米の「制裁」騒動は二重基準の極み
−2016年2月29日−

 朝鮮中央通信社は29日、「二重基準の極み」と題する全文次のような論評を発表した。

 米国がいま、我々の平和的な人工衛星打ち上げを問題視して悪質に振る舞っている。

 我々の衛星打ち上げを国連安全保障理事会の「決議」の違反であるとして、いわゆる国際的圧力と「制裁」を云々している。

 これは、我々の自主権にたいする乱暴な侵害であり、重大な挑戦である。

 我々の平和的性格の衛星打ち上げは、国連安保理の決議よりも上位にある国際法によって公認された主権国家の堂々たる自主的権利であって、誰も阻めない。

 米国が我々の衛星打ち上げにたいして悪辣に中傷し、「制裁」騒動を起こすのは、ホワイトハウスの極端な対朝鮮敵視政策の集中的なあらわれである。

 自分らの衛星打ち上げはすべて合法的であり、我々がおこなう衛星打ち上げはすべて不法であると騒ぐ強盗の論理は、それこそ米国式二重基準の極みである。

 カナダの独立研究機関グローバルリサーチのインターネット・ホームページに掲載されたステファン・レンドマン氏の記事「北朝鮮に対する西側の二重基準」は、「平壌が弾道ミサイル技術を利用できないようにする国連安保理の『決議』は、でたらめな『決議』である。このような決議は、西側世界やどの国にも適用されていない。これは、明白に二重基準の極みである」と評しており、オーストリアのウィーン大学東北アジア社会経済研究所のリュディガー・フランク教授(博士)は、「最近、国連安保理が北朝鮮の衛星打ち上げをめぐって『制裁』を論じているが、衛星打ち上げは主権国家の合法的権利である。そういうふうに北朝鮮の衛星打ち上げを問題視するなら、いつかは包丁が人を殺しかねないという心配から北朝鮮の商店で包丁の販売を禁じる新たな『決議』を採択することになるであろう」と揶揄、嘲笑した。

 スペイン国防省のペドロ・バニョス陸軍大佐は、「人工衛星の打ち上げは能力のあるすべての国が皆おこなっていることであって、北朝鮮にだけ『制裁』を加えるというのは二重基準である。北朝鮮が核兵器を保有したので、弾道ミサイル技術を利用した打ち上げをおこなえないと言うのも二重基準である。現実的に、核兵器を保有したインドやパキスタンも正常に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射をおこなっているが、誰もそれを問題視していない」と指摘しており、米国のジェームズ・マーティン不拡散研究センターの研究員は、「北朝鮮が打ち上げたロケットは、宇宙発射体として設計されたものであって、衛星の打ち上げに間違いないと確信をもって言える。それをICBMとみなすには相当の設計変更がなければならないであろう」と主張した。

 国際社会が評しているように、我々の衛星打ち上げは、明白に平和的な宇宙開発活動であって、絶対に他国への脅威になり得ない。

 米国が我々の衛星打ち上げが誰それに対する「脅威」になると強弁を張ってできないようにしようとするが、もし、そのとおりにすれば、我々は主権国家の合法的権利である衛星打ち上げを永遠にできなくなる。米国が国際社会の要求に反して宇宙を軍事化し、偵察衛星をはじめとする各種の衛星打ち上げをいつ、どこでも日常的におこないながらも、我々だけはおこなえないというのは許しがたい二重基準である。

 米国は当然、主権国家の堂々たる自主権の行使である我々の宇宙開発活動を問題視するのではなく、国際平和と安全に重大な脅威となっている自分らの宇宙軍事化策動をまず中止すべきであろう。

 我々の平和的な衛星打ち上げにたいして、対決観念から過剰反応するのではなく、ありのまま公正に見なければならない。

 国の経済発展と富強繁栄に必須の実用衛星を打ち上げて運営するのは、最先端科学技術時代の合法則的な要求であり、世界の趨勢である。

 人工衛星の製作および打ち上げ国としての我々の地位は、米国が否定するからといって決して変わらないし、朝鮮の宇宙開発事業は、誰かが「制裁」をするからといって放棄するものではない。

 我々は今後も、民族の自尊心と尊厳をかけて宇宙開発分野でさらなる成果をおさめるであろう。

 米国が「制裁」によってわが共和国が崩壊するのを待ちわびているのは、太陽と星がその命を全うする時まで、待つも同然のむなしい夢にすぎない。

 米国が我々に対する病的で体質的な拒否感に執拗にとらわれて、我々の自主的で合法的な権利を剥奪しようとする不純な試みを引き続きさらけ出すなら、我々は不可避的にそれに伴う対応措置を講じざるを得なくなるであろう。【朝鮮通信=東京】


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