米国に南朝鮮の核兵器公開・撤廃を要求
−2016年7月6日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮政府は6日、全文次のようなスポークスマン声明を発表した。

 核のない世界、核戦争を知らない平和な世界で、自由で幸福に生きようとするのは、人類の共通した志向であり、念願である。

 まして、数十年間、米国の絶え間ない核の威嚇と恐喝を受け、戦争でも、平和でもない不安定な環境で生きてきたわが民族にとって非核化への熱望は誰よりも強烈である。

 金日成主席と金正日総書記は、早くに朝鮮半島の非核化を実現し、わが同胞に平和で富強繁栄する統一祖国をもたらすためにあらゆる労苦と心血を傾けたし、全力の限りを尽くした。

 朝鮮半島の非核化は、主席と総書記の遺訓であり、敬愛する金正恩同志の指導に従って進むわが党と軍隊、人民の揺るぎない意志である。

 我々が万難を排して外部勢力の核の威嚇と核先制攻撃を十分に制圧できる強力な抑止力を備えたのも結局は、朝鮮半島に永久な平和体制を構築し、ひいては、半島全域の非核化を実現するための必須不可欠の戦略的選択であった。

 歴史的な朝鮮労働党第7回大会では、強力な核抑止力に依拠して米国によって強いられている核戦争の危険を根本的に終息させ、地域と世界の平和を守り、敵対勢力が核で我々の自主権を侵害しない限り、先に核兵器を使用しないだけでなく、国際社会に担った核拡散防止の義務を誠実に履行し、世界の非核化を実現するために全力を傾けるという政策的立場を明白にした。

 既に、我々は、その貫徹のための新たな段階のたたかいに入った状態である。

 しかし、米国と南朝鮮当局をはじめとする反共和国敵対勢力は依然として、我々の核が朝鮮半島と世界の平和にたいする「脅威」になるだの「北の非核化」が先行されるまでは何の問題も解決しないだのの詭弁ばかりを執拗に並べて内外の世論を甚だしく乱している。

 朝米間で停戦協定を平和協定にかえることに関する我々の建設的な提案も、「先に北の核放棄」という荒唐無稽な前提条件をかかげて拒否する一方、北南関係の改善と祖国統一のための我々の誠意ある提案と対話の努力にたいしても、「先に北の非核化」の悪声で真っ向から挑戦している。

 特に、朴槿恵一味は、「先に北の非核化」を万能の哀願の方便にしてあちこちを忙しく歩き回り、機会あるたびに我々にたいする制裁と圧力の共助を請おうとあらゆる醜態を演じている。

 これは、朝鮮半島非核化の本末を完全に転倒した愚かな行為であり、名実共に核の戦犯である自分らの臭い正体は覆い隠したまま、我々に核放棄を強要しようとする笑止千万な妄動にほかならない。

 明白にするが、我々が主張する非核化は、朝鮮半島全域の非核化である。

 これには、南の核廃棄と南朝鮮周辺の非核化が含まれている。

 米国とかいらい一味は、朝鮮半島の核問題を生じさせて悪化させてきた主犯であって、いわゆる「北の非核化」を騒ぐ初歩的な資格も、体面もない。

 20世紀50年代の朝鮮戦争時、原爆の恐喝で家族、同じ血筋が北と南に分かれる骨身に染みる苦痛をもたらしたのにも足りず、戦後、南朝鮮に実に1000余の各種戦術核兵器を持ち込み、大小の北侵核戦争演習を絶えずおこなってわが共和国に前代未聞の核の威嚇を加え続けてきた張本人がほかならぬ米国である。

 この地に絶えず強いられる無分別な核戦争の脅威を終息させ、平和的な方法で朝鮮半島の非核化を実現するための我々の主動的な提案と真摯な努力によって、1990年代初めに朝鮮半島の非核化に関する共同宣言が採択されたが、これを露骨に踏みにじって死文化させた張本人もやはり、ほかならぬ米国とかいらい一味である。

 米国は、核兵器の存在について認定も、否定もしないといういわゆる「NCND政策」を標榜し、かいらい一味を押し立てて南朝鮮に犯罪的な核兵器の搬入を続ける一方、我々にたいする核の威嚇と恐喝の度合いを系統的に高めてきたし、これによって朝鮮半島の非核化プロセスは挫折を免れなくなった。

