強力な戦争抑止力によって朝鮮半島情勢が峠越す
−2017年5月1日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は1日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。

 米国の侵略的な反朝鮮合同軍事演習と軍事的威嚇で朝鮮半島に生じた一触即発の緊迫した情勢は、深刻な教訓を与えている。

 今年、米国は「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習を史上最大規模でおこない、これに30余万の侵略武力と各種の核戦略資産をすべて投入したし、「防御的」という欺瞞的な仮面まで完全に脱ぎ捨てて我々にたいする核先制攻撃企図を露骨にあらわにした。

 そのうえ、米国は昨年よりも3倍も多い特殊作戦武力を動員して我々の「首脳部排除」と主要な戦略的対象の破壊を目標とする奇襲攻撃訓練を実動でおこなう凶悪非道な行為もためらわなかった。

 米国はまた、自分らが主権国家にたいしておこなった軍事攻撃が我々に送る「強力な警告」になると宣伝する一方、我々の周辺に膨大な侵略武力を投入し、原子力空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃群まで航路を変えて朝鮮半島水域に緊急出動させるなど、いわゆる「軍事的選択」を騒いで実際に我々をたたこうとした。

 朝米間の対決が半世紀をはるかに越えて続いてきたが、米国の対朝鮮侵略狂気がこれほど極限に至り、それによって朝鮮半島の情勢が今回のように核戦争勃発の瀬戸際へ突っ走ったことはかつてなかった。

 米国の横暴非道な軍事的冒険策動に我々は、全面戦争には全面戦争で、核戦争には我々式の核攻撃戦で対応するという断固たる立場で強硬対処したし、わが革命武力の無慈悲な報復意志と限りなく強大な威力を力強く誇示することで、米国の戦争挑発の悪巧みを粉砕した。

 敬愛する最高指導者金正恩同志は、無比の胆力と卓越した知略、鋼鉄の意志で、わが軍隊と人民を陣頭指揮して今回の危機も勝利のうちに打開したことで、祖国の自主権と尊厳を守り、朝鮮半島と地域の平和と安全を守るのに不滅の貢献をした。

 朝鮮半島の現実は、米国こそ侵略と戦争の元凶、平和の破壊者、緊張激化の張本人であり、我々が並進の旗印を高くかかげて強力な自衛的核抑止力をしっかり打ちかためてきたのが、どれほど正当であり、先見の明があったのかを改めて実証している。

 もし、我々が最強の核戦力を保有せず、米国と追従勢力の挑発に無慈悲な軍事的対応でこたえる準備を整えなかったなら、米国は今回、他国でおこなった強盗さながらの侵略行為を朝鮮でもためらいなく働いたであろう。

 まさに、このような強権と専横を防ぎ、国と民族の自主権と生存権を守り、地域の平和と安全、真の国際的正義の実現に寄与するために我々が万難を排して核抑止力を打ちかためているのである。

 我々の強力な戦争抑止力によって朝鮮半島の情勢がもう一つの峠を越したが、戦争の暗雲が完全に消えたのではない。

 我々は今回の反米対決戦を通じて、誰の支援も、同情もない歴史の突風のなかで自分を守るには、もっぱら、みずからの力が強くなければならないという哲理を改めて心に刻むようになった。

 米国が新たに考案した「最大限の圧力と関与」という対朝鮮政策にしがみついて我々にたいする全面的な制裁・圧力騒動に熱を上げている状況で、我々の核抑止力強化措置も最大の速度で推し進められるであろう。

 既に宣明したように、米国の狂乱的な核戦争挑発策動を強力な自衛的核抑止力で粉砕し、朝鮮半島と世界の平和と安定を頼もしく守ろうとするわが軍隊と人民の意志は確固不動である。

 我々は、米国のいかなる選択にも喜んで対応するすべての準備ができており、米国の極悪非道な対朝鮮敵視政策と核の威嚇、恐喝が撤回されない限り、核戦力を中枢とする自衛的国防力と核先制攻撃能力を引き続き強化していくであろう。

 我々の核戦力高度化措置は、最高首脳部が決心する任意の時刻、任意の場所で多発的に、連発的に引き続きおこなわれるであろう。【朝鮮通信=東京】


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