朝日政府間会談−合意内容
−2014年5月26〜28日−

 2014年5月26日から28日の間にスウェーデンのストックホルムで行われた朝日政府間会談で合意された内容は次のとおり。

 双方は、朝日平壌宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案を解決し、国交正常化を実現するために真摯な協議をおこなった。

 日本側は、朝鮮側に1945年前後に朝鮮領内で死亡した日本人の遺骨および墓地、残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者および行方不明者を含むすべての日本人に関する調査を要請した。

 朝鮮側は、日本側がこれまで、拉致問題に関連して傾けてきた朝鮮の努力を認めたことを評価し、従来の立場はあるが、すべての日本人に関する調査を包括的で全面的におこなって最終的に日本人に関するすべての問題を解決する意思を表明した。

 日本側は、これに従って最終的に、現在日本が独自にとっている対朝鮮(制裁)措置を解除する(国連安全保障理事会決議と関連してとっている措置は含まれない)意思を表明した。

 双方がとる行動措置は次のとおり。

 双方は、早い日時内に次の具体的な措置を実行に移すことにし、そのために緊密に協議していくことにした。

  −日本側
 第1に、朝鮮側とともに、朝日平壌宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、日朝間の信頼を醸成し、関係改善を志向して誠実に臨むことにした。
 第2に、朝鮮側が包括的な調査のために「特別調査委員会」を設け、調査を開始する時点で人的往来規制措置、送金報告および携帯輸出届け出の金額に関連して朝鮮に対して講じている特別な規制措置、人道目的の朝鮮籍船舶の日本入港禁止措置を解除することにした。
 第3に、日本人遺骨問題については、朝鮮側が遺族の墓参の実現に協力してきたことについて高く評価し、朝鮮領内に放置されている日本人の遺骨および墓地の処理、墓参と関連して朝鮮側と引き続き協議し、必要な措置を講じることにした。
 第4に、朝鮮側が提起した過去の行方不明者について引き続き調査を実施し、朝鮮側と協議しながら適切な措置を講じることにした。
 第5に、在日朝鮮人の地位に関連する問題については、朝日平壌宣言にのっとって誠実に協議していくことにした。
 第6に、包括的で全面的な調査の過程に提起される問題を確認するために、朝鮮側の提起について日本側関係者との面談、関連資料の共有など、適切な措置を講じることにした。
 第7に、人道上の見地から、適切な時期に朝鮮に対する人道支援の実施を検討することにした。

  −朝鮮側
 第1に、1945年前後に朝鮮領内で死亡した日本人の遺骨および墓地と残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者および行方不明者を含むすべての日本人に関する調査を包括的に、全面的に実施することにした。
 第2に、調査は一部の調査だけを優先視せず、すべての分野について同時並行的におこなうことにした。
 第3に、すべての対象の調査を具体的に真摯におこなうために特別な権限(すべての機関を対象に調査できる権限)が付与された「特別調査委員会」を設けることにした。
 第4に、日本人遺骨および墓地、残留日本人および日本人配偶者をはじめ、日本人に関連する調査および確認状況を随時日本側に通報し、その過程に発見される遺骨の処理と生存者の帰国を含む去就の問題は日本側と適切に協議することにした。
 第5に、拉致問題については、拉致被害者および行方不明者に関する調査状況を随時日本側に通報し、調査の過程に日本人生存者が発見される場合、その状況を日本側に知らせ、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、措置を講じることにした。
 第6に、調査の進捗に合わせて日本側の提起に対してそれを確認できるよう日本側関係者の朝鮮滞在、関係者との面談、関係場所の訪問を実現させ、関連資料を日本側と共有し、適切な措置を講じることにした。
 第7に、調査は迅速に行い、その他の調査の過程に提起される問題はさまざまな形式と方法で引き続き協議し、適切な措置を講じることにした。【朝鮮中央通信=朝鮮通信】


朝日政府間会談−拉致調査、制裁解除で合意
−2014年5月29日−

  朝日政府間会談が26日から28日まで、スウェーデンのストックホルムで行われた。

 会談には、わが方から宋日昊外務省大使を団長とする代表団が、日本側からは伊原純一外務省アジア大洋州局局長を団長とする代表団が参加した。

 会談で双方は、朝日平壌宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案を解決し、国交正常化を実現するために真摯な協議をおこなった。

 日本側は、1945年前後に朝鮮領内で死亡した日本人の遺骨問題と残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者および行方不明者を含むすべての日本人に関する調査をわが方に要請した。

 わが方は、日本側がこれまで拉致問題に関連して傾けてきた朝鮮の努力を認めたことを評価し、従来の立場はあるが包括的で全面的な調査をおこなって最終的に日本人に関するすべての問題を解決する意思を表明した。

 日本側は、現在独自にとっている対朝鮮制裁措置を最終的に解除する意思を表明した。

 双方は、早い日時内に緊密に協議していくとともに、次のようにすることにした。

 日本側は、朝鮮側とともに朝日平壌宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、朝日両国の信頼醸成と関係改善のための問題解決に誠実に臨むことにした。

 日本側は、朝鮮側が包括的な調査のために「特別調査委員会」を設け、調査を開始する時点で人的往来規制を解除し、送金報告および携帯輸出届け出の金額に関連して朝鮮に講じている特別な規制措置を解除し、人道目的の朝鮮籍船舶の日本入港禁止措置を解除することにした。

 日本側は、適切な時期に朝鮮に対する人道支援の実施を検討することにした。

 日本側は、朝日平壌宣言にのっとって在日朝鮮人の地位問題を誠実に協議していくことにした。

 日本側は、日本人遺骨問題に関連して朝鮮側が遺族の墓参の実現に協力したことについて評価し、朝鮮領内に放置されている日本人の遺骨と墓地の処理、墓参に関連して朝鮮側と引き続き協議して必要な措置を講じていくことにした。

 日本側は、朝鮮側が提起した過去の朝鮮人行方不明者に対する調査を引き続き実施し、朝鮮側と協議しながら当該の対策を立てることにした。

 わが方は、日本人の遺骨と墓地、残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者と行方不明者を含むすべての日本人に関する包括的な調査を全面的に同時並行しておこなうことにした。

 このために特別な権限が付与された「特別調査委員会」を設け、調査および確認状況を随時日本側に通報し、日本人遺骨の処理とともに生存者が発見される場合、帰国させる方向で去就の問題を協議し、必要な措置を講じることにした。調査は迅速に行い、この過程に提起される問題は、さまざまな形式と方法で日本側と引き続き協議して処理することにした。

 双方は、包括的調査の過程に提起される問題を確認するために、互いに希望する関係者との面談と関係場所の訪問を実現させ、関連資料を共有し、適切な措置を講じることにした。【朝鮮中央通信=朝鮮通信】

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