世界最大のホットスポットである朝鮮半島では、いつでも核と核、火と火がぶつかって爆発しかねない史上最悪の戦争の危険が生じている。

 米国の絶え間ない核の威嚇に我々が核抑止力で立ち向かう戦略的決断をくだしたのは、自主権と生存権の守護のための自衛的措置である。

 米国に強いられている核戦争の危険を強力な核抑止力に依拠して根本的に終息させ、地域と世界の平和と安全を守ろうとするのは、わが共和国の絶対不変の立場である。

 しかし、国連安全保障理事会は唯一、我々の核実験とミサイル発射について「国際平和と安全に対する脅威」であると勝手に定義し、それを禁止する「決議」を採択した。

 政治目的によって国連憲章をしのぐ越権行為、これがまさに国連安保理の対朝鮮「制裁決議」の本質である。

 今回の第71回国連総会の期間におこなわれた77カ国グループ(G77)閣僚会議では、わが共和国にたいする一方的な制裁を排撃し、即時撤回を求める宣言が発表された。

 我々が核抑止力を保有することになったのは、徹頭徹尾、米国の核の威嚇に対処して国家の最高の利益と民族の安全を守り、平和を守るためである。

 朝鮮は、責任ある核保有国として、侵略的な敵対勢力が核で我々の自主権を侵害しない限り、既に宣明したとおり、先に核兵器を使用しないであろうし、国際社会に担った核不拡散の義務を誠実に履行し、世界の非核化を実現するために努力するであろう。

 代表は、朝鮮は各国際宇宙機関と他国の宇宙機関との交流と協力を強化していくであろうし、10大宇宙国の堂々たる一員として国際規定と慣例に合致するよう透明性を最大限保障し、広大な宇宙征服の活路をさらに力強く開いていくであろうと確言した。【朝鮮通信=東京】


女性の進歩と福利向上のために努力する
−2016年10月11日−


 19日の朝鮮中央通信によると、朝鮮代表が11日、第71回国連総会の第3委員会(人権)で案件「女性の進歩」の討議の際、演説した。

 代表は、女性は、社会の発展と和睦、家庭の福利増進で重要な地位を占めて大きな役割を果たしていると述べ、次のように指摘した。

 わが共和国政府は、女性が男性と同等の権利をもって社会生活のすべての分野でみずからの権利を十分に行使できるよう法律的・実践的措置を絶えず講じている。

 敬愛する金正恩同志の賢明な指導のもとにこんにち、わが国の女性は社会の堂々たる主人として国家社会活動に積極的に参加しており、社会発展に大きく寄与している。

 朝鮮政府は15年前、「女子にたいするあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」に加入して以来現在まで、条約に規定された義務を誠実に履行してきたし、女性の権利および健康保護増進分野で国際機関と緊密に協力している。

 朝鮮政府は今後も、女性の進歩と福利向上のために積極的に努力し、国際的な協力と交流をさらに強化していくであろう。

 我々はこの機会に、国際社会が過去の日本軍性奴隷犯罪を葬ろうとする日本の行為に当然の注意を払うよう呼びかける。

 日本軍性奴隷犯罪は、第2次世界大戦の時期、日本が20万人に及ぶ朝鮮女性をはじめ、アジアと世界の多くの国と地域の多くの女性を日本軍の性の慰み物にして彼女たちの人権を蹂躙した特大型の反人倫犯罪である。

 しかし、日本は、いままでそれにたいする謝罪はおろか、自分らの犯罪を否定して巧妙に覆い隠そうとしている。

 日本は、性奴隷被害者を「人身売買の被害者」であると冒涜したし、性奴隷問題を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録することに必死に反対している。

 日本は昨年、南朝鮮に幾らかの金を与える代価として過去の犯罪を葬るためのいわゆる「合意」をでっち上げた後、その施行に急いで取りかかったし、南朝鮮の日本大使館前にある日本軍性奴隷少女像の撤去を求めている。

 反人倫的犯罪には時効がない。

 日本は、性奴隷犯罪に伴う法的責任を絶対に逃れられないし、国際社会の要求どおり過去の犯罪にたいして、国家的に、法的に責任を認めて謝罪と賠償をすべきである。

 最近、国連は、世界の各地域に展開された国連平和維持軍のなかで発生した性暴力について大きく問題視している。

 したがって、国連は、日本が数十万人の女性に性奴隷生活を強要しながらも、いまだに公式謝罪と賠償をせず、むしろ、それを美化、粉飾して覆い隠そうとすることを絶対に黙認してはならないであろう。

 我々は特に、国連が我々の女性公民を白昼に集団的に誘引、拉致し、彼女らの身元を公開し、送還することに関する初歩的な人道的要求さえ許さなかった南朝鮮当局の特大型のテロ犯罪も問題視すべきであると主張する。

