反朝鮮謀略行為で逮捕の在米同胞が記者会見
−2016年3月25日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮で特大型の犯罪行為と偵察・謀略策動を行って摘発、逮捕された在米同胞の金東哲氏が25日、平壌で記者会見を行った。

 国内外の記者と駐朝外交および国際機関代表部のメンバー、朝鮮に滞在している海外同胞が参加した。

 金東哲氏は、2015年10月2日、羅先経済貿易地帯で買収された者から朝鮮の核関連秘密資料と軍事機密資料、内部実態資料が入ったUSBメモリーと文書を受け取る際に現場で逮捕されて、これまで法機関の調査を受けた。

 金東哲氏は、記者会見で次のように発言した。

 私は1953年8月24日、ソウル市永登浦区大方洞で生まれ、19歳の時に米国に移住してバージニア州で暮らした。

 2005年から中国の延吉で貿易会社の看板を掲げて事業を行い、08年8月から羅先経済貿易地帯に入って会社を設立し、社長を務めた。

 妻と米国のニューヨークに住む2人の娘がおり、兄弟は南朝鮮に住んでいる。

 私は、崇米・反共思想と米国式の価値観を骨髄に深く吹き込まれ、それによって朝鮮に対する体質的な拒否感と病的な敵対感を持つようになった。

 私が働いた特大型の犯罪はまず、朝鮮の最高の尊厳と体制を中傷、冒涜し、朝鮮の一心団結を崩すための悪宣伝に明け暮れたことである。

 私がその道に入ることになったのは2011年8月、大学の同窓生である米国人のジョン・キム氏に南朝鮮の人である中国延辺科学技術大学教授の「浩烈氏を紹介された時からであった。

 朝鮮に対する敵対意識が骨髄に徹していた私は、朝鮮の最高の尊厳と体制に反対してともに行動しようという彼の誘いにちゅうちょすることなく応じた。

 「浩烈氏と会うたびに、また、彼を通じて紹介された東亜日報社の北京駐在特派員の具滋竜氏、ソウル大学教授のリ・ヒョンウ氏をはじめ、南朝鮮の人々と接触するたびに、朝鮮の最高の尊厳と指導の継承問題、政策と体制を中傷した。

 羅先経済貿易地帯で会社を運営しながら、朝鮮の一心団結を崩し、西側世界への幻想を助長する宣伝活動を系統的に行った。

 昨年6月、社員たちの前で朝鮮の政治体制と経済管理システムがどうのこうのと朝鮮に対する反感を助長するために悪態をついた。

 金日成主席と金正日総書記の銅像の前で「切腹自殺」をすると騒いで朝鮮の最高の尊厳を冒涜する妄動を働いた。

 朝鮮住民の間に米国に対する幻想を助長し、戦争恐怖症を広めようとした。

 特大型の犯罪は、次に、南朝鮮の情報謀略家と結託して首脳部「排除」と「体制崩壊」を狙った反朝鮮転覆行為を働いたことである。

 「浩烈氏の紹介で13年8月に具滋竜氏と知り合い、14年7月には具滋竜氏の紹介でソウルのある飲食店で南朝鮮統一部の「対北政策」支援官のパク・ギス氏に会った。

 パク・ギス氏は、「政府の『対北政策』支援官職をもって必要な資金を提供する」とし、朝鮮を「転覆」するためにあらゆる形の活動を行うことに関する指令を与えた。その代価として、私の妻の治療費をはじめ、少なくない報酬をくれた。

 15年7月22日にも彼は、ソウルで朝鮮上層部の人物と人脈をつくり、それを通じて「首脳部の政策方向と実行意志、北政権の堅固さ、側近人物の動向」などを具体的に調べる任務と活動資金をくれた。

 私は、ソウルでリ・ヒョンウ氏に会って首脳部「排除」と「体制崩壊」のための犯罪謀議を行った。

 リ・ヒョンウ氏は、「高位層内部の実態と唯一体制の実態、特に労働党創立70周年行事に海外同胞代表として参加する場合、首脳部の動向をよく把握して報告」せよとの任務を与え、私はそれに従った。

 私は、朝鮮の「体制崩壊」のために「人権」謀略行為も行った。

 13年8月、中国の延吉で具滋竜氏から「北朝鮮住民の様子をできるだけ貧しく飢えた悲惨な姿に見えるように写真を撮って送れ」との任務を受けた私は、みすぼらしい画像が入っているSDカードを彼に渡し、代価をもらった。

