国連安保理「制裁決議」を全面排撃
−2017年8月7日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮政府は7日、全文次のような声明を発表した。

 わが国家核戦力の質的・量的強化におじけづいた米国をはじめ、敵対勢力が史上最悪の制裁、圧力と挑発策動にしがみついている。

 6日、米国は我々の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射に「国際平和と安全に対する脅威」であると言いがかりをつけ、それを口実にわが共和国の経済発展と人民生活の向上を完全に阻むのを狙った国連安全保障理事会「制裁決議」第2371号なるものをでっち上げた。

 今回の国連「制裁決議」は、徹頭徹尾、米国の極悪非道な孤立・圧殺策動の産物であって、我々の自主権に対する乱暴な侵害であり、わが共和国に対する真っ向からの挑戦である。

 我々が最強の核戦力を保有したのは、半世紀以上にわたって対朝鮮敵視政策と核の威嚇、恐喝に明け暮れてきた米国の強権と専横から国の自主権と民族の生存権を守るために選択した正当な自衛的措置である。

 我々の相次ぐICBM試射は、太平洋の向こうにいて我々に対する無謀な軍事的冒険と卑劣な制裁策動をおこなっている米国に送る厳重な警告であった。

 しかし、米国は、我々の実体を認めて我々と共存する道に進むかわりに、よりいっそう必死にあがいて我々を狙ったミサイル訓練に狂奔し、多くの戦略兵器を投入して朝鮮半島情勢を再び核戦争の瀬戸際に追い込もうとしている。

 こうしたなか、米国は、国連安保理を盗用して正常な貿易活動と経済交流まで全面遮断する前代未聞の悪辣な「制裁決議」をでっち上げることで、我々の思想と制度、わが人民を抹殺しようとする凶悪な下心を全世界にさらけ出した。

 一方では、わが国家を狙ったいわゆる軍事的選択を考慮しているという差し出がましい妄言を吐いて口角泡を飛ばして騒ぎを起こしている。

 米国の笑止な威嚇が通じる国が別にあり、米国の虚勢にひれ伏す国が別にある。

 「世界唯一の超大国」を自任する米国とそれに劣らずずうたいの大きな我々の周辺諸国が、わが国家のたった2度のICBM試射にこのようにおじけづいて互いにほえ立てる姿は、むしろ、わが共和国が備えた強大な力に対する自負心ばかりを強くさせ、我々が生きる道、我々が進む道は、もっぱら、この道だけであるという信念ばかりをかためさせている。

 米国の主導のもとにこの数十年間、何度もでっち上げられた国連「制裁決議」によって、世界で最も因業な制裁を受けるなかでも艱難辛苦なたたかいを繰り広げて得るものはすべて得て、握るものはすべて握ったわが共和国が、敵対勢力の新たなこの類いの制裁に揺らぎ、態度を変えると考えるのは途方もない妄想にすぎない。

 米国が、我々に政治、経済、軍事のすべての分野で全面的な挑発を仕掛けてきた以上、それに断固たる報復で対処するのは、わが軍隊と人民の揺るぎない意志であり、確固たる決心である。

 朝鮮政府は、米国と敵対勢力の必死の策動で生じた重大な事態に対処して、次のように厳かに宣明する。

 第1に、米国と敵対勢力がでっち上げた国連安保理の反朝鮮「制裁決議」をわが共和国の自主権に対する乱暴な侵害として峻烈に断罪、糾弾し、全面的に排撃する。

 世界最大の核保有国である米国がおこなっている極端な対朝鮮敵視政策と核の威嚇、恐喝を阻止するための自衛的核抑止力を強化していくのが「国際平和と安全に対する脅威」になるというのは、地球上のすべての国が米国の利益に服従する植民地になるか、もしくは侵略のいけにえにならなければならないという強盗の論理である。

 世界で核実験を最も多くおこない、時となくICBMを発射して核の覇権を永遠に維持しようとする野望を露骨に追求している国々が、我々の自衛的核戦力強化を犯罪視する不法・非法な「決議」をでっち上げ、それに「違反」したという口実で制裁を加えることこそ強盗さながらの二重基準の極みである。

 我々は、米国の反朝鮮策動と核の威嚇が続く限り、誰が何と言おうと自衛的核抑止力を協議のテーブルに乗せず、既に選択した国家核戦力強化の道からたった一歩も退かないであろう。

 第2に、米国が我々の自主権と生存権、発展権を抹殺する国連安保理「制裁決議」をついにでっち上げた以上、我々は既に宣明したとおり、断固たる正義の行動に移るであろう。

 米国がわが国家の戦略的地位を正しく見て我々の再三の警告に耳を傾けるかわりに、時代錯誤の対朝鮮制裁・圧力騒動にしがみついているのは、自滅を早める愚かな行為である。

 我々は、強盗の米国が我々に最も悪辣で卑劣な挑発を引き続き仕掛けていくことに対処して、侵略と戦争の禍根を根こそぎにする正義の力をさらにしっかり打ちかため、この道でけりをつけるであろう。

 第3に、わが国家と人民を相手に働いている米国の極悪な犯罪の代価を百倍、千倍で決算するであろう。

 残酷な戦争で我々の国土を血の海、火の海の中に沈め、我々の思想と制度をなくそうと世紀を継いで手段と方法を選ばず狂奔している米国が、自分らの領土が海の向こうにあるので無事であると思うなら、それよりも大きな誤算はない。

 今回、米国と裏部屋で密議をこらして悪辣な反朝鮮「制裁決議」のでっち上げに共謀した代価として米国の「感謝」を受けた国々も、朝鮮半島情勢をさらに激化させて地域の平和と安全を危うくした責任を絶対に逃れられない。

 もし、米国が我々を圧殺しようとする無謀な試みをやめずに軽挙妄動するなら、我々はいかなる最終手段もためらわないし、辞さないであろう。
 我々は今後も、平和守護の永遠の旗印である並進路線をさらに高くかかげ、我々が選択した道を遠回りせずに最後まで進むであろう。【朝鮮通信=東京】


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