「制裁」は正反対の結果をまねいている
朝鮮国防委員会代弁人談話 
−2016年4月7日−

 朝鮮中央通信によると、国防委員会は3日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。


 天下を揺るがす白頭山大国の先軍の嵐がこの惑星のあらゆる吹き荒れる狂風を容赦なく吹き飛ばし、悲壮な大激突を起こしている。

 先軍の核の雷鳴と宇宙に達した正義の威力に仰天した米国と敵対勢力の狂気じみた対朝鮮圧殺騒動は、空前絶後の域に達した。

 国連の70余年の歴史のどのページにも見られない野蛮な「制裁」騒動が、我々の生活の空間を完全に窒息させ、侵略と戦争で悪名をはせた「6大戦略資産」が残らず動員された核戦争騒動が、我々の生活の地盤まで丸ごと奪い取り、我々の心臓であり運命である社会主義制度を抹殺するのにすべて集中されている。

 世界の戦争史に最も過酷な制裁の代名詞として人々を戦りつさせたレニングラード封鎖も、冷戦時代のキューバ危機も朝鮮半島に醸成されたこんにちの情勢とは比べようもない。

 米国と敵対勢力は、わが共和国をのみ込もうと群れをなして襲いかかって断末魔の最後のあがきをしている。

 笑止なのは、米国がわが共和国と対決した時からいつしか世紀を越えた、いまになっても執拗に追求してきた対朝鮮敵視がどんなに時代錯誤であり、自滅を早める自殺的な妄動であるのかをいまだにわからないことである。

 不法、無法の「超強度制裁」騒動は、わが軍隊と人民を世紀の不死身に、堅忍不抜にさせ、鬼畜のような軍事的圧殺攻勢は千万軍民が先軍を敵撃滅の万能の宝剣としてさらにかたく握らせており、歯ぎしりする「体制崩壊」策動は、わが共和国を天下一の最強国にすさまじく飛躍させているのが厳然たる現実である。

 歯が抜けた老いたオオカミにすぎない米国に頭を下げ、「制裁」への参加と核戦争演習に追従することで自分の命脈を保とうと時間を費やす哀れな勢力も、明らかになった真実の前で理性的に思考する必要がある。

 強権と専横、支配と覇権で、この惑星でほしいままにしてきた米国の強盗の要求にむやみに追従し、「国連決議」でつくろった対朝鮮敵視策動に同調したことによって貴重な過去の遺産と伝統をことごとくぶち壊した代価は何によっても補償することはできない。

 国防委員会は、自主と隷属、正義と不正義、進歩と反動との間で少しの妥協もなく繰り広げられる熾烈な対決を通じて、米国とその追従勢力の無謀な対朝鮮敵視策動が、この地に果たしてどんな結果を生んでいるのかを全世界に明らかにする。

 1.わが共和国を経済的に完全に窒息させようとする強盗の米帝とその追従勢力の野蛮な「超強度制裁」は、チュチェ朝鮮を天下にまたとない自立、自力、自彊の偉大な強国に変貌させた。

 人類の凶悪な敵が、正義と進歩を抹殺し、隷属と不平等を強いるために「制裁」なるものを考案した時から多くの歳月が流れた。しかし、一つの国、一つの民族を対象にその強度と実行手段、その適用手法と履行期間において、あれほどまで極悪で執拗、卑劣な前例を見ない。

 事実、我々にとって「制裁」という言葉は、空気のようなもので慣れていると言っても過言ではない。

 わが共和国が、日を追って増大する核の威嚇と戦争の恐喝によって、やむを得ず自衛的な措置を講じるたびに、米国は主権国家の合法的権利を行使して自主的な尊厳を守ろうとするそれらの措置を世界平和に対する「脅威」、人類の安全を損ねる「挑発」であるとミスリードし、罪ならぬ罪を捏造してさまざまな「制裁」をでっち上げた。

 既に、1950年の朝鮮侵略戦争時に米国の集票機に転落して消せない罪悪を働いた国連の舞台で、近年だけでも「1695号」「1718号」「1874号」「2087号」「2094号」「2270号」など多くの「制裁決議」なる茶番劇が演出された。

