朝鮮西海緊張激化の責任免れない
朝鮮国防委員会政策局詳報 
−2016年6月25日−

 朝鮮中央通信によると、国防委員会政策局は25日、詳報を発表し、次のように指摘した。

 国防委員会政策局は、米国の対朝鮮敵視政策と南朝鮮かいらいの反共和国対決政策の縮図であると言える朝鮮西海のホットスポットに生じた現在の実態と関連し、永遠に必ず清算すべき不倶戴天の敏の万古無比の罪悪を明らかにし、断罪する。

 日と月、年と年代、世紀がかわっても一向に緩和しない西海ホットスポットの軍事的緊張は徹頭徹尾、米国の対朝鮮敵視政策の延長であり、その直接の産物である。

 いま、南朝鮮かいらいが、朝鮮西海の海上軍事境界線であるかのように描写している「北方限界線」(NLL)は、その名称と生まれた経緯からも、停戦協定の要求に照らしても、国連海洋法条約の見地からも不法、無法であり、強盗さながらで名分のない幽霊線である。

 1953年7月以降、果たせなかった北侵の野望に、歯ぎしりした李承晩逆徒は「停戦決死反対」「単独北進」を騒ぎ、戦争狂気を振りまいた。

 建国以来大惨敗を喫し、落日の悲惨な運命に瀕した米国にとって李承晩一味による戦争再勃発も、南朝鮮漁民の義挙入北もすべて受け入れがたいことであった。

 苦心を重ねていた米国が、独善的な利害関係から打ち出した方策がまさに、最終遮断線を設定することであった。

 当時、ホワイトハウスの指令のもとに「国連軍」のクラーク司令官が主導して一方的にでっち上げた「最終越北遮断線」「越線禁止限界線」が、NLLとして固着し、別名「クラーク線」と呼ばれたのは周知の事実である。

 北方にそれ以上越えてはならない最終線として米国が引いたNLLを朝鮮西海海上軍事境界線と呼ぶことよりも厚顔無恥な行為はないであろう。

 NLLは双方の合意はおろか、朝鮮軍事停戦協定の初歩的な要求も遵守していない一方的で強盗の限界線にすぎない。

 NLLが、停戦協定当事者であるわが方とは何の討議もなしに密室で、南の家の庭にひそかに線を引いたものにすぎないことは既に明らかにされた。

 1973年12月、軍事停戦委員会第346回会議や1999年8月、9月の板門店朝米将官級会談をはじめ、多くの契機に、朝鮮西海での海上軍事境界線の設定と軍事的衝突防止のためのわが方の努力にあくまで背を向けたのはほかならぬ米国である。

 停戦協定第13項b目には、朝鮮西海の黄海道と京畿道の境界線の延長線の北側と西側にある島のうち、白翎島と大青島、小青島、延坪島、隅島などの5島は「国連軍」側の軍事統治下に置くが、残るすべての島と水域はわが方の軍事統治下に置くという内容が具体的に明記されている。

 国際的に公認された海洋法条約の一般的な要求を乱暴に違反したのがNLLである。

 米国は、単なる「内部作戦規則」であり「内部規定」にすぎず、どこにも通用しないNLLをでっち上げて北と南の対決の根源をつくり上げた主犯であるが、この問題が「南北間で合意すべき事項」であるとして、その重大な責任を回避している。

 特に、朝鮮西海を軍事的緊張度と衝突の危険度が高い危機一髪のホットスポットにするためにあらゆる術策を尽くしている。

 現在の西海ホットスポットでの軍事的緊張激化を漠江の河口にまで拡大しようとするかいらいの悪辣な策動の背後には、例外なく米国がいる。

 米国は、今回も板門店に出てきて叫んだ「国連軍」司令部名義の拡声器「通知文」を通じ、漢江河口での第三国漁船の「退去」作戦があたかも停戦協定の諸般の事項に準じたものであるかのように弁解し、この作戦に直接介入した。

 朝鮮西海にNLLをでっち上げた以降、緊迫したこの水域での砲実弾射撃訓練とわが方領海および領空にたいする絶え間ない侵犯行為などは、米国こそ西海ホットスポットの軍事的緊張と衝突の危険を生む基本の張本人であることを、ことごとく明らかにしている。

 わが民族は、6月15日を統一の里程標をもたらした歴史的な北南共同宣言発表の日として意義深く記念している。

 しかし、西海ホットスポットでは、ほかならぬこの日に人々を驚愕させる軍事的茶番劇が演じられた。

 午前6時から挑発の本拠地である延坪島を含む同水域を騒然とさせる緊急招集が発令され、交戦状況を想定した軍事演習がおこなわれた。

 西海ホットスポットを作戦地帯とみなすかいらい西北島しょ防衛司令部は、同族対決の第一線で分別なく狂奔して即死した者の「追悼」行事なるものをおこなったのに続き、いわゆる「膺懲」を叫んでもう一つの挑発茶番劇に狂奔した。

