米政府の先制攻撃案除外は欺瞞
−2017年3月24日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮平和擁護全国民族委員会(平和擁護委)は24日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。

 最近、政治、軍事、外交、経済などすべての分野にわたって包括的な対朝鮮政策案を検討していると騒いでいた米国の新政府が、我々にたいする先制攻撃案は除外しているという世論を流している。

 先日、米国務省の高位関係者は、現在検討中である対朝鮮政策案から我々の核施設などを先制攻撃する方案を除外することにしたということを公表した。

 これと関連して、南朝鮮の「東亜日報」や米国の「ニューヨーク・タイムズ」紙をはじめとするメディアは、「北を見る米国の視点がある程度変わったように見える」と世論化している。

 事実上、これは、血まみれの牙をむいてうなっていたオオカミが突然ヒツジの声で鳴くのも同然の欺瞞行為にほかならない。

 米国という国が、表裏ある鉄面皮さと二面性を体質化した偽善と虚偽、欺瞞の元凶であるのは周知の事実である。

 さらに、米国の新政府が開店するや否や、我々の核およびミサイル開発を中断させるための実効性のある方途を探すとして先制攻撃だの強度の経済制裁だの南朝鮮にたいする戦術核兵器の再配備だのの極端な方案をかき集めてテーブルに乗せ、検討すると宣伝したのが、つい先日のことである。

 そのなかでも、米国が「北の核問題を一度に解決する神の一手」だの「最終的な軍事措置」だのと青筋を立てたのがまさに、我々にたいする、いわゆる「外科手術的」先制攻撃案であった。

 そのような米国が、対朝鮮政策案から先制攻撃案を除外することにしたと世論を流すことについて、世界の人々が「それほど簡単に尻尾を巻くアメリカなのか」と鼻を鳴らすのは極めて当然のことである。

 もともと、相手側についする先制攻撃は不意を前提とする軍事行動であって、立てた作戦計画の内容と攻撃手段の性能、展開状態を見れば、その企図が余すところなくあらわれるようになっている。

 現実的にいま、南朝鮮で強行されている「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習そのものが、「年次的」「防御的」の看板を完全に投げ捨て、我々の最高首脳部と核およびミサイル基地をはじめとする主要な戦略拠点の「精密攻撃」に焦点を合わせた「作戦計画5015」「4D作戦計画」のような先制攻撃のシナリオにもとづいておこなわれている。

 米国とかいらい自体がこれについて公言しており、カール・ビンソンを中心とする原子力空母打撃群、戦略爆撃機BIB、原子力潜水艦コロンブスなど南朝鮮と朝鮮半島周辺に持ち込んだ核戦略資産が、いわゆる「中東地域で戦果」のある「理想的な先制攻撃手段」であるとやかましく宣伝している。

 それだけでなく、ネイビー・シールズ、レンジャー、デルタフォースなどアマゾン川流域の毒蛇の名をほうふつさせる米帝侵略軍の特殊部隊とかいらい軍特殊戦兵力が「斬首作戦」だの何のとわが革命の首脳部を狙った特大型の挑発をおこなおうと無分別に狂奔している。

 南朝鮮はもちろん、日本の本土と沖縄県、グアム島などで我々にたいする先制攻撃に動員される地上、海上、水中、空中の攻撃手段と特殊戦兵力が常時待機状態にあるのは周知の事実である。

 先日、南朝鮮を訪問したティラーソン米国務長官は、非武装地帯(DMZ)まで歩き回って我々にたいする「軍事的対応」について露骨に騒いだ。

 最近、米国の対朝鮮政策作成者の間で、先制攻撃は公に論じるのではなく「隠密な作戦」計画として推し進めるべきであるとの主張が出ているのは、現在米国が流す世論にどれほど陰険な下心が潜んでいるのかをはっきりと示している。

 諸般の事実は、米国が我々にたいする先制攻撃を除外したと騒ぐのが、極端な対朝鮮政策案にたいする内外の非難世論を静め、日々激高する我々の超強硬対応態勢をなだめようとする欺瞞術策であり、先制攻撃を実戦に移そうとする犯罪的悪巧みのあらわれであることを実証している。

 平和擁護委は、東方の核強国、戦略ミサイル強国として威容をとどろかすわが共和国の限りなく強大な力を直視できずに無分別に狂奔する侵略者、挑発者にたいする全民族の込み上げる怒りと敵撃滅の意志を込めて次のように宣明する。

 米国は既に、先任者が苦汁をなめるだけなめたし、紙クズになって久しい先制攻撃計画自体をゴミ箱に放り込まなければならない。

 我々にたいする先制攻撃案と言えば、既に20余年前にその破局的結果によって自滅案の烙印を押されされた骨董品にすぎない。

 したがっていま、米国の高位政治家まで「数十年前に遂げられなかったことを北が核を保有したこんにちになって遂げようというのは、奇怪で危険千万な発想」「机上の空論のテーマにもなれない最悪のシナリオ」であると反対、排撃している。

 米国の新政府は、先制攻撃がまねく重大な結果を懸念する自分の家の中の悲鳴に耳を傾け、悲惨な運命を免れるための賢明な選択をする方が良かろう。

 米国は、北侵戦争演習騒動を直ちに中止し、朝鮮半島とその周辺に持ち込んだ先制攻撃手段をすべて引き上げなければならない。

 そもそも計画が良くなかったら、それに伴う行動と手段のすべてが無用の長物になるものである。

 米国の先制攻撃を含むいかなる方式の侵略戦争にも対応する万端の準備が整っているわが革命武力の前で火薬臭を放ってむやみに狂奔していては、いつひどい目にあうかわからない。

 日増しに悪辣になる米国とその手下の北侵戦争策動に対処して軍事的対応方式を先制攻撃的な方式に転換したわが白頭山革命強軍は、南朝鮮はもちろん、アジア太平洋地域の米帝侵略軍基地と米本土の侵略の牙城を核の照準器内に捉え、敵対勢力の一挙一動を鋭く注視している。

 万一、米国が理性を失って我々を先制攻撃しようとするさ細な動きでも見せるなら、我々の強力な核攻撃手段は、我々式の攻撃的で先制的な核の強打で侵略と挑発の本拠地をすべて焦土にするであろう。

 米国は、自分らの無謀な先制攻撃企図がまねく破局的結果について熟考し、軽挙妄動してはならない。【朝鮮通信=東京】


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