強制拉致救出非常対策委が朴槿恵大統領に抗議文
−2016年5月22日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮強制拉致被害者救出非常対策委員会(強制拉致救出非常対策委)は22日、朴槿恵大統領に全文次のような抗議文を送った。


 朝鮮強制拉致被害者救出非常対策委員会は、貴方が集団的に誘引、拉致した我々の公民を引き続き強制的に抑留していることに関連してこの抗議文を送る。

 周知のように、去る4月5日、貴方の国家情報院は、中国浙江省寧波市でレストランを運営していた我々の女性公民を白昼に集団で誘引、拉致して南朝鮮に連れ去る鬼畜のような蛮行を働いた。

 これは、わが共和国の尊厳と主権にたいする乱暴な侵害であり、重大な政治的挑発である。

 我々の公民の尊厳と人身にたいする侵害は、共和国の主権にたいする直接的な侵害である。

 したがって、貴方が海外で合法的に営業活動をおこなっていた我々の公民を拉致して南朝鮮に強制的に連れ去ったのは明白に、共和国の主権にたいする侵害になり、我々の思想と体制にたいする悪辣な政治的挑発になる。

 今回の拉致事件は徹頭徹尾、貴方当局の介入によりおこなわれた計画的で組織的な特大型の国際テロ行為である。

 既に明らかになったように、貴方の国情院のごろつきは、不純な政治目的のもとに醜悪な人間のクズを金で買収しては我々の公民にたいする集団的な誘引、拉致の悪巧みを企てたし、「国会」議員選挙を控えて特大型の反共和国謀略事件をでっち上げた。

 貴方の国情院のごろつきは、人間のクズと共謀して純真な我々の女性を新しいレストランを開くとだまして第三国に連れ出した後、即時事前に準備しておいた南朝鮮の旅券で偽装手続きをおこなって飛行機に乗せたし、彼女たちが南朝鮮に到着するなり、前例なく写真まで公開して当局が直接大きく宣伝した。

 たった数時間で第三国まで経由して遂げた「脱北」は、誰が見ても当局が直接介入して操縦せずには到底不可能であるというのが内外の一様な評価である。

 貴方が、我々の公民を個室に閉じ込めて外部と完全に隔離し、徹底した報道規制を敷いているのは、今回の事件が徹底的に当局の指揮のもとで組織的におこなわれたというもう一つの証拠であると言える。

 貴方の集団誘引・拉致行為はまた、だんらんとむつまじい家庭を破壊し、無残に踏みにじった反人倫・反人権蛮行である。

 肉親的に最も近い人々が集まって生活する家庭は誰にも大切である。

 しかし、貴方は、父母の懐から愛する娘を強制的に奪ったのにも満足せず、彼女たちを強制的に抑留して帰順を強要し、永遠に別れさせようとしている。

 そのうえ、貴方は、父母が子どもに直接会うという初歩的な要求まで「国際慣例」を云々し、かたくなに拒否している。

 父母を子どもに会わせるのがまさに国際慣例であり、初歩的な人倫道徳である。

 これが果たして貴下が念仏のように唱えていた「人道主義」であり、「人権」であるのかを問わざるを得ない。

 娘盛りの我々の女性公民が、貴方に集団で誘引、拉致されて連れ去られてから既に40余日が過ぎた。

 いま、元気な子どもを失った父母は、娘の生死さえわからなくする貴方の野蛮行為に怒りの歯ぎしりをし、直ちに子どもを父母の懐に送り返すことを血を吐く思いで絶叫している。

 我々は既に、多くのルートを通じて貴方に集団誘引・拉致蛮行を謝罪し、我々の公民を無条件送還することと、拉致行為に加担した者を厳罰に処するか、神聖な我々の法廷に引き渡すよう強く求めた。

 また、被害者家族の切々たる願いどおり、板門店を経てソウルへ行って子どもに直接会えるよう実務的措置を即刻講じるよう重ねて求めた。

 しかし、貴方は、「自由意思」だの「憧憬の反映」だのの破廉恥な詭弁を持ち出して我々の正当な要求をあくまで拒否している。

 我々は、貴方が働いた前代未聞の特大型の集団誘引・拉致犯罪を謝罪し、我々の公民を直ちに無条件送還し、誘引・拉致蛮行に加担した者と背後操作者を厳罰に処するか、我々の法機関に引き渡すことを改めて強く求める。

 また、二度と誘引・拉致行為をおこなわないことを我々と国際社会に厳かに確約しなければならない。

 差し当たり、被害者の父母が板門店を経てソウルへ行き、子どもに直接会って連れて帰還できるよう即刻実務的措置を講じるべきであろう。

 貴方が、いまのように引き続き、特大型の犯罪蛮行を否定し、我々の公民を不当に強制的に抑留するなら、そこからまねかれる重大な結果に最高当局者である貴下が全責任を負うことになるであろう。【朝鮮通信=東京】


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