朝鮮が米国の外交文書強奪を非難、米政府が謝罪し返還
−2017年7月3日−

 朝鮮中央通信によると、慈成男国連駐在朝鮮常任代表が、最近、米国のニューヨークで国連駐在朝鮮常任代表部の外交文書が強奪された事件が発生したのと関連してアントニオ・グテレス国連事務総長に3日、書簡を送った。

 書簡は、去る6月16日、米国土安全保障省所属という人物と警官を含む20余人が、ニューヨークでおこなわれた障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)締約国会議に参加して帰国する我々の外交官に襲いかかり、彼らが所持していた外交文書を強奪する犯罪行為を働いたと明らかにした。

 そして、米国が我々の外交文書を強奪したのは、国連加盟国である朝鮮にたいする許しがたい主権侵害行為であり、国際法に重大に反する犯罪行為であると糾弾した。

 また、外交関係に関するウィーン条約第27条には、外交文書にたいする不可侵権と保護権が明白に規定されているとし、米国務省は今回の事件と関連して我々に公式に謝罪しながらも、外交文書の返還をいまだに引き延ばしていると指摘した。

 書簡は、これらすべては我々にたいする体質的な拒否感から国際法も眼中になく横暴非道に振る舞う米国の極度の傲慢さと破廉恥さを示していると主張した。

 また、国連本部が位置しており、国連総会をはじめ、国際的な会合の場になっているニューヨークの真ん中で主権国家の外交文書にたいする強奪行為が起きたのは、米国という国が不法、無法のごろつき国家であることをはっきりと実証していると明らかにした。

 そして、国連には、国連に派遣された代表団の安全に関わる問題を取り扱うホスト国との関係委員会が存在しているだけに、国連は当然、我々の代表団にたいする米国側の妄動を大きく問題視しなければならないと強調した。

 書簡は、国連がこの事件を国連加盟国の自主権にたいする侵害行為であるとみなし、これを解決する実践的な措置を請じるようにするうえでグテレス事務総長の積極的な協力を期待すると明らかにした。

 13日、国連駐在朝鮮常任代表部の提案で国連のホスト国との関係に関する委員会の会議が国連本部でおこなわれた。

 会議では、最近、国連駐在朝鮮常任代表部の外交文書にたいする米国の強奪事件問題が討議された。

 国連駐在朝鮮常任代表部の参事は、外交文書にたいする米国の強奪事件の経緯を説明し、今回の行為を朝鮮にたいする許しがたい主権侵害行為、国際法に違反した極悪な挑発行為であると断罪、糾弾した。

 参事は、外交文書は外交関係に関するウィーン条約第27条によって不可侵権と保護権を持つと述べ、次のように指摘した。

 事件直後、米国務省はこれに関連して公式に謝罪するとしたが、さまざまな口実を設けて外交文書の返還をいまだに引き延ばしている。

 米国の強盗さながらの挑発行為は、米国の対朝鮮敵視政策がどの程度に至ったのかを証明しており、国際法も眼中になく横暴非道に振る舞う米国の傲慢さと破廉恥さを全世界に赤裸々に示している。

 参事は、同委員会が今回の事件の重大さとその結果にたいする責任を米国当局に当然、問うべきであることについて強調し、米国が強奪した外交文書を無条件に即時返還し、国連加盟国にたいする自主権侵害行為を二度と働かないように実践的な措置を取るよう求めた。

 同委員会の議長である国連駐在キプロス代表と中国、ロシア、キューバ、イラン、シリアなど会議に参加した多くの国の代表は、朝鮮の外交文書にたいする強奪行為は重大で絶対に許されない行為であると非難した。

 また、朝鮮側の要求どおりに米国が主権侵害行為について公式に謝罪し、朝鮮の外交文書を即時返還すべきであり、米国は外交関係に関するウィーン条約を尊重し、国連会議に参加するために米国に来るすべての代表団の身辺の安全と外交文書の不可侵権を尊重すべきであると指摘した。

 18日、朝鮮外務省のスポークスマンは、米国がニューヨークで発生した朝鮮の外交文書強奪事件について謝罪し、文書を返還したことに関連して朝鮮中央通信の質問に次のように答えた。

 既報のように、去る6月16日、ニューヨークでおこなわれた障害者権利条約締約国会議に参加して帰る我々の代表団がニューヨークの空港で米国の不法、非道な挑発行為によって外交文書を強奪される事件が発生した。

 我々は、米国の行為をわが共和国にたいする許しがたい主権侵害行為、極悪な挑発行為であると認め、峻烈に断罪、糾弾したし、米国がこれについて説明し、政府として公式に謝罪するよう強く求めた。

 我々の提案によって招集された国連のホスト国との関係に関する委員会会議でも、議長である国連駐在キプロス代表と中国、ロシア、キューバ、シリアをはじめ、会議に参加した多くの国の代表は外交文書強奪が主権侵害行為であって、極めて重大で絶対に許されないことを認めた。

 米国務省は今回の事件に関して、当該の保安関係者が誤りを犯したと認めたし、米国内の安保が極めて不安定で保安関係者が神経を過度にとがらせていたことからこのような過ちを犯したことについて理解するよう希望するとして、米国政府の名で公式に謝罪した。

 これとともに、文書をわが方にすべて返還した。

 米国は、今回の事件から当然の教訓を得て、公認された国際法と規範を乱暴に蹂躙して他国の自主権を侵害する行為を二度と働いてはならないであろう。【朝鮮通信=東京】


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