朝米平和協定は地域の平和と安定に寄与
アジア議会会議で安東春副議長、演説 
−2015年12月9日−

 朝鮮中央通信によると、最高人民会議代表団団長の安東春副議長が9日、アジア議会会議第8回総会で演説した。

 安東春副議長はまず、民族の違いを超越して、平和と安定、持続的発展というアジア人民の共通の目標を実現するうえで今回の総会が持つ意義に言及した。

 また、こんにち、アジア太平洋地域の戦略的価値が高まることによる諸大国の専横と利害関係の衝突によって、アジア地域での安保環境がより複雑に絡み合っていることについて列挙し、次のように強調した。

 アジアの平和と安定を保障するうえで朝鮮半島の情勢が占める位置は大変重要である。

 朝鮮は、自主、平和、親善の理念に基づいて、平和を志向し、平和な環境を望んでいる。

 敬愛する金正恩元帥の卓越した先軍指導のもとに朝鮮政府は現在、経済をもり立てて人民生活を向上させることを重要な政策目標にかかげ、これに全力を注いでいる。

 農産と畜産、水産を3大軸にして人民の食生活の水準を一段階高めるのに国家的な投資と努力が集中しており、全般的な経済成長が上昇機運を確実に維持している。

 建設で驚くべき速度が創造され、今年だけでも多くの建設対象が完工して人民の福利増進に服する富が数多く築かれた。

 我々には、やり遂げたことよりも今後すべきことがさらに多いし、このためにアジア地域諸国との経済交流と投資を必要としている。

 国の各地域に経済開発区が創設され、観光業を拡大し、発展させる計画が着実に進捗しており、有利な投資環境を整えるための制度的・法律的措置が講じられている。

 持続的な経済発展を保障し、人民生活を実質的に向上させるために、我々にこのうえなく大切なのは平和な環境であり、朝鮮半島情勢の緊張は何の助けにもならない。

 しかし、停戦協定が締結されて60年が過ぎたが、朝鮮半島ではいまだに強固な平和が実現していない。

 原因不明のさ細な事件によって情勢が一瞬で交戦直前にまで達した去る8月の事態の教訓は、名目だけが残っている現在の停戦協定では朝鮮半島でもはや平和を維持できないということである。

 米国と南朝鮮が、朝鮮半島と周辺で各種名目の大小の軍事演習を絶えず行うことで、偶発的な事件で予測不能の事態が再び起こる危険性は日増しに大きくなっている。

 我々は、朝鮮半島に続いている不安定な停戦状態を終わらせ、恒久的な平和保障体系を樹立しようとする念願から停戦協定を平和協定に速やかにかえることに関する立場を改めて明白に宣明した。

 わが共和国は、停戦協定が締結された時からこれまで、停戦協定を平和協定にかえるための公明正大かつ現実的な提案を行い、粘り強く誠意ある努力を尽くしてきた。

 朝鮮半島で戦争の危険を除去し、恒久的な平和を保障するための最も合理的な方途として停戦協定を平和協定にかえることに関する我々の提案は多くの国の支持と共感を得ている。しかし、停戦協定の当事者、管理者であり、南朝鮮軍の戦時作戦統制権を行使している米国とその追従勢力は、我々の正当な提案にいまだに背を向けている。

 地域の平和と安定に関心がある人なら、朝鮮半島問題解決の最大の障害物である米国の対朝鮮敵視政策を終わらせ、強固な平和体制の樹立にさらなる関心をもつべきであろう。

 我々は、朝鮮半島で、緊張を緩和し、平和と安定を保障するためには、朝鮮の北と南が連邦制方式で統一されなければならないと終始一貫して主張している。

 対話と協議を通じた平和的方法で朝鮮半島の緊張状態を終わらせ、東北アジア地域の平和と安定に寄与しようとする我々の立場は一貫している。

 我々は、朝鮮停戦協定を平和協定にかえ、連邦制統ーを実現するのがアジアの平和と安定に実質的に寄与する道であると確信し、そのための誠意あるすべての努力を尽くしてしてであろう。【朝鮮通信=東京】


inserted by FC2 system