 同族対決に狂った南朝鮮の親米保守勢力は、朝鮮半島で核の覇権を維持しようとする米国の策動に積極的に同調してきたし、特に、朴槿恵一味は、戦時作戦統制権の移管まで無期限延長して米国の3大戦略核攻撃手段をすべて引き入れて、必ず核戦争の火ぶたを切ろうと狂奔している。

 世界最大の核保有国である米国と対決するために我々が水爆まで含む小型化、軽量化、多種化された核弾頭を保有し、最先端戦略攻撃手段を備えるようになったのはあまりにも当然であり必然である。

 いま、米国と朴槿恵一味が、口角泡を飛ばして「北の核の脅威」を騒ぐが、これは事実上、我々が保有した強力な核抑止力によって、我々にもはや核のこん棒を意のままに振りかざせなくなった恥からくる腹いせにすぎない。

 我々は、世界の正義と良心に問う。

 それでは、米国はいつでも決心さえすれば核兵器はもちろん、それ以上のものも使用でき、その他の国はその甚だしい災難と火の洗礼をただ座して受けなければならない、という奇怪な論理がこんにちの国際社会に通用する万能の法則なのか。

 なぜ、核を振りかざして、わが民族、わが同胞に莫大な不幸と犠牲を強いた米国にはたった一度も核の放棄を求めず、その最大の被害者である我々にだけ、核を手放せと迫るのか。

 これこそ、わが共和国の自主的尊厳と生存権にたいする最も乱暴な蹂躙であり、重大な侵害ではないというのか。

 米国とかいらい一味をはじめとする追従勢力が執拗に持ち出す「北の非核化」がいかなる場合も絶対に通じない根本の理由がまさしくここにある。

 自分らの核の優位を保ってわが共和国にたいする侵略野望を必ず実現しようとする米国と、それに全的に追従してきたかいらい一味は、誰それの核放棄を云々する前に、朝鮮半島の平和と非核化のための我々のたたかいを系統的に妨害してきた罪悪の過去をまず深刻に振り返るべきであろう。

 でたらめな「核の脅威」と「挑発」のレッテルを我々に張って一方的な「北の非核化」を騒ぐのではなく、当然、自分の手で作った核のもつれを自分の手でほどく道に進まなければならない。

 その道は「先に北の非核化」ではなく、我々にたいする核の威嚇と恐喝の根源をまず完全に除去することから始まらなければならない。

 数十年の歳月、罪のないわが民族、わが同胞にあらゆる威嚇と恐喝を加えてきた侵略の核が優先的な除去対象であり、ひいては地球上から帝国主義の核の威嚇と専横が完全に清算されるなら、米国とかいらい一味が、それほど恐れる我々の核問題はおのずと解決するようになっている。

 これが問題解決の純理であり、順次である。

 米国と南朝鮮当局が、朝鮮半島の非核化に一抹の関心でもあるなら、次のような我々の原則的な要求をまず受け入れるべきであろう。

 第1に、南朝鮮に持ち込んで、肯定も否定もしない米国の核兵器をまずすべて公開しなければならない。

 第2に、南朝鮮からすべての核兵器とその基地を撤廃し、世界の前で検証を受けなければならない。

 第3に、米国が、朝鮮半島とその周辺に随時展開する核攻撃手段を二度と持ち込まないということを保証しなければならない。

 第4に、いかなる場合も核で、核が動員される戦争行為で我々を威嚇、恐喝したり、わが共和国に反対して核を使用したりしないことを確約しなければならない。

 第5に、南朝鮮で核の使用権を握っている米軍の撤退を宣布しなければならない。

 米国と南朝鮮当局が、真に朝鮮半島の非核化と核兵器のない世界、平和な世界を志向するなら、このような我々の正当な要求を受け入れられない何の理由もないであろう。

 このような安全の保障が実際に遂げられるなら、我々もやはり、それに合致する措置をとることになり、朝鮮半島非核化の実現で画期的な突破口が開かれるようになるであろう。

 我々はこの機会に、朴槿恵をはじめ、南朝鮮当局者にも目前に広がった現実を直視し、主人と調子を合わせて「北の非核化」に活路を求めようとこれ以上浅知恵を弄さないことを忠告する。

 我々の原則的な要求にあくまでも背を向けるなら、時間が流れるほど我々の核は、質的、量的にさらに強化され、その威力は想像できない高度化の域に達するようになるということを銘記しなければならない。

 朝鮮半島の非核化は全的に、米国と南朝鮮当局の態度と行動次第である。【朝鮮通信=東京】


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