朝中間にクサビ打つ中国党機関紙の内政干渉
−2017年9月22日−

 朝鮮中央通信によると、22日に発表された署名入りの文「恥を知らないメディアの傍若無人な行為」の全文は次のとおり。

 朝鮮の正当な自衛権行使に言いがかりをつけた米国とその追従勢力の制裁・圧迫ヒステリーが極に達した時に、中国の一部のメディアが、我々の路線と体制を甚だしく中傷し、脅かした。

 最近、「人民日報」とその姉妹紙である「環球時報」、ウェブサイトの人民網、環球網は、朝鮮の核兵器保有の合法性と国家核戦力強化の自衛的性格に背を向けたまま、あえて「自業自得」「自縄自縛」であると冒涜しても足りず、「落日の運命を免れないであろう」と妄言を吐く一方、朝鮮の核問題解決のための「国際的団結」だの、「国際専門家フォーラム」の開催だの何のの差し出がましい「提案」まで持ち出した。

 歴史の反動層の汚らわしい排せつ物である対朝鮮「制裁決議」に関しては、中国が「朝鮮の正常な人民生活を狙っていない」だの何のと弁解し、「中国が隣国であるのは、朝鮮の幸運」になるという極めて不穏当なことまで並べた。

 一言で言って、小国である朝鮮が核兵器を持って「超大国」に立ち向かったことで自分自身と国際社会全般を「危険」に陥れたし、「天下を騒がせる張本人」である朝鮮の意気をそぐために食いぶちを少し減らしたからといって、それほど腹を立てることではないというのである。

 これは、朝鮮半島核問題の本質と朝鮮の核保有によって変化した現在の国際政治の現実をまともに見ることも、聞くことも、言いあらわすこともできない目と耳と口を持つ者の振る舞いとしか言えない。

 さらに、一介の報道媒体として他の主権国家の路線を公然と中傷し、無分別に振る舞うのを見ると、かつて独善と偏狭によって自国の人民と国際社会の信頼をひどく失ったのも当然であると思える。

 米国に引き続き振り回されなければならない自分らの窮屈な境遇に対する弁解であるとしても、わが国家、わが人民の尊厳にあえて手出ししたことは看過できない。

 既に強調されたが、朝鮮の核抑止力の保有は、世紀をまたいで強いられてきた米国の極悪非道な対朝鮮敵視政策と核の威嚇、恐喝を根本的に清算するための党と国家の戦略的決断にもとづくものであり、これによって朝鮮はついに地球上の絶対兵器であるICBM装着用水爆まで保有することになった。

 この時刻も、米国は「北朝鮮の完全破壊」を公然と騒ぎ、数回の戦争をおこなっても余りある膨大な戦略装備を朝鮮半島と地域に持ち込んで核戦争挑発の凶悪な謀略をめぐらしており、危険極まりない秘密戦争謀議までこらしている。

 歴史と現実は、自分の強力な力だけが暴悪な帝国の核から自分を守れるという深刻な教訓を銘記させている。

 特に、去る4月、中国をはじめ、周辺諸大国の面前でこれ見よがしにおこなったシリアに対する軍事攻撃は、トランプ政権が騒ぐ「力による平和」がどんなものなのかを国際社会に実物で見せたし、北京が感じるものも少なくなかったであろう。

 問題は、ああもとうとうと「社会発展の道の独立、自主」と「独特の主権地位」を主張していた「人民日報」と傘下の報道機関が、トランプのツイッターの文もあざ笑う根も葉もないデマを乱発しているのかということである。

 国際政治の歴史に対する眼識や見識のない素人売文家でないなら当然、自分がまず知って他人を論じなければならない。

 こんにち、朝中国境では、米国主導の対朝鮮「制裁決議」の結果によって果たして誰が絶望に陥ったのかを示す反響が全く異なる対照のなかで出ている。

 最近、朝中貿易ですっからかんになったある中国人企業家は、「私は政治や外交はよくわからない。しかし、一つだけは明白に言える。大きくない国の朝鮮が米国という超大国にも堂々と立ち向かって言うべきことをすべて言い、やるべきことをすべてやり遂げるが、わが中国はなぜ、このざまなのかわからない。東北3省の多くの中小企業が大きな損害を受けるのに何を恐れて米国にへつらうのかというのである。本当に恥ずかしいという言葉しか出ない。人々の腐敗よりも国家の腐敗がさらに恐い」と述べた。

