THAAD配備撤回の勇断くだすべきだ
−2017年5月27日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮平和擁護全国民族委員会(平和擁護委)は27日、全文次のようなスポークスマン声明を発表した。

 最近、わが共和国を力で圧殺しようとする米国の核戦争狂気が極限に達しているなか、南朝鮮でTHAAD配備撤回のための各階層のたたかいが前例なく高まっている。

 THAAD配備阻止全国行動、朴槿恵「政権」退陣非常国民行動、進歩連帯、参与連帯をはじめ、各階層の市民・社会団体は、南朝鮮に甚だしい大災難をもたらす戦争の怪物を引き入れた逆徒と保守一味の歯ぎしりする売国・反逆行為を峻烈に断罪、糾弾し、THAAD撤去を最優先の積弊清算課題にかかげて全地域的なたたかいをおこなうために総決起しており、キリスト教、仏教、円仏教、天道教、カトリック教などの宗教5団体も「THAAD撤回のための宗教人平和連帯」を結成してそれに積極的に合流している。

 THAAD配備撤回星州闘争委員会とTHAAD配備反対金泉市民対策委員会をはじめとする地域団体と現地住民は、「キャンドル闘争で誕生した新政府の最も緊急の課題はTHAAD撤回である」「それは、政府の主権と民主主義回復の意志を示す試金石になるであろう」「THAAD配備を即刻中断して撤回の立場を明白にすべきである」と現執権当局に強く訴えている。

 これに、我々の地対地中長距離戦略弾道ミサイル「火星12」型の試射と地対地中長距離戦略弾道ミサイル「北極星2」型の最終試射の相次ぐ大成功で、南朝鮮内部で「THAADでは、北のミサイルを防げない」という「THAAD無用論」まで拡大し、各階層のたたかいはさらに熱気を帯びている。

 周知のように、THAAD配備の合意は、侵略の元凶である米国の強盗の要求とかいらい保守一味の醜悪な対米屈従の産物であり、南朝鮮人民と全民族の強い抗議と糾弾、周辺諸国の激しい反発を呼んでいる。

 にもかかわらず、朴槿恵一味は、THAAD配備を合理化しようとあらゆる狡猾な術数の限りを尽くしたばかりか、しまいには米国と結託して盗品を家の中に持ち込むかのように関連装備の搬入を強行した。

 これによってかいらい保守一味は、「北の核」にかこつけて「安保不安」をやかましく騒ぎ立てて世論をミスリードしてきた欺瞞的な正体と汚らわしい余命を永らえるためなら、主人の機嫌をとって民族を核戦争のいけにえとしてささげることもためらわない天下の逆賊の群れとしての凶悪な姿をことごとくあらわにした。

 朴槿恵の弾劾と保守「政権」の悲惨な終末は、米国の最も醜悪な戦争手先、親米保守一味にたいする歴史と民心の当然の懲罰である。

 問題は、「自由韓国党」をはじめとする保守一味と日和見的な政治屋が米国と合意したTHAAD配備を撤回すれば「韓米同盟」が揺らいで「国論の分裂」をまねきかねないと騒ぎ立て、新たに権力を握った南朝鮮当局もやはり「慎重な解決」だの、「国会同意の手続き」だのと各階層のTHAAD配備撤回要求にあいまいもこな態度をとっていることである。

 THAAD配備か、あるいは撤去か。これは、外部勢力追従と民族重視の立場を示す試金石であり、ここではどんな妥協や折衝もあり得ない。

 南朝鮮の各階層が「THAAD問題の処理は、現政府がかかげる『堂々たる外交』を検証する最初の試験台となるであろう」と主張しているのは、決して偶然ではない。

 平和擁護委は、民族の尊厳と安全、平和と繁栄を願う全同胞の一様な志向と意志を反映して侵略的なTHAAD配備問題で優柔不断な態度をとっている南朝鮮執権勢力に次のような原則的立場で警鐘を鳴らす。

 1.THAAD配備は、南の地を米国の世界制覇戦略実現のための前哨基地、軍事基地に永遠にゆだねる売国的・反民族的妄動である。

 いま、米国は「北の核の脅威」なる不当な口実を設けて朝鮮半島とその周辺地域に膨大な侵略武器と核戦争装備を投入している。

 しかし、それは誰にも通じない強弁であり、詭弁である。

 米国が潜在的ライバルの核攻撃を防ぐためにTHAADを南朝鮮に配備する問題で以前から機会をうかがっていたのは秘密ではない。

 米国のこのような古びた悪巧みを先頭に立って庇護して実行してきた逆賊の群れが、まさにかいらい保守一味である。

 南朝鮮当局は、THAAD配備が世界制覇を狙う米国の核戦争の水車小屋に水を引いてやり、侵略の足場を築いてやる天下の間抜けな逆賊行為であることをはっきりと知り、立場を明白にすべきである。

 2.THAAD配備は、朝鮮半島を諸大国の核戦争の場にして前代未聞の大惨禍をまねく永遠に許せない逆賊行為である。

 南朝鮮が極東最大の危険極まりない核戦争火薬庫に転落して世界に大きな懸念をかき立てるようになったのは昨日、今日のことではない。

 深刻なのは、THAAD配備によってこんにち、南朝鮮が単純に懸念と警戒の対象ではなく、周辺の核強国の第1の攻撃目標になったことにある。

 今後、米国の無分別な狂気で核戦争が勃発すれば前代未聞のこのうえない大惨禍を一番最初に被るのはほかでもない南朝鮮である。

 万一、米国に追従してTHAAD配備をあくまでも許すなら、それは「乙巳五賊」も顔負けする天下の逆賊の罪になるであろう。

 南朝鮮当局は、全民族が厳しい視線で注視していることを忘れずに、速やかにTHAAD撤去の勇断をくだすべきである。

 3.THAAD配備は侵略者の力を借りて民族の尊厳と安全、繁栄を千年、万年保証する正義の核の宝剣をなくそうとする反民族的犯罪である。

 わが民族には20世紀初葉、自分を守る立派な銃がなく、日帝に国権を奪われて植民地奴隷の運命を強いられなければならなかった苦い教訓がある。

 我々が高価な代価を払ってこんにちのような強力な核抑止力を打ちかためていなかったなら、朝鮮半島では核戦争が十二分に起きていたであろう。

 これは、我々の一方的な主張ではなく厳然たる事実であり、人々の公正な評価である。

 南朝鮮当局は、民族の千年、万年の未来を保証する正義の核の宝剣を歓迎できないまでも、侵略者のTHAADを引き入れて、それをなくそうと騒いだ保守一味の策動がどんなに愚かな妄動であり、恐ろしい反民族的罪悪になるのかを深く銘記しなければならない。

 THAAD配備は、朴槿恵一味が残した最も深刻な積弊の一つであり、その撤回は南朝鮮のロウソクをかかげた民心の強い要求であり、逆らえない大勢の流れである。

 それが誰であれ、米国の侵略的なTHAAD配備を許すなら、保守逆賊一味のように民心に見限られ、民族の峻厳な審判を免れないであろう。【朝鮮通信=東京】


 <参考>【積弊】=せき‐へい。積年の弊害。つもりつもった弊害。(広辞苑第6版より引用)


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