2010年 朝鮮民主主義人民共和国

4月の主な動き
−新聞名などがないものは朝鮮中央通信。*は報道日−

4月1日

 −朝鮮で2010年の新学年度が始まり、全国の大学、専門学校、小中学校で始業式行う。


 −朝鮮最高人民会議常任委員会の金永南委員長がガンビア、セネガルを公式親善訪問。(7日帰国)

 ・崔昌植保健相、金衡俊外務次官、李明山貿易次官、そのほかの随行員が同行。ガンビア、セネガルに先立ちガボンも訪問。

 ▲ガンビア(1〜3日)
 ・ヤヤ・ジャメ大統領と会談(2日)、友好・協力に関する協定と政府間の共同委員会創設に関する協定、各分野での技術協力に関する協定調印、ガンビア公式親善訪問に関する共同コミュニケ発表(3日)。

 ▲セネガル(3〜5日)
 ・記念碑「アフリカのルネサンス」の除幕式出席(3日)、金正日総書記に贈るセネガル最高勲章の国家大十字勲章をワッド大統領が金永南委員長に伝達、ワッド大統領と会談、セネガル独立50周年祝賀行事に出席(4日)。


4月2日

 −金日成主席による人民保健医療法発布30周年記念中央報告会。


4月3日

 *朝鮮の協同農場で稲の冷床苗床の種まきが始まる。


4月5日

 −天道教創道150周年「天日記念式」。


 −モルデ副総裁を団長とするスウェーデン赤十字社代表団が訪朝。(〜9日)


4月6日

 *最高人民会議常任委員会の政令によると、スイス駐在朝鮮大使にソ・セピョン氏任命。


 *金日成主席の著作を収録した「金日成全集」第86巻出版。


4月7日

 −朝鮮労働党の金永日国際部長、劉洪才駐朝中国新任大使と会見。


 −記録映画「偉大な献身−変革の起こった年2009年」を上映。金正日総書記が昨年を祖国の青史に特筆すべき変革の年、人民のあらゆる理想が実現される特別な時代が開かれた転換の年として輝かした不滅の業績を収録。


 *朝鮮で自国の原料に基づいて特産の食料品加工の工業化を最上の水準で実利を保って実現した三日浦特産物工場(平壌)のような総合食料工場が各道に建設されて生産を開始。


 *朝鮮で、ベルギー北部の都市アントワープで9日から催される国際切手展覧会記念切手発行。


 −世界保健デー行事。


 −朝鮮でフットサル普及のための活動が活発に行われている。

 近年、朝鮮では新聞や出版物、テレビなどでフットサルが紹介されている。また、既に国内の各体育団や青少年体育学校ではフットサルチームが結成され、昨年から全国的な大会も開かれている。

 フットサルの発展のための国際的な講習もたびたび行われている。今回の講習には、国内の各体育団と青少年体育学校の監督、指導者をはじめとする20余人が参加した。

 講習では、アジアサッカー連盟(AFC)が派遣したエイサ・エフエム・エチ・サダム氏(43歳、クウェート代表監督)が講師を務めた。

 講習では、フットサルの歴史と概念、サッカーとの違い、ルール、戦術、試合分析などの理論、そしてドリブル、パス、シュートといった実技について幅広い指導があった。フットサル世界選手権大会など国際試合のビデオ講義は参加者の関心を集めた。

 最終日には、青春通りにあるハンドボール競技館で監督実技試験が行われた。(朝鮮新報4.7)


4月8日

 −金正日総書記の朝鮮国防委員会委員長推戴17周年慶祝中央報告大会。


4月9日

 −最高人民会議第12期第2回会議。


4月10日

 −第12回金日成花祭典に参加するアルティヤットモ文化観光省書記長を団長とするインドネシア政府文化代表団が訪朝。(〜13日)


 −金日成花・金正日花普及後援会名誉会長であるオフィス・デヴィ・スカルノ(東京)のデヴィ・スカルノ夫人一行が訪朝。


 −朝鮮総聯中央常任委員会の南昇祐副議長を団長とする在日本朝鮮人代表団が訪朝。(〜24日)

 ・金永南委員長が会見。(22日)


