反朝鮮敵対行為で逮捕の米大学生が記者会見
−2016年2月29日−

 朝鮮中央通信によると、反朝鮮敵対行為を働いて摘発、逮捕された米国バージニア大学の学生オットー・フレデリック・ワームビアさんが29日、平壌で記者会見をおこなった。

 国内外の記者と駐朝外交および国際機関代表部メンバー、朝鮮に滞在している海外同胞が参加した。

 ワームビアさんは、自分の犯罪行為について次のように発言した。

 私は2015年12月29日、朝鮮に観光客として入国し、16年1月1日に朝鮮に反対する犯罪を働いた。

 今年21歳で、バージニア大学の3年生である。居住地は父母兄弟が住む米国のオハイオ州であり、ここに来る前までは大学近くのバージニア州にある借家に住んでいた。

 父は、小規模の工場を経営して家族を辛うじて養っており、母は無職である。私は長男で、弟と妹は高等学校に通う。

 ワームビアさんは、平壌の羊角島国際ホテルの従業員区域で朝鮮人民に自分の制度にたいする愛着心を植え付ける政治的スローガンを記した掲示物を取り外す犯罪を働いたと述べ、次のように続けた。

 私は、この任務を米国フレンドシップ合同メソジスト教会から受け、Z協会の唆しと米政府の黙認のもとに犯罪を働いた。この犯罪の目的は、朝鮮人民の闘争精神と情熱をそぐというもので、極めて愚かな行為であった。

 私は米国で育ち、朝鮮が不思議で「孤立した共産国家」であるという教育を学校とメディアを通じて受けた。これは、冒険心の強い私のような若者にこの国で勇敢な行動をとって名を上げ、朝鮮にたいする西側の優位を示したいという単純な考えをもたせた。

 私は、香港での金融セミナーに参加する機会に朝鮮を観光する計画を立てた。

 観光申請が確定したのに伴い、朝鮮観光の時期を2015年12月末に定めた。

 2015年9月23日、友人のステファン・ウェブの家で彼と彼の母シャロン・ウェブと夕食をともにすることになった。

 シャロンは、フレンドシップ合同メソジスト教会で執事を務めており、ステファンはこの教会の熱心な信者である。

 シャロンは私に、自分の教会は北朝鮮政府を支持しないということ、共産主義は滅亡すべきであるということなどを強調し、共産国家は政治スローガンで人々を束ねると述べた。

 私に、北朝鮮の重要な政治スローガンを一つ持ち帰れば、それを自分の教会に「戦利品」として飾ると述べた。スローガンをなくして北朝鮮の人々の団結と情熱を弱化させ、西側によってこの国が侮辱されるのを示さなければならないと述べた。

 成功すれば1万ドルの中古車1台を与えると述べた。捕まって帰れない場合、教会が私の母に慈善の形で20万ドルを渡すと述べた。

 私の家が大変ひどい資金不足に苦しんでいることから、私はこの提案が金を稼げる絶好の機会であると思った。

 シャロンは、何よりも重要なのはフレンドシップ合同メソジスト教会を絶対に表に出さないことであり、そうでなければ1銭ももらえないと述べた。

 2015年10月初め、私は母に私の犯罪行動計画を簡単に知らせ、私が北朝鮮から重要なものを盗んでくる計画であるが、もし、朝鮮で拘留される場合、母の銀行口座に弟と妹の大学期間の学費として使う金が振り込まれるであろうと述べた。母は、泣きながらそのような危険なことはするなと述べた。

 母を心配させたくないのでためらったが、フレンドシップ合同メソジスト教会から何度も誘惑と圧力を受けて犯罪任務の遂行を決心した。

 ワームビアさんはZ協会も自分の行動をあおったと述べ、次のように指摘した。

 Z協会の会員全員が大学卒業後、収入の高い職に就いて豊かに暮らせるようになるのを知って協会加入を熱望してきた私は2015年11月末、Z協会の会員に意図的に私の行動計画を明かした。

 彼は、私の計画が「自由」を広めて「専制政権」を除去するという協会の目的に明白に合致すると述べ、もし、成功すれば私の協会加入を積極的に支援すると約束した。私が捕まれば、協会が北朝鮮に釈放の圧力を加えられるとまで言い、Z協会が私をあおった事実を秘密にしなければならないと述べた。

 ワームビアさんは、北京経由で平壌に到着して自分の計画を実行したとし、自分が働いた犯罪は極めて重大であり、事前に準備された犯罪であったと述べた。

 続いて、ワームビアさんは、国内外の記者の質問に答えた。

 ワームビアさんは、米政府と政治家がフレンドシップ合同メソジスト教会を利用して醜悪な手段と方法で朝鮮を陥れようとしているとし、同教会が自分に犯罪任務を与えたのは、米国の執拗な反朝鮮敵視政策に便乗して朝鮮にキリスト教を広め、米政府からさらなる後援を得る目的からであったと述べた。

 そして、自分の犯罪は、米政府の終始一貫した反朝鮮敵視政策とそれを実現しようとするフレンドシップ合同メソジスト教会の活動の計画的な産物であると明らかにした。

 ワームビアさんは、米中央情報局(CIA)と緊密な連携をもつZ協会が自分を犯罪へとあおったし、米国で事前の準備を綿密に整えたことと、朝鮮に反対する重大な犯罪を働いた自分が、平壌で現在、公明正大な法的手続きと人道的待遇を受けていることについて述べた。

 ワームビアさんは最後に、米政府が執拗に騒ぎ立てている朝鮮の「人権問題」が、朝鮮政府を転覆させるための偽善的な口実にすぎないことを悟ったと述べ、自分の犯罪行為について朝鮮の人民と政府に謝罪し、許しを求めた。【朝鮮通信=東京】


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