「制裁決議」は前代未聞の極悪な挑発
−2016年12月2日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮アジア太平洋平和委員会(ア太委)は2日、全文次のような声明を発表した。

 先軍朝鮮が上げた5回目の核の雷鳴が、この惑星を丸ごと揺るがした時からいつしか80余日が過ぎた。

 自主と尊厳、正義と平和守護の道でわが軍隊と人民が、勇敢無双な鉄の意志を誇示して鳴らした自主の核の雷鳴は、アジアおよび太平洋地域を含む世界の羨望と称賛のなかで限りなくこだましている。

 しかし、米国を首魁とする敵対勢力だけは去る11月30日、国連安全保障理事会の名を盗用してついに悪辣な対朝鮮「制裁決議」第2321号を再びでっち上げる愚かで鼻持ちならない醜態を演じた。

 いわゆる「制裁決議」が採択されるなり、米国はホワイトハウスの報道官を押し立てて「北が一度も経験していない方式の圧力になる」「北の政権がこれまで追求した戦略について評価することになる」と笑止千万に騒ぎ立てており、日本も官房長官を押し立てて「決議が全面的に厳格に履行」されるようにすると生意気に振る舞っている。

 そのうえ、生ける屍の身となった朴槿恵一味まで真夜中にいわゆる「声明」なるものを発表し、「積極的に歓迎」だの「もう一つの里程となる措置」だのと米国、日本などとともに「追加の独自制裁」劇にしがみついている。

 これに盲従が体質化した一部の加盟国も定見なしに同調している状況である。

 今回の「制裁決議」は、加盟国の自主的権利と生存権の保障を使命とすべき国連安保理がどれほど有名無実なかかし国際機関であるのかを改めて示した。

 ア太委は、米国を首魁とする敵対勢力が、共謀、結託して義に徹した主権国家である朝鮮の合法的権利を全面否定し、無謀な対朝鮮孤立・圧殺策動に引き続きしがみついていることに関連し、次のような原則的な立場を宣明する。

 1.国連安保理が採択した対朝鮮「制裁決議」をわが共和国にたいする前代未聞の極悪な挑発であると糾弾し、断固排撃する。

 米国の体質的な病的拒否感がそのまま反映された今回の「制裁決議」は、わが共和国の自主権にたいする最も乱暴な蹂躙、侵害である。

 わが共和国の核兵器保有とミサイル武力強化は徹頭徹尾、主権国家の正当で合法的な自主的権利である。

 これについて、米国や他国が中傷したり干渉したりする何の理由も名分もない。

 国連憲章と国際法、条約のどこにも核兵器とミサイルの保有を国際平和と安全にたいする脅威と規定し、制裁の対象にすべきであるという条項や項目はないではないか。

 しかも、今回の「制裁決議」は、これまで実行してきたいわゆる「制裁の抜け穴」をふさぐという美名のもとに、わが人民の生活の領域にまでその魔手を深く伸ばしている。

 これは、我々が生き、生存すること自体を許さないという強盗の本性をそのままあらわしたことになる。

 我々の自主権と生存権を全面否定している米国主導下の敵対勢力が考案したこの類いの「制裁決議」が、わが軍隊と人民を甚だしく激怒させているのはあまりにも自明である。

 2.国連安保理が採択した今回の「制裁決議」が核兵器とミサイル保有によるものであるなら、その元凶である米国がまず最も強い制裁を受けるべきであるというのが我々の原則的な立場である。

 朝鮮半島の核問題発生の主犯は徹頭徹尾、米国である。

 我々が東方の核強国の地位に上り、多種多様な威力あるミサイルを保有するようにしたのはほかならぬ米国である。

 わが軍隊と人民が、心で選択した社会主義制度の「崩壊」と「平壌占領」の悪巧みを実現するために、いま、この時刻も侵略的な核戦略資産をすべて投入して威嚇と恐喝の度合いを強めている。

 朝鮮半島と東北アジアの平和と安全をゆゆしく害し、侵略と戦争の機会を虎視眈々とうかがう米国の策動を徹底的に制圧することこそ、国連が最も早急に取り組むべき最優先の課題であろう。

 もし、国連が核実験やミサイル試射を問題視してそれほど制裁を加えたいなら、罪深い米国にまず適用すれば良かろう。

 それが、犯した罪を軽くし、遅まきながら国連の名分を立てるのにも有益であろう。

 3.我々の軍隊と人民は、米国とその追従勢力の極悪非道な「制裁」を超強硬対決戦で踏みつぶして国の自主権と民族の生存権を頼もしく守っていくであろう。

 米国とその追従勢力は、今回の「制裁決議」の採択によって我々が「進路を変更せざるを得なくなる」と生意気にたわ言を吐いている。

 相手にたいする初歩的な判別力もない極度の無知にほかならない。

 我々には、百年、千年歩んでいく不変の進路がある。

 それは、自主の道、先軍の道、社会主義の道である。

 この義に徹した道を疾風のように進む白頭山大国の前途は、この世の誰も阻めない。

 いくら弱肉強食に侵され、敵視に病んだとしても、米国はこれまでの対朝鮮「制裁」がどんな結果をまねいたのかを冷静に振り返る必要がある。

 無謀な「制裁」は、わが人民を世界的飛躍の主人公に押し上げたし、一方的な軍事的圧力は、わが軍隊が米本土を含むあらゆる敵対勢力の牙城を敵撃滅の攻撃圏内におさめるようにした。

 制裁と圧力にしがみつけばつくほど、我々の威力をさらに強大にさせて米国の終局的破滅ばかりを促すようになるということ、まさに、これが世界の人々が認める朝米対決の歴史的総括である。

 米国が途方もない口実を設けて、我々の自主権を蹂躙し、生存権と発展権を全面否定して脅かすほど、我々のより強力な対応措置をまねくことになり、自分らの安全と制裁に加担する国々の経済的利益を大きく損なう悲劇的な結果ばかりを生むことになるであろう。

 わが軍隊と人民は、国の安全と平和を守るための自衛力強化も、世界を驚かす社会主義強国建設も、飛躍的な宇宙征服闘争も米国をはじめ、あらゆる敵対勢力の蠢動を粉砕する全面対決戦に志向させ、服従させるであろう。

 偉大な天が遣わした偉人を陣頭にいただいている我々には何も恐れるものがない。

 自分の主権があり、自分の人民がいて、自分の領土がある限り、勝利は永遠に我々のものである。

 世界は、わが共和国の最高の利益をゆゆしく侵害した今回の「制裁決議」が追求する弱肉強食の強盗の論理が絶対に通用しないことをはっきりと見ることになるであろう。

 わが軍隊と人民は、不純な敵対勢力の対朝鮮敵視策動が増大すればするほど、自主権を守るための正義の道を勇気百倍にしてより力強く、より果敢に突進していくであろう。【朝鮮通信=東京】


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