 これが民心である。

 文字どおり、人民の代弁紙を自任するメディアであるなら、他人に対する訓示よりも、まさに自国のこの民心を読んで代弁するために頭を使う方が良かろう。

 そして、外に出て「内政不干渉の原則」の提案国であると自負する党の機関紙なら、それを鉄則とみなしてこそ人々の前で堂々としていられる。

 「良き隣人」を論じるなら、言うべきことは朝鮮がより多い。

 中国が1960年代におこなった最初の核実験について当時、ソ連と米国はもちろん、全世界が糾弾声明を発表する際、唯一、国家の政府声明で積極的に支持し、力を与えた良き隣人がまさに朝鮮であった。

 1970年代に意気軒高としたホワイトハウスの主人がこの国を訪問した時、ニクソンの中国訪問は勝利者の行進ではなく、白旗を掲げた敗北者の訪問であるという世界的な名言で、ずうたいの大きな隣国が恥を免れて体面を立てられるようにした真の隣人については、当事者がさらによく知っているであろう。

 それでも、何が足りなくて、いまや、みずから白旗を掲げて米国の懐に入り込んで立派な隣人を非難できずに気をもんでいるのか。

 社会主義陣営の恥という歴史の恥を覆した朝鮮の圧倒的な原則と英知によってヒステリーにかかったニクソンが辞任する最後の日まで「中国との戦争」を騒いだ行為や、こんにちの「朝鮮の核問題」を口実に「世界経済」の落とし穴に落ちた北京をせっつくトランプの行為はあまりにも類似しており、それをいま、世界のすべての人が見ている。

 朝鮮が進むべき道は、朝鮮が知っている。

 中国が誰かを訪ねる時、平身していたからといって朝鮮もそうしなければならないということはなく、それを見習えと強要する必要はなおさらない。

 歴史は、およそ1世紀を駆けてきた朝鮮の道が万難を覚悟すべき草分けの道、前人未踏の道であったが、帝国主義に精神武装解除された東欧の悲劇も、ドルのわなにかかって言うべきことも言えない誰それの哀れな境遇もすべて免れるようにした先見の明があり、前途洋々たる選択であったことを証明した。

 新しい朝鮮の体制でわが人民は、豊かではなくても団結の力と喜びを知ったし、闇が覆っても明るむ明日を見通す視野と度量をもった。

 あえて朝鮮の幸運について言うなら、わが人民は、誰それのように金や占いで運を見る蒙昧な人民ではない。

 領土の大きさや人口は少なくても、どの国、どの民族も享受できない並々ならぬ幸運に浴した幸せな人民であるので、むしろ、ずうたいは大きくても魂がなく、金銭ばかりを追いかける隣人を見て悲哀を禁じ得ない。

 世界の多くの国と人民も、かつて、力が弱くて民族の領土を丸ごと列強の角逐戦の場として奪われ、その下で踏みにじられていた朝鮮が、運命の大転換を迎えて地域と世界の平和守護の前列で「唯一の超大国」にも堂々と立ち向かう雄姿を見て、国と民族の真の幸運が果たしてどこにあるのかを銘記している。

 それとは反対に、朝鮮を単なる強盗の侵入を防ぐ前庭、「緩衝地帯」とみなして隣家に強盗が押し入っても自分の食いぶちだけ守れば良いという政治的食客の思考が実にもどかしいと言っている。

 こんにち、チュチェ朝鮮の実体に必死に背を向けて陰に陽に中傷するのは、ほかならぬ米国をはじめとする不純敵対勢力だけである。

 客観性と公正さが命であるメディアの使命を忘却して内政干渉に公然と明け暮れる中国メディアの軽率な行為は、米国に追従して朝中の両国、両人民の間にクサビを打ち込む行為にほかならない。

 歴史が長いという社会主義国の党機関紙が帝国主義と結託して社会主義朝鮮をあれほど悪意に満ちて非難するのを見ると、まさか朝中両国人民を裏切ったこのような汚らわしい売文実績でもあってこそ、これから開かれる党大会場に入れるのではないかという疑問が生じる。

 中国メディアは、トランプ政権の無知な行為に追従するよりも朝鮮が敵対勢力の傲慢と専横をどう踏みつぶすのかを隣で見守る方が良かろう。

 そして、差し出がましく指示棒を持って他人にとやかく言うのではなく、自分の頭の上のハエでも追う方が良い。

 朝鮮はその名のとおり、日が昇る朝の国であり、朝鮮で落日を眺めるには中国の方に目を向けなければならない。【朝鮮通信=東京】


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