 宗教家ともつながりを持って首脳部「排除」と「体制転覆」策動に必要な資金と物資を受け取り、「寄贈」や「慈善」の方法で朝鮮を内部から瓦解させるために手段と方法を選ばなかった。

 13年8月、羅先市に「寄付団体」企業を設立、運営する在米同胞のキム・チャンヨン氏の紹介で中国の琿春で製麺工場を経営する在カナダ同胞のリ・サラ氏とつながりを持つようになった私は、彼女が「北の体制が悪い体制であるという宣伝をしたい」と言って朝鮮住民のみすぼらしい姿を撮った写真を持ってきてほしいと言うので要求どおりに行い、報酬をもらった。

 2015年4月30日に咸鏡北道に住む妻のいとこに麺を段ボール5箱とコメ1袋を与え、彼がそれを手押し車に積んでいく場面をひそかに、わざとぶざまに写真に撮って彼女に渡した。

 「浩烈氏に紹介された反朝鮮宗教狂信者である在米同胞のエスター・チュ氏と在カナダ同胞のオム・ジェホン氏から数回にわたって数十万ドルの資金を受け取り、「寄贈」劇を演じて宗教の幻想と西側世界への憧れを吹き込もうと策動した。

 金東哲氏は自分が2015年3月末、パク・ギス氏が提供した航空便でソウルへ行き、開城工業地区事業に関連して南朝鮮当局が企てた陰謀にも加担したと明らかにした。

 金東哲氏は、南朝鮮情報謀略家の指令を受けて朝鮮の党・国家・軍事機密を系統的に収集して彼らに渡すスパイ行為を働いたと述べ、次のように続けた。

 私は2015年5月末、パク・ギス氏から人民軍のある軍部隊に関する具体的な資料を知らせてほしいという任務を受け、収集した資料に私が捏造した分析資料まで添付して彼に提供した。

 北の携帯電話の性能を調べれば、首脳部の動きに関する情報、政権維持方向、通話遮断方法と住民の生活状況などを予見できるので、朝鮮の携帯電話を購入せよという任務を受けて実行した。

 リ・ヒョンウ氏から「人民生活に関連する首脳部の方針と指導内容、経済改革措置、統一意志、唯一思想と権力の政治構造、羅先経済貿易地帯への中国人の投資と問題点、分組(協同農場の最小単位)請負制施工方法、人民生活の実態」などを収集する任務を受けて私が加工、捏造した誹謗中傷・謀略資料を提供した。

 具滋竜氏から受けた任務は、朝鮮の核関連資料と羅先経済貿易地帯の実態資料、ある造船所の写真資料と在カナダ牧師の林賢洙氏の行方を調べよというような機密資料であった。

 具滋竜氏は、すべての任務を、いつ、どこで、何を、どれほど、どうつくり、現在つくっている最中なのかを確認する原則で具体的に収集することを求めたし、自分と接触する時に暗号名「東北虎」と呼べと言って連絡方法まで教えた。

 彼は、私が収集した資料のうち、一部を南朝鮮の東亜日報などのメディアに渡して反朝鮮謀略宣伝に利用するようにした。

 金東哲氏は、自分が働いたすべての犯罪は、米国と南朝鮮当局の反朝鮮敵視行為に同調し、彼らの指令を受けて働いた犯罪であって、許されない特大型のスパイ謀略行為であり、国家転覆陰謀行為であることを認めると述べ改めて深く謝罪した。

 続いて、金東哲氏は記者の質問に答えた。

 金東哲氏は、朝鮮の当該機関に逮捕された経緯と南朝鮮かいらいとの結託関係、そして、自分がかいらい情報謀略機関と米偵察謀略機関の背後操縦を受けたこと、かいらいが企てる開城工業地区に関する陰謀にも直接加担したことに具体的に言及した。

 金東哲氏は、調査の過程にいかなる虐待や拷問など人権を蹂躙されたことはないと述べた。

 記者会見を終えるに当たり金東哲氏は、世界の良心のあるすべての人は、米国と南朝鮮当局の反朝鮮敵視政策の本質を見抜き、それに加担する恥ずべき行為をしてはならないし、そのような悪の政策に反対、排撃しなければならないと強調した。【朝鮮通信=東京】


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