 これに、「制裁施行令」である米国の「大統領令」なるものが2008年以降、実に5回も発動され、南朝鮮かいらいと日本の反動層の「単独追加制裁」採択劇も一度や二度ではなかった。

 いわゆる国際法違反によるものであったのか。違う。自分の利益を危うくする絶望的な事態が生じたからではなおさらない。

 不正義に頭を下げず、嘘に同調せず、強権に盲従しないという、ただその一つの理由によるものであった。

 名分も、根拠も、妥当性も全くない「制裁」の凶悪な魔の手は、我々が食べて、着て、住んで暮らす、それらすべての至る所に深く伸びた。幼い子どものおもちゃや「市民生活の分野」も「制裁」の主要対象になったのだから、それ以上言うまでもない。

 自主で潔く、先軍で堂々たるわが軍隊と人民はものすごく激怒した。百倍、千倍、万倍でこのうえなく発奮した。

 かわいい子どもたちの明るい笑顔を守るために、命よりも貴重な自主権を守るために心を合わせて結集した千万軍民が活火山のように立ち上がった。

 不当極まりない「制裁決議」が採択される分、自立のハンマーをより高くかかげて自立の機械音をさらに大きく響かせたし、自彊でおこる目覚ましい飛躍をこれ見よがしに遂げて見せた。

 去る2月7日、凍てついた大地を割って万里の大空に飛び立った地球観測衛星「光明星4」号打ち上げのオレンジの炎と大きな響きは、非道極まりない「制裁」騒動に立ち向かったわが共和国の明快な答えであった。

 米国とその追従勢力にしっかりと告げることがある。

 この地では、木を切って板に加工することを製材(チェジェ<제재>・「制裁」と同音)という。

 我々は、米国や敵対勢力の「制裁」を板を作って滅亡の墓に入る棺でも組み立てる愚かな行為としかみなさない。

 「制裁」にしがみつけばしがみつくほど、自分らの終局的破滅だけを促すことになるということ、まさに、これが我々に反対する「制裁」加担者に与えられる必然の帰結である。

 2.わが共和国を軍事的に圧殺しようとする強盗の米帝の前代未聞の対朝鮮侵略戦争騒動は、米本土をいつでも核の報復攻撃を受けかねない最悪の危機状況に追い込んだ。

 侵略で誕生し、戦争で肥大してきた米国は、軍事的「力」をどこでも行ける「フリーパス」、思いどおりに何でも解決する「万能薬」とみなしている。対朝鮮敵視の根幹となっている軍事的圧殺策動も変わりない。

 毎年、南朝鮮とその周辺でおこなう各種名目の大小の対朝鮮侵略戦争演習が実に40余回にもなるという一つの事実だけでも、米国がどれほど「力の万能」にとらわれているのかがよくわかるであろう。

 この世界どこを見渡しても米国の軍事的干渉が及ばない場所がない。しかし、この国、この地でだけは、米国の軍事的「とから」が凄絶な不運と悲運の境遇を免れていない。

 大同江と普通江のほとりが、その代表的反証である。

 大同江に葬られたシャーマン号の真っ黒な砲塔が歴史の罪人として減刑なしの無期懲役を科され、プエブロ号が鎖につながれて万人の苦々しい嘲笑を受け、普通江のほとりに係留されている現実を誰もが目撃できるであろう。もし、米国が自分らの傲慢で、非道な軍事的威嚇と恐喝がこの悲劇的な恥をまねいたことを苦しいながらも認め、賢明な活路を模索したなら、その後の朝米関係は変わっていたかもしれないであろう。