4月11日

 −金永南委員長、ポーランドのカチンスキ大統領と夫人らが航空機事故で死亡したことで議会下院のコモロフスキ議長に弔電送る。


 −第2回4月の春人民芸術祭典開幕。(〜19日)


 −国際陸上競技連盟(IAAF)第23回万景台賞マラソン大会。


4月12日

 −第12回金日成花祭典開幕。(〜19日)


 −改修された朝鮮美術博物館の開館式。


 −季志業副院長を団長とする中国現代国際関係研究院代表団が訪朝。(〜19日)


 −国家旅遊局の祝善忠副局長を団長とする中国親善参観団および観光部門訪問団が訪朝。(〜19日)


 −ドイツ連邦議会外交委員会対外文化・教育政策分科委員会のガウワイラー委員長(キリスト教社会同盟)を団長とするドイツ連立与党連邦議会議員代表団が訪朝。(〜14日)


 −朝鮮革命博物館とベトナムのホーチミン博物館間の友好関係設定および交流と協力に関する合意書がホーチミン博物館で調印。


4月13日

 −最高人民会議常任委員会と外務省などの各省、朝鮮対外文化連絡委員会、外交団事業局の活動家がポーランドのカチンスキ大統領夫妻が死亡したことで駐朝大使館を弔問。


 −保健省口腔総合病院の開院式。


 −中国ウーシュー(中国武術)協会から朝鮮ウーシュー協会への器材寄贈式。


 −崔鎮洙中国駐在朝鮮大使が離任のあいさつのため中国の温家宝首相を訪問。


4月14日

 −金日成主席誕生98周年記念中央報告大会。


 −平壌で太陽節記念祝砲(花火)夜会「主席の念願が花咲くわが国」開催。

 ・同国での祝砲夜会は昨年の太陽節(4月)、メーデー(5月)、朝鮮労働党創立64周年(10月)時に続いて4回目。

 *金正日総書記、金日成主席の誕生98周年に際して在日同胞子女の民主的民族教育のために日本円で1億8402万7390円の教育援助費と奨学金を朝鮮総聯に送る。

 ・教育援助費と奨学金が送られるのは昨年4月以来、1年ぶり。今回が156回目。


 −金永南委員長、米国財団法人国際問題研究所の中丸薫代表を団長とする日朝友好親善代表団と会見。


 −新しく建設された金日成総合大学の電子図書館竣工式。


4月15日

 −太陽節に際して党と国家の幹部らが平壌の錦繍山記念宮殿と万景台を訪問。


 −党と軍隊、国家の幹部らが第2回4月の春人民芸術祭典の招待公演鑑賞。


 −金日成主席の誕生98周年記念朝鮮少年団全国連合団体大会。


 −金永南委員長と金英逸総理、中国の青海省での地震に際し、胡錦濤国家主席と温家宝首相に慰問電送る。


4月16日

 −金永南委員長、シリア独立64周年に際してアサド大統領に祝電送る。


 −朝鮮とイタリアの合弁会社が運営する施設が平壌市民の関心を集めている。運営するのは、2009年4月に創設されたコリタル(CORITAL)合弁会社。朝鮮のイタリア語表記で頭文字の部分をとった「COR」とイタリアの「ITAL」を合わせた名称である。

 会社創設直後に平川区域でレストランの運営を始め、ピザとパスタなどの料理を提供した。ことし1月からは、建物の3階で「へウンイタリア特産物レストラン」という名称でオープンし、建物の2階でワインをはじめとする酒類と靴、衣類などを販売するイタリア特産物商店を開いた。

 近年、平壌ではイタリア料理が定着しつつある。昨年、光復通り(万景台区域)で営業をはじめたイタリア料理専門店も市民の間で話題となった。

 市民らがコリタル社の店舗を訪れる理由の一つは、ここで販売されるワインにある。店員は、「朝鮮の人々はワインを酒とは認めていなかった。特に酒好きな人ほどワインを軽視する傾向だった。しかし、同店開業後からイタリア産ワインの香りと味に対する良い認識が広がっている」と話す。

