「報復」なら北南関係全面閉鎖
−2010年5月21日−


 朝鮮中央通信によると、祖国平和統一委員会(祖平統)スポークスマンは21日、南朝鮮当局が南朝鮮海軍の哨戒艦チョンアン沈没事件の調査結果を発表したことで、「我々の尊厳をあえて冒涜する者は、無慈悲で断固たる懲罰を免れない」と題する全文次のような声明を発表した。


 南朝鮮かいらいが、我々を謀略で中傷する極めて挑発的なかいらい軍艦船沈没事件の「調査結果」なるものを発表した。

 今回の「調査結果」の発表は、強盛大国へと飛躍する共和国の威力におじけづいた、かいらい一味が米日両主人と共謀、結託して我々の尊厳を中傷して「制裁」策動に引き続きしがみ付き、共和国を陥れ、圧殺するためにつくり上げたもう一つの特大型謀略劇である。

 同族対決に血眼になる李明博一味は、艦船沈没事件を初めから「北の所行」であると断定し、それに合わせて謀略的な調査劇を悪辣に行ってきた。

 およそ2カ月間も調査を行ってきたかいらい一味は推測と憶測、おおよその見当で「状況証拠」なるものをつくり上げ、どこから拾ってきたのかもわからない破片やアルミニウム片を「証拠物」として提示して嘲笑を買っている。

 見ものは、何の標識もないそのような国籍不明の「証拠物」の成分分析がどうの、規格や形態がどうのと意図的に我々と結び付けたことである。

 これこそ、反共和国対決に狂った連中の醜態であると言わざるを得ない。

 米国とともに北侵戦争演習に狂奔した艦船が、どのように沈没したのか、だれにやられたのかも知らずにむやみに我々に言いがかりをつけることこそ、被害妄想に駆られた李明博一味のような対決狂信者ならではの妄動である。

 とりわけ、今回の艦船沈没事件の責任を負って処罰を受けるべき被告らが進んで事件調査を行ったのだから、彼らがつくり上げた「調査結果」なるものがどのようなものかは火を見るよりも明らかである。

 今回の謀略事件は、外部勢力との共謀、結託のもとにつくり上げられ、同族対決の凶悪な企図を全面的にさらけ出した極めて危険で無謀な事件であることから、これまでのすべての反共和国謀略事件をしのぐ希代の茶番である。

 当委員会は、南朝鮮かいらい一味の艦船沈没事件の「調査結果」の発表に込み上げる怒りを禁じ得ず、これを我々に対する許しがたい重大な挑発、露骨な宣戦布告と認め、全民族の名で強力に断罪、糾弾する。

 李明博一味が、艦船沈没事件を我々と結び付けたのは、対内外政策の総破綻による深刻な危機を免れ、「地方自治体選挙」を無事に終えてファッショ統治を維持し、北南関係を破局に追い込むための計画的で意図的な陰謀であって、破滅に陥った連中の断末魔のあがきである。

 現在、かいらいは「戦争も辞さない」「対応措置」と騒ぎ立て、南朝鮮に戦時状態のような雰囲気を醸成し、我が方の地域に入っていた南側の人員と装備、物資を緊急に疎開させ、身辺安全対策と撤収準備を整えるよう極秘指令をくだす騒動を起こしている。

 戦争前夜をほうふつさせるこうした大騒動は、今回の「調査結果」の発表が単純な艦船沈没に対する事件の解明ではなく、外部勢力とともに北侵戦争の口実を設けるため綿密に計算された挑発であることを物語っている。

 今回の事件で李明博一味の事大・売国的で反統一対決的な政策が全世界にいっそうあらわになった。

 かいらい一味によって朝鮮半島は現在、直ちに戦争が起きかねない危機一髪の局面に瀕している。

 生じた重大な事態に関連して朝鮮民主主義人民共和国国防委員会はスポークスマン声明を発表し、国の防衛と民族の安全のための断固たる原則的な立場を宣明した。

 当委員会は、我が軍隊と人民の敵撃滅の気概と気性を反映した国防委員会スポークスマン声明の発表に伴い、共和国政府当局を代弁して次のように厳かに宣布する。

 1.この時刻から現事態を戦争の局面とみなし、北南関係で提起されるすべての問題をそれに応じて断固対処していく。

 2.かいらい一味が、艦船沈没事件を口実に「対応」と「報復」に出るなら、北南関係の全面閉鎖、北南不可侵合意の全面破棄、北南協力事業の全面撤廃など、無慈悲な懲罰で強力に対応していく。

 我々は、あえて我々の最高尊厳を冒涜し、我々に手出しする者に対しては、だれを問わず少しも絶対に許さないであろう。

 民族の統一念願を踏みにじり、北南関係をとうとう粉々に吹き飛ばした李明博一味の反民族的な犯罪行為は、民族史に最も恥ずべき記録として残るであろうし、逆賊一味は後々まで歴史と民族の呪いと糾弾にさらされるであろう。

2010.5.21 祖平統代弁人声明(全文)−朝鮮通信=東京



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