 しかし、米国は、追従勢力まで糾合して年々歳々、月日を重ねて対朝鮮圧殺という力の狂乱にしがみついてきた。

 恒常的な軍事的圧殺攻勢は、不可抗力的な軍事的対応措置を誘発するものである。

 現在、わが軍隊が1万数千キロメートル離れた米国を照準圏内におさめ、いつでも、どこでも思いどおりに打ちのめせるようになった事実だけでも他の説明は必要ないであろう。

 「ミイラ取りがミイラになる」という通俗的なことわざのとおりであった。

 一撃必殺の攻撃力を持った我々の軍事的威力は、この惑星の「絶対兵器」と称される水爆まで備えた世界最強の地位に至った。

 米国が現実を見抜く正常な思考機能をもっていたら、違う動きを見せたであろう。

 「力こそ正義」という幻覚にとらわれている米国は、正気を失い、去る3月7日に「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習を強行する道に入った。

 米帝侵略軍2万7000余人と南朝鮮かいらい軍30万余人、追従国家の軍隊を含む膨大な武力、原子カ空母ジョン・C・ステニスを旗艦とする原子力空母打撃群、強襲揚陸艦ボノム・リシャールとボクサーを旗艦とする遠征打撃群、原子力潜水艦ノースカロライナ、海上事前集積船団(MPSS)、核戦略爆撃機B52、ステルス戦闘機F22A、海外の侵略戦争で悪名をはせた米帝侵略軍の陸軍、海軍、海兵隊、空軍のほぼすべての特殊作戦武力と、いわゆる「ピンポイント攻撃」武力がすべて投入された。

 世界のどの地域、どの国でもこのような膨大な侵略武力が、集結、展開されたことも、極めて冒険的な戦争シナリオにもとづいた実動演習がおこなわれたこともない。

 我々の核および戦略ミサイルの使用を「遮断」するために「命令権者」を事前に「排除」するという「斬首作戦」まではばかることなく公開した好戦狂によって、戦争はもはや避けられなくなった。

 分別を失った好戦狂の軽挙妄動を、先軍朝鮮がどのような炎の雷鳴で容赦なく鎮圧したのかをもう一度想起する必要がある。

 実動的な核戦争演習である「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」開始に電撃的な核の兵器化宣言と弾道ミサイルの大気圏再突入環境模擬実験で、浦項上陸と「北の縦深および平壌進撃作戦」演習に朝鮮人民軍戦略軍の連続的な各種の弾道ミサイル発射訓練と奇襲的な上陸および対上陸防御演習で、空中匪賊の無謀な「核心部精密攻撃」訓練に青瓦台とソウル市内の反動統治機関を撃滅、掃討するための朝鮮人民軍前線大連合部隊の長距離砲兵大集中火力攻撃演習で侵略者の脳天を目から火が出るほどたたいた。

 史上最大規模でおこなった今回の演習は、米本土を阿鼻叫喚の生き地獄に、最悪の不安と恐怖のなかに追い込んだ。

 地上と海上、水中と空中で、米本土を攻撃できる我々式の最先端攻撃手段をすべて備えたわが軍隊が、強盗の米帝との最終決戦が「この世界が想像できない奇想天外な報復戦」になるであろうし、「あらゆる悪の巣窟がこの惑星に二度とよみがえれないように灰にするであろう」との雄たけびを上げたのは無関心に見過ごすことではない。

 結局、前代未聞の対朝鮮軍事的圧殺攻勢が、米国に最も残酷で最も凄絶な最後の滅亡の悲劇的末路を与えたのである。

 明白なのは、米国が我々にたいする「力の誇示」にしがみつくほど、米本土を核の惨禍に陥れ、この惑星で壊滅する道を早めるということである。

 南朝鮮かいらいと日本の反動層も、米国に便乗して対朝鮮圧殺に狂奔するほど、無慈悲な報復の洗礼だけを、みずからまねくということを一瞬も忘れてはならない。

 これが、我々にたいする軍事的圧殺に狂奔する侵略者に与えられた避けられない宿命であり、末路である。

 3.わが共和国を分裂、瓦解させるための米国とその追従勢力の「体制転覆」策動は、腐敗し切った資本主義体制を自分の時代を生き尽くした歴史の取り残されたものとして切り捨てられる結果をまねいている。

 最近、米国のあるニュースサイトには、「資本主義は汚らわしい社会」と題して「…2015年の1年間、米国で最も多く検索された単語がまさに社会主義である。米シアトル市議会選挙で、初めて社会主義オルタナティブが勝利したのは、米国社会にたいする反抗意識が大きくなっているというはっきりとした証拠になる…」という文を掲載した。

