米国に平和協定締結を再度促す
朝鮮外務省声明 
−2015年10月17日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は17日、全文次のような声明を発表した。

 周知のように、我々は先日、第70回国連総会で朝鮮停戦協定を平和協定にかえることに関する公明正大な立場を改めて宣明した。

 これは、朝鮮半島で現実的な脅威として提起されている戦争勃発の危険を取り除き、恒久的な平和の環境を整えるべき差し迫った要求に発したものである。

 小さな偶発的な事件が瞬時に一触即発の危機的局面に広がった去る8月の朝鮮半島の情勢は、現在の停戦協定ではこれ以上衝突と戦争の危険を防ぐことができないことを最終的に証明した。

 我々の平和愛好の立場と堅忍不抜の忍耐力によって北南間にようやく合意が遂げられたが、それがそのまま維持され、履行されるという保証はどこにもない。

 合意の当事者である南朝鮮当局は、南朝鮮にあるいかなる武力に対する統帥権ももっていないし、米国が押し付ける合同軍事演習も拒絶できない立場にあるからである。

 今後、もう一度、緊張が激化して軍事境界線上で衝突が起これば、誰も統制できない全面戦争へと拡大するのは火を見るよりも明らかである。

 朝鮮半島問題解決のためのこれまでの協議の過程は、平和協定の締結を先行させなければ米国を含む関係国の関心事となっている他のいかなる問題も解決できないことを示した。

 我々はこれまで、非核化問題をまず論議すべきであるという関係側の主張を考慮して6者会談で非核化の論議を先に行ったりもしたし、また、核問題と平和保障の問題を同時に論議してみたりもしたが、それら、すべては失敗を免れなかったし、たとえ、一時的に部分的な合意が遂げられたことがあったとしても、その履行には移されなかった。

 最も主な原因は、米国の対朝鮮敵視政策が続き、その基本の表現である大規模な合同軍事演習の強行と核攻撃手段の南朝鮮への搬入など、軍事的挑発行為が周期的にすべての協議の雰囲気を壊し、朝鮮半島情勢の緊張だけを高めているところにある。

 対決と緊張激化の悪循環の輪を決定的に断ち切るには、停戦協定を平和協定にかえることをすべての問題に先行させるべきであるというのが、我々が得た結論である。

 朝鮮半島で平和を保障する方途はただ2つだけである。

 1つは、核武力を中枢とする我々の自衛的国防力をあらゆる面から強化して米国の増大する核の威嚇と戦争挑発を抑止する冷戦の方法である。

 現在、停戦状態にある朝鮮半島で全面戦争が防止されているのは、全的に我々の核抑止力のおかげである。

 もう1つの方途は、米国が、対朝鮮敵視政策を放棄し、我々と平和協定の締結に応じることで、信頼に基づく真の恒久的な平和を樹立することである。

 停戦協定を平和協定にかえる問題は、何よりも、米国がまず勇断をくだすべき問題であり、朝米間でまず原則的合意を遂げるべき問題である。

 国連も平和協定の締結を積極的に支持、鼓舞することで、朝鮮半島で1加盟国と「国連軍司令部」が交戦関係にある不正常な事態を終えるのに自分の役目を果たすべきであろう。

 朝米間に信頼を築いて当面の戦争の根源を取り除くことができるなら、核軍備競争も最終的に終息させることができ、平和を強固にしていくことができる。

 米国はこれ以上、平和協定締結問題をむやみに回避する考えをせず、慎重に正しい選択をすべきであろう。

 朝鮮半島の情勢が重大な転換期に入ったこんにちになってまで、米国が平和協定締結問題に背を向けたり、それに条件をつける方法に出るなら、我々に対する敵視政策を放棄する意思がないことを世界にことごとくさらけ出すことになるであろう。

 米国があくまでも他の道に固執するなら、朝鮮半島で目撃するのは我々の無限大の核抑止力がますます強化されることであり、直面するのは米国が望むいかなる形態の戦争にも快く対応する我々の革命的武装力だけである。【朝鮮通信=東京】


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