米戦略資産投入は朝鮮半島の平和撹乱
−2017年11月24日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省米国研究所の研究士チョン・ナムヒョク氏が24日、「米国の戦略資産投入は、朝鮮半島と東北アジア地域の平和を撹乱する基本要因」と題する次のような論評を発表した。

 世紀をまたいで続いているわが国家に対する米国の核の恐喝、威嚇はこんにち、さらに危険極まりない域に至っている。

 朝鮮半島に対する米国の戦略資産投入策動が、まさに、その核の威嚇の代表的な実例であり、基本形態である。

 トランプが大統領の椅子に座った後の1年足らずの期間、米国の戦略資産投入は従来に比べてその回数と規模、内容においてさらに挑発的で危険な性格を帯びておこなわれた。

 今年、トランプはすべての選択案がテーブルの上にあるだの、朝鮮半島に「無敵艦隊」を送っているだの、2隻の原子力潜水艦が既に朝鮮半島に配備されているだのの暴言を連発したばかりか、国連の舞台でわが国家の絶滅まで騒いで我々の周辺に戦略資産を狂乱的に送り込んだ。

 メディアに公開された資料を初歩的に総合してみても、今年、米国は20余回にわたって戦略爆撃機を軍事境界線近隣の上空と朝鮮東海のわが方水域の上空付近に送り込んで、わが国家の最高指導部と戦略的拠点に対する奇襲的な核先制攻撃演習をおこなった。

 演習で米空軍の戦略爆撃機は、日本の航空「自衛隊」と南朝鮮かいらい空軍との協同能力を高め、有事に時間と天気にかかわらず機動の隠密性と攻撃の不意性を保つことに中心を置いた。

 米国は、3月から5月までの期間に原子力空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃群を、6月には原子力空母のカール・ビンソンとロナルド・レーガンを中心とする両空母打撃群を、10月にはロナルド・レーガンを中心とする空母打撃群を朝鮮半島に送り込んだ。

 11月には、原子力空母のニミッツ、ロナルド・レーガン、セオドア・ルーズベルトを中心とする3つの空母打墜群を同時に朝鮮東海に投入したし、これは米韓が2007年に3隻の空母の参加のもとにグアム島でおこなった「バリアント・シールド」軍事演習以来、西太平洋で初となる大規模の軍事行動になる。

 米国は今年、核先制攻撃能力を備えた原子力潜水艦を6回以上南朝鮮に送り込んだし、我々を狙ったICBMミニットマン3の発射も4回もおこなった。

 このような軍事的敵対行為は、最新の北侵シナリオである「作戦計画5015」に従って侵略的な合同軍事演習の枠内で、もしくは、それとは別に我々を狙った「斬首作戦」と核先制攻撃を公然と目標にかかげておこなわれ、わが共和国の自主権と生存権、発展権を甚だしく脅かしている。

 時間が流れるほど、米国の戦略資産投入は、その周期が短くなり、大規模化して実戦と変わらない性格を帯びており、「演習」の看板のもとに起こるこれらの動きが任意の時刻にわが国家に対する実際の核先制攻撃と全面戦争挑発へとつながらないという何の保証もない。

 世界最大の核の列強である米国からこのような前例のない核の威嚇を受けているわが共和国が、国家主権と人民の安寧を守り、平和的発展を遂げるために核武装を国家の路線に定めて核戦力を中枢とする自衛的国防力を打ちかためていくのは極めて当然のことである。

 米国が戦略資産を朝鮮半島に次々と投入していることには、日本と南朝鮮かいらいを自分らの手中におさめて彼らとの三角軍事同盟のでっち上げを進め、潜在的ライバルである中国とロシアを軍事的に圧迫、牽制しようとする戦略的企図も濃く潜んでいる。

 軍事常識が少しでもある人なら、米軍のニミッツ級原子力空母と「三銃士」と呼ばれる3種類の戦略爆撃機、原子力潜水艦の作戦半径と攻撃能力、ミニットマン3の射程を見ると、朝鮮半島に対する米国の戦略資産投入が単にわが共和国だけを狙ったものではないことが難なくわかる。

 今年、朝鮮半島に入り込んだ米軍の空母打撃群と戦略爆撃機が、「航行の自由」の美名のもとに中国東海と中国南海のような緊迫した国際紛争水域に投入された事実は、東北アジアで軍事的覇権を確立しようとする米帝国主義の野望をそのままあらわにしている。

 東北アジア地域の安定を撹乱するこのような行為は、我々の周辺諸国の政界と軍部、学界の大きな警戒心と反発を引き起こしており、地域での軍備競争をさらに加熱させている。

 米国が朝鮮半島とその周辺に戦略資産を大々的に集中して前例のない軍事的狂気を振りまいているのは、米国がそれだけ我々を恐れており、米国との対決でわが共和国が勝利していることへの反証になる。

 米国の増大する核の恐喝、威嚇は、我々に並進路線の正当性を深く痛感させており、我々を自衛的核戦力の高度化を推し進める道へと後押ししている。【朝鮮通信=東京】


inserted by FC2 system