米の対朝鮮敵視政策は破滅を免れない
−2017年3月18日−

 「労働新聞」(電子版)は18日、「米国の時代錯誤な対朝鮮敵視政策は、悲惨な破滅を免れないであろう」と題する論評を掲載した。その要旨は次のとおり。

 最近、米国の新政府(トランプ政権)が、対朝鮮政策案を包括的に検討しているという。政治、軍事、外交、経済などすべての分野にわたって多様な方案を検討して我々の核およびミサイル開発を中断させるための実効性のある方途を探すというものである。

 問題は、その方案に我々にたいする先制攻撃を含む軍事力の使用、多面的な軍事的・外交的圧力強化、強度の経済制裁、体制転覆、南朝鮮にたいする戦術核兵器の再配備など、極めて無謀で危険千万なものがすべて含まれていることである。

 米政府がゴミ箱に放り込まれた対朝鮮政策案をすべて持ち出して検討する茶番を演じていること自体が、朝米対決戦で恥と敗北を重ねてきた米国の惨たんたる苦悩を実証しており、それは終局的破滅につながるアメリカ帝国の最期を予告している。

 我々の地対地中長距離戦略弾道ミサイル「北極星2」型試射の成功と火星砲兵部隊の弾道ミサイル発射訓練に肝をつぶした米国は、「甚だしい代価」だの「超強力措置」だのの暴言を吐いて先制攻撃による軍事力の使用を公然と提唱している。

 我々の戦略的地位は、完全に変わった。

 わが共和国は、東方の核強国、ミサイル強国としてそびえ立った。

 我々にたいする威嚇と恐喝が、日本の本土と沖縄から来ようが、グアム島とハワイ、米本土から来ようが、そのすべてを無用の長物にし、焦土にできるようになったのが我々の核および戦略弾道ミサイルの威力である。

 20余年前に既に自滅案の烙印を押された対朝鮮先制攻撃案を再び持ち出して行動に移すというのは、いまだに我々の自衛的な核の威力と戦略的地位を見分けられずに狂奔する愚か者の狂気の沙汰であり、“みの着て火事場へ入る”も同然の無知な妄動にほかならない。

 現在、わが軍隊と人民は、国の分裂の悲劇を被らせ、永遠の恨みを残した不倶戴天の敵である米帝を一人残らず撲滅し、侵略と戦争、悪の根源を根こそぎにする対米敵がい心で心臓の血をたぎらせている。

 万一、米国が理性を失って我々を先制攻撃しようとするわずかな動きでも見せるなら、我々の強力な核攻撃手段は、我々式の攻撃的で先制的な核の強打で侵略と挑発の本拠地を丸ごと焦土にするであろう。

 先制攻撃を含む軍事力の使用に未練をもつ米国の政策作成者は、強盗の米帝との最終決戦が想像もできない報復戦になるであろうし、すべての悪の巣窟がこの惑星で二度とよみがえらないよう灰にするであろうとした白頭山革命強軍の宣言が決して空言ではないことを一瞬も忘れてはならない。

 現米政府は、前政権(オバマ政権)の対朝鮮政策案のなかで最も陳腐な軍事的・外交的圧力という骨董品を宝のようにみなし、我々にたいする軍事的威嚇と外交的圧力を日常化、普遍化する企図をあらわにしている。

 数十年の歳月、米帝と立ち向かって社会主義の最前線を守ってたたかい、米帝の虚勢はすなわち卑怯さと脆弱さのあらわれであることをあまりにもよく知っている我々は、それを核恐怖症、核の悪夢に苦しむ者の悲鳴、黄泉路を疾走する敗者の末期症状としか見ない。

 米国が、いわゆる外交的テコで我々を圧迫するというのは笑止に絶えず、日本や南朝鮮のような親米の手先、国連安全保障理事会の手先を発動して我々に圧力をかけるのは、腐った卵で岩を割るというような愚かな行為である。

 米国の政策作成者がこれまでの朝米対決の歴史を振り返って教訓を見つけようとするなら、チュチェ思想の祖国、自主の強国である我々と外交交渉が可能かもしれない。しかし、外交的圧力なるものは、少しも通じないことを知らなければならない。

 振り返れば、朝米関係で米国が歴史的に恥と挫折、失敗と敗北だけを味わったのは、圧力という固定観念にとらわれてきたからである。

 十全な概念である外交と強制的な概念である圧力をひとくくりにして外交的圧力を加えること自体が、外交的無能、外交的失敗を認めることであり、国家間の友好関係のための外交を誰それを圧迫するための手段としてみなすのもまた、おかしなことにほかならない。

