国連安保理の「北人権」会合を非難
朝鮮外務省代弁人談話 
−2015年12月12日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は12日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。

 「人権問題」を持ち出してわが共和国を圧殺しようとする米国の策動が日を追って悪辣になっている。

 去る10日、米国は、国連安全保障理事会の12月の議長を務める機会を利用して、昨年末に安保理に初めて強圧上程させた「朝鮮の状況」なる案件を再び上程し、論議する場を設けた。

 我々は、米国が多くの国の反対にもかかわらず、我々の「人権問題」に言いがかりをつけるもう一つの安保理会議招集劇を演じたことを断固糾弾し、全面排撃する。

 周知のように、安保理は、国連憲章に基づいて国際平和、安全保障と直結した紛争問題の平和的解決や侵略行為への対策を討議する国連の一機関であり、国連で国際的な人権の保護、増進に関する問題は人権理事会が専門に扱っているので、安保理の権能に含まれない。

 米国は、昨年の第69回国連総会で「朝鮮の人権状況」なる「決議」が強圧採択された後、我々の「人権問題」を安保理の議題にどうにか仕立てるために「人権」という表現を抜き、あいまいな題目を付けた案件を上程させたし、安保理の一部の理事国を唆して初めて会議の招集を強行した。

 そのような米国が、今回は議長国の独り舞台で、安保理の12月の公式日程にもなかった会議を奇襲的に招集し、神聖な国連会議の場に逃走した犯罪者である「脱北者」を引き入れて紹介する醜態まで演じて我々に対する国際的圧力の雰囲気を鼓吹しようとあがいた。

 しかし、会議では、昨年よりも多くの国が明白な論拠で安保理の権能を逸脱した会議の招集と問題の討議そのものに反対したことで、米国の無理押しと卑劣な下心がそのままあらわになったし、米国の反朝鮮「人権」騒動がしつこい対朝鮮敵視政策の産物であるという客観的認識がいっそう深まることになった。

 国連安保理で再度強行された強盗さながらのいんちき劇を注視しながら我々は、米国をはじめ、敵対勢力が我々の真の人権の実情と人民愛の政治が具現した現実に意図的に背を向けて否定し、わが共和国のイメージを傷つけ、我々の思想と体制を崩壊させようと手段と方法を選んでいないことを改めて確認した。

 今回の会議と関連して国際社会は、安保理が米国の強権に押されて人権問題にまで介入し、個別の国を陥れる場に転落しており、それによって国連人権理事会の権能が損なわれ、弱まる重大な事態が生じていることに大きな懸念と警戒心をあらわしている。

 中東やアフリカ、フランスなどで相次いで起こるテロ事件や欧州での残酷な難民の事態などで全世界が恐怖に包まれており、イラクとアフガニスタンで戦争が続き、至る所で各種の紛争が絶えないのがこんにちの世界の現実である。

 国連安保理は、権限外のことにまで口出しして時間を浪費せず、世界の平和と安全を脅かす焦眉の問題の処理に集中すべきであり、特に、我々が既に提訴した米国の特大型の拷問蛮行と侵略的な米国・南朝鮮合同軍事演習のような問題をまず扱うべきであろう。

 あえて、我々の問題を論議すると言うなら、朝鮮半島で戦争の危険を除去して平和な環境を整えるために我々が今年、第70回国連総会を契機に再び提案した平和協定締結の問題を討議する方が良かろう。

 我々は、国連の舞台で日を追って横暴になっている米国をはじめとする敵対勢力の反朝鮮「人権」策動に高度の警戒心をもって、あくまで強硬対応するであろう。【朝鮮通信=東京】


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