 世界の資本主義の元凶である米国のど真ん中に社会主義オルタナティブが台頭したこの事実が世界に投げかけた意味はとても大きい。

 社会発展の必然であり、科学である社会主義に押されて資本主義の古い手押し車が歴史の裏道に消えているという明白な証拠が我々の目の前に現実として確証されたのである。

 米国が、我々の社会主義体制を「転覆」させるとして1年や2年でもなく、70余年間も狂奔することこそ、悲喜劇の極みとなる。

 弱肉強食の傲慢と独善、ヤンキー式の専横と強権にまみれた米国は、いまだに相手が誰なのかを全くわかっていない。

 わが人民が、なぜ社会主義を自分の生命であり、生活であると声を詰まらせ叫ぶのか、人民大衆中心の朝鮮式社会主義がこの世界で唯一無二の真のよりどころであるとあれほど涙ぐましく思えるのか、初歩的な理解もできないのが米国である。

 そうでなければ、なぜ3日、3カ月、3年もあれば崩壊させられるというむなしい「3・3・3崩壊論」や持続的な孤立、圧殺を加えれば良いという愚かな「軟着陸論」、そのうち待っていれば必ず社会主義の旗をおろすことになるという妄想的な「戦略的忍耐論」の類いに必死にしがみついたであろうか。

 米国は、我々の社会主義を目の上のこぶ、世界制覇の障害とみなし、何としても「崩壊」させようと実に卑劣で幼稚に行動するのもためらわなかった。

 米帝の首魁であるオバマだけを見ても、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)事件の「北ハッキング」という謀略劇を捏造し、わが共和国を「最も孤立して最も閉ざされ、最も残酷な国家」であると悪意に満ちてそしり、「北崩壊」実行という国家政治テロ行為を働いた。

 肩書きが「唯一超大国」の大統領という者が、とんでもない「人権」騒動の茶番劇を演じ、犬にも劣る人間のクズを駆り出して各種の謀略劇をでっち上げ、反朝鮮ビラまで、散布するよう操っているのである。

 「体制転覆」に目がくらむあまり、我々の最高の尊厳にまで手出しする天人共に怒れる悪行もためらわない米国と南朝鮮かいらいの天罰を受けるべき万古無比の大罪は、わが軍隊と人民の耐えに耐えてきた最後の堪忍袋の緒まで切れるようにした。

 この地が、一つの切っ先鋭い銃剣に、敵憎悪の噴火口になった。

 わが戦略軍の核攻撃手段は、悪の禍根である米本土をこの惑星から葬るための最後の決戦に入った。

 米国が、我々の最高の尊厳と自主権をあえて侵害する限界ラインを越えるなら、必ずいまだ受けたことのない最も恐ろしい懲罰を免れないであろう。

 諸般の事実が立証するように、米国主導下の不純敵対勢力が強行している「超強度の制裁」と軍事的圧力、「体制転覆」に特徴づけられる対朝鮮敵視策動は、正反対の結果をもたらしている。

 険悪に広がる現事態について、一方的な「制裁」よりも安定維持が急務であり、無謀な軍事的圧力よりも協議をおこなうのが根本解決策であり、無駄な「体制転覆」よりも無条件認定と協力が活路であるという世論が大きく醸成されて米国とその追従勢力を切羽詰った窮地に追い込んでいるのは偶然ではない。

 いくら黒雲に覆われでも、空の燦爛たる太陽だけは絶対に隠せないものである。

 この世界のあらゆる敵対勢力が必死になって襲いかかっても、不世出の先軍統帥者を陣頭にいただき、必勝の先軍大道を疾風のように進む白頭山大国の怒涛のような前進を阻めない。

 永遠の勝利は我々に、挽回できない惨敗は米国に、まさに、これが朝米対決の不変の法則である

 人類は、わが白頭山大国が、自主の灯台、正義と真理の象徴としてどう輝くのかを痛快に目にするであろう。【朝鮮通信=東京】


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