 わが国を永遠に軍事的に圧殺できないというのが明白になったこんにち、米国の新しい政策作成者が外交的方案に目を向けるしかないのは当然の道理である。

 米国が外交を圧力と同じであると考えて横暴に振る舞うなら、自分の足をみずから過去に縛り付ける未練がましいことにしかならないが、わが国の高い尊厳と強大な国力に即して平和協定締結のような現実的で理性的な選択をするなら、希望と実利のある将来を期待できるかもしれないであろう。

 米国が過去の間違った選択と惨たんたる失敗から深刻な教訓を見つけられず、圧力に期待をかけるなら、危機を抜け出せる新しい活路の模索は永遠に迷宮入りすることになる。

 米国の新政府は、高強度経済制裁案を検討する前に、まずこれまで我々にたいする制裁劇がどのような効果をあらわしたのかを振り返る方が良かろう。

 米国の制裁は、我々をさらに強くした。

 わが国は、米国と敵対勢力の制裁策動のなかでも、弾道ミサイルの大気圏再突入実験、高出力固体ロケットのエンジン燃焼および段階分離実験、新型のICBMのエンジン燃焼実験を成功させ、国家の核戦力完成のための最終関門を通過して東方の核強国、軍事強国としてそびえ立った。

 党と主権があり、不屈の精神力と土地と水、空気さえあれば、いかなる制裁騒動も断固撃破できるというのが、わが軍隊と人民の胆力である。

 米国の制裁と圧力が、事大と屈従、外部勢力依存に染まった国には通じるかもしれないが、自力、自彊の精神がフル装塡されたわが軍隊と人民には絶対に通じない。

 米国に警告するが、制裁騒動の度合いを強める前に、半世紀以上の制裁による利害関係を真摯に考え、慎重に行動しなければならない。

 米国の体制転覆案は、悪の帝国の終末案であると断定できる。

 米国と南朝鮮は、我々の核兵器高度化を阻止し、核使用の統制権を握るには、「命令権者の排除」が必要であるという強盗の論理を持ち出して「斬首作戦」のような特殊作戦の実行を狙ってる。同時に、我々の内部にブルジョア思想文化を大々的に浸透させ、社会主義にたいするわが軍隊と人民の信念を崩し、内部混乱をつくる方法で体制転覆企図を実現しようと企んでいる。

 中東や他国に対する体制転覆で味を占めた手法をこの地で活用しようとしているが、それこそ愚か極まりない自殺的妄動である。

 わが人民にとって革命の首脳部は運命の太陽であり、千万の心臓が領袖決死擁護の防弾壁をなした一心団結は、いかなる核兵器でも崩せないということを知らないところに米国の悲劇がある。

 我々の運命であり、未来である太陽をあえて覆おうとする悪の群れは天罰を免れない。

 米国は、この国の千万軍民が領袖決死擁護の核爆弾であるということ、あえてわが革命の首脳部を狙って手出しする瞬間、この地で恐ろしい報復の活火山が爆発し、地球が丸ごと壊れるということを知らなければならない。

 米国の核の恐喝の癖は、不治の病である。米国の新政府が南朝鮮に戦術核兵器を再配備する案も検討していると騒いでるのを見ると、いまだに核を米国の独占物と錯覚しているようである。

 問題は、米国が戦術核兵器の再配備で誰それを驚かそうと誤算しているところにある。

 南朝鮮にたいする戦術核兵器の再配置について騒ぐのは、核戦争の元凶としての米国の正体をさらにさらけ出すことである。同時に、我々の核の威力に仰天したアメリカ帝国の不安な心理をみずからあらわにすることである。

 米国が核の独占権をかざして一方的に我々を核兵器で脅かしてきた時代は永遠に過ぎ去った。わが国は、この惑星の「絶対兵器」と称される水爆を保有したし、小型化、軽量化、多種化された核兵器と各種の運搬手段を高い水準で発展させている。

 米国の侵略的な核戦略資産は、空中と海上、地上のどこにあろうと我々の報復攻撃を避けられなくなっている。

 狭い地域に膨大な武力が密集しており、さ細な偶発的衝突も全面戦争に広がりかねない危険性が非常に高い世界最大のホットスポットである朝鮮半島に押し寄せるのがどのような悲惨な結果をまねくのかは、誰よりも米国がよく知っている。

 我々はこの機会に、米国の侵略政策に積極的に追従して狂奔する南朝鮮当局にも警告する。

 南朝鮮が真の民族の敵も見分けられずに米国と結託して核兵器を引き入れて同族対決を激化させる道に進むなら、主人と全く同じ懲罰を免れないということである。

 米国がいかなる対朝鮮政策案を選択しようと、そこには我々式の対応が伴うであろうし、その時に後悔しても時既に遅しである。【朝鮮通信=東京】


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