 同店ではワインやシャンパンの売上が月ごとに上がっているという。

 レストランの料理も人気がある。約60席あるレストランでは、ピザを焼く様子を見ながら料理を楽しむことができる。ピザ用のオーブンをはじめとする厨房の設備がオープンキッチン形式となっている。

 コックをはじめとするレストランの関係者はイタリアを何度も訪れ、イタリアから料理専門家を平壌に招き、指導も受けた。

 現在提供しているピザの種類はマルガリータ、ナポリ、ピカンテ、カプリチョーザなど12種類。パスタはビアンカ、ミートソースなど8種類があり、エスプレッソコーヒーやジェラートも提供している。

 この店舗の責任者であるパク・チョンオク所長(46)によると、レストランは午後7時ころになるとほぼ満席になる。

 3月に訪朝し、ここを訪れたイタリア国会代表団の関係者は、平壌で自国の料理を味わえるようになったと、とても喜んでいたという。(朝鮮新報4.16)


 −ピバダ歌劇団がリメイクして去年朝鮮国内で成功裏に上演された歌劇「紅楼夢」が5月から中国で上演される。

 朝鮮の歌劇が中国で上演されるのは、2008年の「花売る乙女」の巡演以来だ。

 ピバダ歌劇団のキム・ヨンロク創作創造課長によると、歌劇「紅楼夢」の中国公演は中国文化部の招請によるものだ。

 公演は5月初めから6月中旬ころまで北京、湖北省の武漢市、広東省の深圳市など7都市で行われる。

 中国巡演のために朝鮮文化省次官を団長とする政府級代表団が構成される。その規模は出演者、関係者を合わせて200人程度になる予定だ。(朝鮮新報4.16)


4月17日

 −党と国家の幹部、ウンハス管弦楽団をはじめ、中央芸術団体の芸能人が出演する太陽節音楽会鑑賞。


4月19日

 −南朝鮮人民の4.19人民蜂起50周年記念平壌市報告会。


 −第1回全国医療機器展示会。(〜23日)


 −朝鮮の南浦市とエクアドルのエスメラルダス州エスメラルダス市との親善と交流、協力に関する合意書調印。


 −シリアのダマスカス大学戦略研究所のイスマイル所長を団長とする同大学代表団が訪朝。(〜23日)


4月20日

 −金永南委員長、ボリビアでの世界人民大会(気候変動に関する第1回世界諸国民会議)開催と関連し、モラレス大統領に祝電送る。


 −金永南委員長にハキム駐朝モロッコ大使が信任状提出。


 −朴宜春外相、ナイジェリア外相に任命されたアジュモゴビア氏に祝電送る。


 *最高人民会議常任委員会の政令によると、中国駐在朝鮮大使に崔炳官氏任命。

 ・崔炳官氏は、2000年から2004年までラオス駐在大使を務めた。


 *朝鮮記録科学映画撮影所で記録映画「経済強国建設の突破口を開いた150日戦闘、100日戦闘」を制作。


 −ロペス国防次官兼軍総参謀長を団長とするキューバ革命武力軍事代表団が訪朝。(〜24日)

 ・朝鮮人民軍の李英鎬総参謀長が会見(20日)、金永春人民武力部長が会見、朝鮮人民軍軍事代表団と会談(21日)、金永南委員長が会見(23日)。


 −モンゴルのザンダンシャタル外相一行が訪朝。(〜22日)

 ・最高人民会議の崔泰福議長が会見、朴宜春外相と会談(20日)、朝鮮の羅先特別市とモンゴル道路・運輸・建設・都市計画省間の経済・貿易協力発展に関する覚書調印(21日)、金永南委員長が会見(22日)。

 ・平壌の朝鮮中央通信社が22日に配信した金永南委員長のザンダンシャタル外相一行との記念写真の中に元横綱、朝青龍が写っているのが確認された。


4月21日

 −康盤石女史(金正日総書記の祖母)誕生118周年に際し、幹部らが平壌のチルゴル革命史跡地の銅像と万景台の墓に献花。


 −「民主朝鮮」紙によると、内閣拡大総会がこのほど行われた。会議では、軽工業に力を集中して一般消費財をさらに多く生産する問題、農業を立派に営み人民の食の問題を解決する問題と「第1四半期人民経済計画遂行状況の総括と第2四半期人民経済計画実行の対策について」「最高人民会議第12期第2回会議で法令として採択されたことしの国家予算執行のための内閣決定の採択について」が討議された。