 これらの問題をどう扱うかというのは、国連と国際人権機関がかかげる「人権保護増進」の真偽を分かつ試金石となる。

 したがって、南朝鮮当局の反人倫犯罪を国連で公式に取り扱い、我々の公民を一刻も早く家族の懐へ送還するための対策を講じるよう強く求める。【朝鮮通信=東京】


衛星打ち上げは公認された自衛的権利の行使
−2016年10月13日−


 17日の朝鮮中央通信によると、朝鮮代表が13日、第71回国連総会第4委員会(特別政治・非植民地化)の議題「宇宙の平和利用における国際協力」の討議の際に演説した。

 代表は、こんにち、宇宙の平和利用に関する国際的な関心が高まっているなか、人類の平和的な宇宙活動はいつにも増して活発に繰り広げられていると述べ、次のように指摘した。

 一部の国にだけ限られていた宇宙開発活動により多くの発展途上国が積極的に参加している。

 我々は、1998年に初の人工衛星を打ち上げた時からわずか18年の短期間で宇宙強国の隊列に堂々と立ったことに大きな誇りと自負心をもっている。

 朝鮮の宇宙開発活動は徹頭徹尾、平和的な性格を帯びており、国家の統一的な指導のもとに推し進められている。

 朝鮮国家宇宙開発局は、国家宇宙開発5カ年計画に従って去る2月、新たに研究、開発した地球観測衛星「光明星4」号の軌道投入に成功した。

 「光明星4」号の打ち上げ成功は、今後、宇宙技術をはじめ、わが国の先端科学技術分野と全般的な経済をさらに高い段階へと発展させていくうえで画期的な出来事となる。

 朝鮮政府は、宇宙活動の平和利用を促進して宇宙分野での国際的な信頼と協力を強化する目的から一連の宇宙関連の国際条約と協定にも加盟した。

 2009年にわが国が宇宙条約と宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約(宇宙物体登録条約)に加盟したのは周知の事実である。

 朝鮮は急速な宇宙征服活動の発展を見通して、去る2月に宇宙飛行士の救助および送還ならびに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定(宇宙救助返還協定)と宇宙物体により引き起こされる損害についての国際責任に関する条約(宇宙損害責任条約)にも加盟した。

 また、去る5月には、宇宙条約と宇宙物体登録条約の加盟国として地球観測衛星「光明星4」号を合法的な手続きを経て国連に公式登録した。

 諸般の事実は、朝鮮の宇宙開発活動の透明かつ信頼的、平和的かつ合法的な性格を明白に実証している。

 にもかかわらず、米国は、我々の衛星打ち上げが弾道ミサイル技術を用いた発射を禁止したいわゆる国連安全保障理事会の「決議」に違反するという荒唐無稽な詭弁を並べ、朝鮮の正当な宇宙開発を阻もうと必死にあがいている。

 国連安保理の各「決議」について言えば、国際平和と安全を基本とする安保理の使命とは全く無縁の米国の対朝鮮敵視政策の産物であり、米国一国の利益に資する不法、無法の捏造品にすぎない。

 地球上に存在するどの国際法にも、弾道ミサイル技術を用いた衛星打ち上げが国際平和と安全に違反すると規定する条項はない。

 これは、米国がでっち上げた国連安保理の各「決議」が、何の国際法的根拠もない法的矛盾に満ちたものであることをはっきりと示している。

 弾道ミサイル技術を用いて軍事・偵察衛星をはじめ、あらゆる形態の衛星を最も多く打ち上げた米国が、わが共和国の合法的な宇宙活動に言いがかりをつけるのは言語道断である。

 平和的で合法的な朝鮮の衛星打ち上げは、国連憲章と宇宙条約によって100パーセント公認された主権国家の堂々たる自衛的権利の行使であり、宇宙強国としてのわが共和国の尊厳と地位は、決して米国という一国が否定するからといって変わらない。

 朝鮮労働党委員長で朝鮮国務委員会委員長である敬愛する金正恩同志は去る5月、朝鮮労働党第7回大会で国の宇宙科学技術をさらに発展させ、先端技術の集合体であり、精髄である実用衛星をさらに多く製作し、打ち上げることについて強調した。

 国家宇宙開発5カ年計画に従って、わが党が決心する時間と場所から静止衛星をはじめ、さらに発展した実用衛星が人類共同の富である無限大の宇宙空間へと滞りなく飛び立つであろう。

 わが共和国は今後も、平和的な宇宙開発をさらに推し進めていくであろうし、宇宙科学研究と衛星打ち上げの分野で国際的な協力と交流をさらに強化していくであろう。【朝鮮通信=東京】


