米国の合同演習「合法」は詭弁
朝鮮外務省軍縮・平和研究所代弁人談話 
−2016年4月6日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省軍縮・平和研究所は6日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。


 米国が南朝鮮かいらいとともに毎年おこなっている合同軍事演習は、朝鮮半島に核戦争の暗雲と緊張激化の悪循環をまねく侵略戦争策動であって、何によっても正当化されない。

 米国は、米軍の南朝鮮占領と合同軍事演習が、南朝鮮との「相互防衛条約」にもとづくものなので「合法的」であり、自分らが朝鮮停戦協定を「遵守」しているかのように宣伝している。

 しかし、それは全くの詭弁であり、自分らの侵略的正体を覆い隠して世界の世論を欺瞞しようとする狡猾な術策にすぎない。

 米国が合同軍事演習の「合法性」の根拠にしている米国・南朝鮮「相互防衛条約」自体が、朝鮮停戦協定に完全に反する不法な文書である。

 停戦協定には、協定の効力発生後3カ月以内に政治会議を招集し、朝鮮からのすべての外国軍隊の撤退および朝鮮問題の平和的解決などの問題を協議することに関する条項が記されている。

 しかし、米国は、停戦協定に指摘された政治会議の招集期限の前に南朝鮮かいらいと「相互防衛条約」を締結した。

 米国が「条約」で、いわゆる「脅威に対抗」するという口実のもと、自分の陸海空軍武力を南朝鮮とその周辺に無期限配置する権利を持つことを規定することで、南朝鮮にたいする米軍駐屯を固着させたのは、朝鮮停戦協定の乱暴な違反であり、真っ向からの挑戦である。

 米国は停戦協定を締結した際、そもそも、米軍を撤退させて朝鮮問題を平和的に解決する意思がなかった。

 米国が本当に望んだのは、もっぱら米軍の南朝鮮永久駐屯を合法化して戦略的要衝である朝鮮半島を永遠に占領することだけであった。

 そこで、米国は、1954年に開かれた朝鮮問題に関するジュネーブ会議を意図的に決裂させ、停戦協定で予定していた朝鮮からのすべての外国軍隊の撤退と朝鮮問題の平和的解決の道を永久に閉ざしてしまったし、自分らの下心の追求に支障となる停戦協定条項を系統的に破壊した。

 米国は、停戦協定を蹂躙して南朝鮮の軍事的占領を固着させた後、南朝鮮かいらいとともに、わが共和国にたいする武力侵攻を狙った合同軍事演習を持続的におこなってきた。

 米国が南朝鮮かいらいとの合同軍事演習を「相互防衛条約」にもとづく「年次的」で「防御的」な訓練であると正当化しているが、それが完全な欺瞞であることは、今回の合同軍事演習を通じて赤裸々にあらわになった。

 米国は今回、丸々一つの戦争をおこなっても余る膨大な兵力と各種の核戦略資産を総動員して史上最大規模の合同軍事演習をおこない、その目的が我々の最高首脳部と「体制転覆」を狙った「斬首作戦」と「平壌占領作戦」「北縦深内陸進攻作戦」を実践で検証するところにあることを公然と騒ぎ立てた。

 これは、朝鮮問題の平和的解決が遂げられるまで相手にたいする一切の敵対行為を完全に停止することを規定した停戦協定の中核事項にたいする違反程度ではなく、協定の完全な破棄行為であり、我々にたいする露骨な宣戦布告となる。

 米国がわが共和国の平和協定締結提案に必死に反対しているのも、停戦協定の目的にかかげた朝鮮問題の平和的解決に関する条項はもちろん、平和の破壊をまねき得る国際的紛争を平和的方法で解決することを規定した国連憲章の目的と原則に甚だしく反する不法行為である。

 米国が追求する目的は、南朝鮮かいらいと締結した「相互防衛条約」をそのまま維持し、それを法的基礎にして全朝鮮半島を自分らの支配圏内に入れ、覇権的なアジア太平洋戦略を実現するところにある。

 米国が核でわが共和国を圧殺しようとする策動を増大させてきたので、我々はやむを得ず自衛的核抑止力を強化せざるを得なかったし、朝鮮半島情勢は、こんにちのような一触即発の状態へと至るようになった。

 米国が南朝鮮での武力増強と合同軍事演習が「有事」に南朝鮮にいる米軍を守るためでもあると主張したが、それもまた、とうてい通じない詭弁である。

 朝鮮で戦争が起こって米軍が被害を受けるのを本当に懸念するなら、すべての武力を撤収して自国の地に帰れば済むことである。

 米軍という癌のような存在さえ無くなれば、朝鮮半島と地域で戦争の危険をまねく根源が除去されて平和的な環境が整うであろう。

 しかし、こんにち、朝鮮半島には核戦争を防げる何の制度的装置もなく、わが共和国にたいする米国の核の威嚇ばかりがさらに増大している。

 生じた重大な事態に対処してわが共和国は、核抑止力を質的、量的にさらに盤石に打ちかためていくであろうし、主権国家の当然の自衛的権利を堂々と行使していくであろう。

 米国の無謀な核戦争演習策動は、墓穴を掘る愚かな自滅行為である。【朝鮮通信=東京】


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