米国のICBM試射を非難
−2017年4月28日−

 朝鮮中央通信社は28日、「世界は刀を抜いた強盗を見る」と題する全文次のような論評を発表した。

 朝鮮半島で緊張が高まっているなか、米国が26日未明、カリフォルニア州のある空軍基地で「平壌攻撃」を想定したICBMミニットマン3の試射を強行した。

 米国のTHAAD装備の奇襲的な電撃配備と原子力空母カール・ビンソンの朝鮮東海進入と時を同じくしたICBMの試射は、世界に朝鮮半島情勢の悪化の元凶が誰なのかを改めてはっきりとわからせている。

 この2カ月間、南朝鮮にあらゆる戦略資産を投入して、わが共和国に反対する史上最大規模の侵略的な合同軍事演習をおこなって朝鮮半島の情勢を核戦争の瀬戸際へ追い込んでいるのは、まさに米国である。

 我々は、我々の核保有をまねいた根源である米国の対朝鮮敵視政策と核の威嚇、恐喝の最も集中的な表れとなる挑発的で侵略的な大規模の合同軍事演習にたいして何度も国連安全保障理事会に提訴した。

 にもかかわらず、国連安保理はそのつど我々の提訴に背を向けて何の国際法的根拠もなしに我々の自衛的措置を禁止する「決議」を採択し、米国が核で他国を脅かし、核兵器を持たない国にミサイル攻撃をおこなおうと、ICBMの試射を定期的におこなおうと、一度もそれを問題視していない。

 現在、米国とその追従勢力が緊迫した朝鮮半島の事態の張本人を差し置いて、むしろ我々の自衛的核抑止力の強化措置に「脅威」であると言いがかりをつけて我々に「熟考」を求めるのは言語道断である。

 刀を抜いて主人を強迫する強盗を歓迎する者は世界にいない。

 朝鮮半島に生じた重大な事態に対処して我々が戦争抑止力をさらに強化するのは、極めて正当な合法的自衛権である。

 こんにちの現実は、我々が偉大な並進路線の旗印高らかに核戦力を質的、量的に強化してきたのがどれほど正しい選択であったのかを改めて明白に実証している。

 わが共和国の核戦力は徹頭徹尾、米国の核戦争の脅威から国の自主権と尊厳、世界の平和を守るための正義の宝剣であり、頼もしい戦争抑止力である。

 もはや、朝鮮半島で戦争が起これば、その責任は誰が先制攻撃したかにかかわらず、我々にたいする敵視政策を絶えず強化してきたばかりか、多くの戦略資産と特殊作戦手段で火種を作った米国が負うことになるであろう。

 トランプ政府が初歩的な現実感覚もなしに考案した「最大限の圧力と関与」政策こそ、荒唐無稽で無謀極まりない。

 トランプ政権は、歴代米政権の対朝鮮政策、特に、強硬敵視政策の失敗がわが共和国にたいする誤断にあり、それによって与えられたものは常に苦い惨敗だけであったという事実を忘れない方が良かろう。

 米国が建国以来、初めて敗戦したのも相手を間違えて襲いかかった代償であったし、史上初めて謝罪文をひざまずいて差し出したのも朝鮮対米国の対決の当然の帰結である。

 苦杯ばかりをなめながらも、対朝鮮敵視政策をそれほど執拗で悪辣に強行推進している米国を果たして正常な国家であると言えるであろうか。

 米国が対朝鮮敵視策動に狂奔するほど、我々はさらに強大になり、軍事的威嚇を加えれば加えるほど、堅忍不抜さと報復対応力は百倍になっている。

 米国があくまでも虚勢を張って我々の意志と忍耐力を推し量ろうと狂奔しては、真の戦争の味がどんなものかをはっきり知ることになるであろう。【朝鮮通信=東京】


inserted by FC2 system