国連は安保理改革、民主化を実現すべきだ
−2016年10月14日−


 20日の朝鮮中央通信によると、朝鮮代表が14日、第71回国連総会第6委員会(法律)で議題「国連憲章および機関の役割強化問題」の討議の際に演説した。

 代表は、本会議に提出された国連憲章および機関の役割強化に関する特別委員会の報告書に留意し、朝鮮の原則的立場を次のように宣明した。

 第1に、国際関係で提起されるすべての問題を国連憲章が規定した国連の目的と原則に合致するよう解決すべきであろう。

 国連憲章は、国際紛争問題を平和的な方法で解決することを国連活動の主な目的の一つに規定している。

 また、憲章は、国連の活動が主権平等の原則と主権国家にたいする威嚇や武力行使を慎むことに関する原則を堅持するよう規定している。

 しかし、こんにちの国際情勢は、日々複雑多端になり、それにたいする国連の対処方式は共同の努力によって平和で繁栄する世界を建設していこうとする人類に希望でなく、失望を与えている。

 いまこの時刻も、特定の国家によって国際関係の基礎である国連憲章が完全に無視される不正常な現象が続いており、これによって国際平和と安全は重大に脅かされている。

 「民主主義」と「対テロ戦」「人権擁護」と「世界化」のような欺瞞的な看板をかかげて一方主義と強権、専横が世界の至る所で公然とおこなわれている。

 主権国家にたいする侵略と内政干渉がもたらす深刻な影響は、決して一つ、二つの国にのみ限られないし、地域全体、ひいては、全世界に破局的な影響を及ぼしている。

 2003年にイラクの「大量破壊兵器保有」という嘘の情報を世界に流し、それを口実に武力侵攻をおこなった米国は、自分勝手に中東諸国をはじめ、主権国家にたいする内政干渉を拡大して動乱と無秩序をつくり出してきた。

 これがまさに、欧州へと波及している難民問題の根本要因であり、テロ問題を世界的な問題に助長し、悪化させて中東の平和と安定を抜け出せない危機へと追い込む根本要因でもある。

 第2に、国連安全保障理事会は、国際平和と安全維持の第一の責任を担ったことに合わせて自分の使命を公正かつ責任をもって遂行すべきである。

 こんにち、朝鮮半島に生じた複雑な事態は、国連安保理が果たしてどの道に進んでおり、特定の国の利益にどう服務しているのかを明白に示す代表的実例である。

 国連安保理は、我々の自衛的な核実験と平和的な衛星打ち上げ、正常な弾道ミサイル発射を何の国際法的根拠もなく国際平和と安全にたいする「脅威」であると罵倒し、問題視する不法、非法の対朝鮮「制裁決議」を採択した。

 国連憲章と現存の各国際法のどこにも核実験や衛星打ち上げ、弾道ミサイル発射が国際平和と安全にたいする脅威になると規定した条項はない。

 国連安保理は、米国がおこなった核実験や衛星打ち上げ、弾道ミサイル発射、さらには核先制攻撃を目標に強行されている高高度防衛ミサイル(THAAD)の南朝鮮配備についても、その目的がいくら侵略的で危険であっても全く見て見ぬふりをしており、むしろ我々の自衛的核抑止力の強化と平和的な衛星打ち上げだけを問題視する二重基準の極みを引き続き演出している。

 そのうえ、国連安保理は毎年、朝鮮半島に核戦争の危険をもたらして半島と地域の平和と安全を危うくする米国・南朝鮮合同軍事演習を中止させることに関する我々の正当で義に徹した要求にも背を向けている。

 国連安保理をはじめ国連は、もはや米国の強権と専横の場として盗用されてはならないし、国際社会の要求どおり安保理改革を基本とする国連の民主化を一日も早く実現すべきである。

 第3に、国連が朝鮮半島の平和と安全に反して盗用されてきた忌まわしい歴史に一日も早く終止符を打つべきである。

 周知のように、米国は1950年の朝鮮戦争挑発の責任を覆い隠して自分らの武力介入を合法化する目的のもとに「国連軍司令部」なるものをでっち上げた。

 米国は、「国連軍司令部」をでっち上げて以来、こんにちに至る60余年間、国連の旗をかかげて南朝鮮に侵略的な武力と軍事基地を維持する一方、南朝鮮とその周辺に膨大な侵略武力を引き続き投入して朝鮮半島と地域の情勢を激化させてきた。

 朝鮮労働党委員長で朝鮮国務委員会委員長である敬愛する金正恩同志は去る5月の朝鮮労働党第7回大会で、米国は核強国の前列に立ったわが共和国の戦略的地位と大勢の流れを直視して時代錯誤な対朝鮮敵視政策を撤回すべきであり、停戦協定を平和協定にかえて南朝鮮から侵略軍と戦争装備を撤収すべきであると指摘した。

 敬愛する金正恩同志のこの言葉には、朝鮮半島の恒久的な平和と安全のための根本方途が込められている。

 我々は、第30回国連総会の決議どおり、米国が不法な南朝鮮駐屯「国連軍司令部」を一日も早く解体してすべての侵略武力を撤収することを改めて強く求め、すべての加盟国がこれに積極的な支持と連帯を表するものとの期待を表明する。【朝鮮通信=東京】


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