 ここでは、去る5月に公式に指定されたかいらい海軍および海兵隊迅速機動武力が24時間以内に「北の挑発」を早期に終結させる対応態勢劇も並行しておこなわれた。

 翌16日から18日まで、かいらい海軍と海上警察の大型戦闘艦船数十隻と各種の戦闘機を動員して海上機動訓練なるものをおこなって銃弾・砲弾射撃訓練で火薬臭を放つ一方、対空防御と駐屯地防御訓練、水中浸透対応訓練なる名目のもとに西海ホットスポットを誰それの「墓」にすると叫んで軍事的対決に狂奔した。

 実際に現在、西海ホットスポットの軍事情勢は、もはや収拾が困難なほどに険悪になっている。

 去る5月27日、かいらい軍部のごろつきが働いた横暴非道な軍事的妄動がその現実の証拠である。

 当日午前5時53分から7時20分の間に4回にわたって、わが方領海を6.4キロも侵犯したかいらい軍部のごろつきは、遭難した副業漁船を曳航して帰航していたわが海軍の連絡船に正確に照準を定めて40ミリ機関砲をむやみに乱射した。

 問題は、情勢を極限に追い込むこのような軍事的挑発が、単にこの日だけではなく、1年12カ月執拗に続いていることである。

 2010年代に入っておこなわれた南朝鮮かいらい好戦狂の朝鮮西海侵犯の回数を振り返る必要がある。

 2010年は235回、11年は288回、12年は227回、13年は230回、14年は280回、15年は589回、16年5月末現在で250回。

 朝鮮西海は季節の特性から出港が制限されている現実を考慮すると、この侵犯回数が投げかける意味はとても大きい。

 挑発的な海上侵犯には、例外なくかいらい軍艦で編成された完全武装の海上集団が投入され、かいらい空軍と地上砲武力が支援している。

 我々の神聖な領海にたいする意図的な侵犯と発砲などを通じて、わが軍隊の自衛的な対応を誘発した後、反動御用メディアを動員して我々を「挑発」と「威嚇」の主犯であると罵倒し、西海ホットスポットの情勢を戦争の瀬戸際へと追い込もうとするのが南朝鮮かいらいの凶悪な本心である。

 西海ホットスポットの現情勢を客観的に評価するなら、既に火花を散らしている導爆線がいつ、どの瞬間に戦争の火を付けるのかという時間の問題になっているということである。

 わが軍隊の忍耐と我慢によって辛うじて平和が維持されているというのが、こんにちの厳然たる現実である。

 こんにち、朝鮮半島の平和と安全保障で最も切実な課題は、西海ホットスポットの情勢をまず平定することである。

 事実、北南双方は、西海海上での軍事的衝突を根本的になくすための現実的な原則に合意している。

 しかし、全朝鮮を支配しようとする米国の強盗の野望と同族対決に活路を求めようとする南朝鮮かいらの変わりない悪巧みにより、同水域の情勢は階段式に緊張が激化している。

 いま、最悪の「国政」危機に直面して醜い余命が危うくなった朴槿恵逆賊とその一味は、主人の米国の積極的な扇動を受け、デリケートな西海ホットスポットの情勢を引き続き爆発前夜へと追い込んでいる。

 万一、西南海海上で武力衝突が再び発生するなら、それは、過去3回の交戦の規模を超えた全面戦に拡大し、わが民族の生死はもちろん、東北アジアと、ひいては世界の平和と安全を重大に脅かすことになるであろう。

 言葉では、いつまでも平和をなし遂げられないし、無敵の銃の上に真の平和があることを実生活で痛感させたのが西海ホットスポットである。

 衝突の危険を根本的に解消できる方途は、ほかにあるのではない。

 外部勢力が、自分勝手に引いた不法、無法のNLLを一刻も早く吹き飛ばさなければならない。

 南朝鮮かいらいは、これ以上強盗さながらの幽霊線を「境界線」だの「領海線」だの「平和線」だのと強弁してはならない。

 公正で客観的な海上軍事境界線を設定することはすなわち、外部勢力が残した悲劇的な傷を癒すことになり、紛争と衝突の根源をなくすことになる。

 こんにち、北南関係を悪化させ、朝鮮半島を対決と戦争の局面へと促す基本媒介物である西海ホットスポットの情勢を平定することよりも勝る急務はないと言っても過言ではない。

 西海ホットスポットでの衝突の危険を未然に防止して北南関係を改善し、朝鮮半島の情勢を緩和するためのわが軍隊と人民の意志は揺るぎない。

 米国と南朝鮮かいらいは、西南海上を世界最大のホットスポットに転落させた犯罪の責任を認め、無謀な軍事的挑発を直ちに中止すべきである。【朝鮮通信=東京】


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