米戦略爆撃機、原潜の南朝鮮投入を非難
朝鮮国防委員会代弁人談話 
−2016年6月19日−

 朝鮮中央通信によると、国防委員会は19日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。

 最近、朝鮮半島の情勢は、核戦争勃発の危機局面に深く陥っている。

 全的に強盗の米国のせいである。

 17日、米国は、グアムにある米帝侵略軍第8航空軍所属の戦略爆撃機B52H編隊を遠距離航法飛行および戦略対象物攻撃訓練の美名のもと、南朝鮮の上空に投入して核爆弾投下演習に狂奔させた。

 これに先立ち13日には、相手側に核攻撃を加えられる原子力潜水艦ミシシッピを南朝鮮の釜山港に入港させた。

 アジア太平洋地域に初めてあらわれたこの原子力潜水艦の最初の入港地が南朝鮮になったのは見過ごすべきものではない。

 世論は、米帝侵略軍の核攻撃手段のこのような蠢動に注目している。

 世界に公開されたように、核爆弾を積載した戦略爆撃機飛行隊と原子力潜水艦は、ICBMとともに米国の「核の三本柱(トライアド)」──「三大核攻撃手段」となっている。

 既に、2つの米帝侵略軍原子力空母打撃群が朝鮮半島周辺水域をうろついている時に、基本の核攻撃手段であるB52Hとミシシッピが南朝鮮に投入されたのは、いつでも核攻撃を企んでいるという明白な証拠となる。

 B52Hが発進したグアムと言えば、朝鮮半島を作戦目標としている米国の海外侵略基地である。

 今回の遠距離航法飛行訓練は、朝鮮半島の上空に迅速に展開するための事前の準備であり、戦略的対象物攻撃訓練は、わが共和国の核施設などを不意に攻撃するための実動訓練である。

 さらに、他の水域をうろついていた原子力潜水艦を南朝鮮に機動させたのは、第2の6.25戦争挑発の際に核戦力投入の現実性を検討するところにその目的がある。

 訓練は、すなわち実戦のためのものである。

 核戦争は、決して特別に起こるものではない。

 投入された核攻撃手段が選定した対象物にたいする核攻撃態勢に入れば、それが、すなわち核戦争になるのである。

 生じた事態の重大さは、悪名高い米帝侵略軍の核攻撃手段の尋常でない蠢動が、米国の対朝鮮敵視政策が極めて無謀な段階に至ったのと時を同じくしているところにある。

 我々の核施設と戦略的軍事対象物を不意に核先制攻撃しようとする米国のずる賢い下心を反映した「精密空襲作戦」計画が、公開されたのはつい先日である。

 B2、B52Hの両戦略爆撃機、ステルス戦闘機F22、オハイオ級原子力潜水艦をはじめ、米国の侵略的な「6大戦略資産」をすべて投入することになった今回の核戦争のシナリオの骨子は、我々の国家防衛力と報復対応能力を事前に徹底的に制圧することである。

 寧辺核施設(平安北道)と原子力発電所建設現場、ウラン鉱山および濃縮施設などを精密空襲の目標に選定したのは、我々の自衛的な核能力を「焦土化」しようというものであり、わが戦略軍の弾道ミサイルと航空軍の爆撃機、海軍の潜水艦建造施設などを同時攻撃することにしたのは、我々の戦争遂行能力を完全に麻痺させようというものである。

 この核戦争のシナリオは、米国のある戦略情報諮問会社が作った「報告書」である前に、盛り込んだ内容や追求している企図において、米政府の対朝鮮侵略野望がどれほど冒険的で険悪な域に至っているかを明らかにする生きた証拠である。

 増大する核の威嚇、恐喝は、我々の自主権と最高の利益を侵害し、この地に恐ろしい核の災難を被らせようとする米国の最も暴悪な対朝鮮敵視政策の延長である。

 強盗の米国の悪あがきのこれらすべての軍事的蠢動は、わが共和国のめざましい前進を阻もうとする悪辣な悪巧みのあらわれであることによって、さらに危険千万である。

 朝鮮労働党第7回大会が示した社会主義強国建設の輝かしい設計図に従って、大革新、大飛躍のたくましい翼を青空高く広げた万里馬の国の大進軍は、伝説的なシーンで人々を限りなく驚嘆させている。

 偉大なわが党の偉業に従う道に、必勝があり、万福があり、めざましい未来があるという千万軍民の信念と意志は日を追って百倍になっている。

 長久な人類史のどのページにもない驚異的な大変革がチュチェ朝鮮で起きているのである。

 米国は、まさにこれを恐れている。

 これをそのまま黙認したり許す場合、わが共和国が、この惑星で自主と先軍、社会主義の灯台としてさらにさん然と光を放つようになるであろうし、やがて大アメリカ合衆国をはじめ、罪深い自由世界が必然的に自主化の赤い波に押されて最後の終末を告げることになるということによって、米国が戦慄しているのである。

 核のこん棒を振り回して我々の意志を揺るがし、断固たる決心をくじこうとする凶悪な野望を実現するため核戦争を含め何もためらわないとする強盗の輩が、ほかならぬ米国である。

 「核のない世界」を声の限りに唱える現米政府の醜悪な真の姿がこれにある。

 そして、我々に「先に核放棄」を強いる米国の真意がまさにこれにある。

 現実は、わが軍隊と人民がかかげた並進の旗印こそ、核戦争の惨禍から国の平和と民族の安全を守るためのこの世界で一番最強の旗印であることを示している。

 我々には、平和が貴重である。

 朝鮮半島の緊張緩和も我々の変わりない志向であり、要求である。

 しかし、我々は、その平和を決して物乞いと同情で得ようとはしない。

 我々の平和守護方式は、平和が貴重であるほどそれを害そうとする行為にたいしては、そこがどこであれ、それが誰であれ即時的で無慈悲な我々式の先進の先制攻撃を加えることである。

 わが軍隊は、B52Hが離陸するグアムのアンダーセン空軍基地と原子力潜水艦が発進する海上侵略基地を含む米国の対朝鮮侵略および兵站補給基地まで精密攻撃圏内に入れて久しい。

 米国は、時代錯誤な妄想に浮かされて無分別に狂奔してはならない。

 東方の核強国として高くそびえ立った我々の核報復能力については、米国自身がさらによく知っているであろう。

 現実を無視した軽挙妄動は、みずから災難をまねくだけである。

 わが軍隊と人民は、内外の敵対勢力の「制裁」と圧殺、核の威嚇、恐喝を容赦なく打ち払い、偉大な勝利の地平に向かって力強く突進していくであろう。

 最後の勝利は、偉大なわが党、わが軍隊と人民にある。【朝鮮通信=東京】


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