 −朴宜春外相、ハキム駐朝モロッコ新任大使と会見。


 −ファソラヒ次官を団長とするイラン外務省代表団が訪朝。(〜23日)

 ・朴宜春外相が会見、朝鮮とイラン両政府間の2010−12年度文化・科学交流計画書調印(22日)、金永南委員長が会見(23日)。


 −金正日総書記の著作「保健医療事業をさらに改善、強化するために」発表25周年記念中央医科学討論会。


4月24日

 −朝鮮人民軍創建78周年慶祝中央報告大会。


 −党と軍隊、国家の幹部が朝鮮人民軍創建78周年を慶祝する朝鮮人民軍協奏団の公演鑑賞。


4月25日

 −党と軍隊、国家の幹部が朝鮮人民軍創建78周年に際し、平壌の大城山革命烈士陵と愛国烈士陵、祖国解放戦争勝利記念塔に献花。


 −スワンストローム所長を団長とするスウェーデンのストックホルム安全保障開発政策研究所代表団が訪朝。(〜29日)


4月26日

 −金永南委員長にべネディクト駐朝フィリピン新大使が信任状提出。


 −党と軍隊、国家の幹部が朝鮮人民軍創建78周年に際した功勲国家合唱団の建軍節慶祝音楽会鑑賞。


 −李容哲朝鮮労働党中央軍事委員会委員(党中央委員、党第1副部長、最高人民会議代議員)が26日午前零時20分、心臓麻痺で死去。81歳。


 −第25回中央科学技術祭典が開幕。(〜30日)


 −ビタマジレ教育・スポーツ相を団長とするウガンダ政府代表団が訪朝。(〜30日)

 ・最高人民会議常任委員会の楊亨燮副委員長が会見。(28日)


 −世界保健機関(WHO)のチャン事務局長一行が訪朝。(〜29日)

 ・朴宜春外相が会見、WHOの協力で構築された平壌の金萬有病院と各道の人民病院間の遠距離医療サービス・システムの運営開始行事(27日)、金永南委員長が会見。(28日)


 −赤十字・赤新月国際会議常置委員会のバラ委員長一行が訪朝。(〜30日)

 ・金永南委員長が会見。(28日)


 −オフシャンニコフ団長兼首席指揮者が率いるロシアの21世紀管弦楽団が訪朝。(〜5月4日)


4月27日

 −金永南委員長にラットレー駐朝ジャマイカ新大使が信任状提出。


 −パキスタン・シンド州議会議長であるクロ顧問を団長とする金日成主席誕生100周年記念パキスタン準備委員会代表団が訪朝。(〜5月3日)

 ・楊亨燮副委員長が会見。(5月3日)


4月28日

 −朝鮮労働党の金仲麟書記(党中央委員会委員、最高人民会議代議員)が心筋梗塞で28日午前1時10分死去。86歳。

 ・30日に国葬を行い、平壌の愛国烈士陵で永訣式。


4月29日

 −金永南委員長を団長とする朝鮮代表団が中国での2010年上海国際博覧会(上海万博)の開幕行事出席のため特別機で平壌出発。(5月1日帰国)

 ・呉秀容副総理、キム・ソンギ外務次官らが同行。

 ・上海で中国の胡錦濤国家主席、パレスチナ民族当局首班のアッバス氏と会見、上海万博の開幕行事出席(30日)、上海万博の朝鮮館など会場参観(5月1日)。


 −楊亨燮副委員長、シン駐朝インド新任大使と会見。


 −南興青年化学連合企業所(平安南道)の無煙炭ガス化による肥料生産工程の操業式。


4月30日

 −朝鮮中央通信、「去る6日の裁判により現在教化中の米国公民アヤロン・マリ・ゴムズが、健康上の理由などで家族との通話を懇請した点を考慮し、朝鮮の当該機関は30日、彼に電話を許可した」と報道。




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