制裁策動は破局的結果をまねく
−2016年7月13日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省米国研究所研究士のチョン・ナムヒョク氏が13日、「米国の無分別な制裁策動は、破局的結果をまねくであろう」と題する次のような論評を発表した。

 6日、米政府は、史上初めてわが共和国の最高の尊厳を悪辣に中傷、冒涜した「人権報告書」と「特別制裁対象リスト」の発表劇を演じた。

 これは、退く日が目前に迫ったオバマ政府が、再び犯した重大な戦略的誤りである。

 わが共和国の自主権にたいする、このような乱暴な侵害は、対朝鮮敵視政策の最も悪辣なあらわれであり、自分の利益と好みに合うことなら、それが国際不法行為であれ、非道徳的行動であれ、すべて「正義」になるという米国の極端な独善的思考の帰結であって、現在、世界世論の驚愕と深刻な懸念を呼んでいる。

 すべての主権国家は、いかなる場合も他国の国内司法権の対象になり得ないというのは、国際法で公認された一つの原則であり、このような原則は2004年12月2日に採択された「国およびその財産の裁判権からの免除に関する国際連合条約」にも明白に反映されている。

 1953年に第6回国連国際法委員会が作成した「人類の平和と安全にたいする罪の法典」第2条第9項も、ある国が自分の意思を強要して何らかの利益を追求するために政治的・経済的圧力措置を講じ、他国の内政に干渉する行為は人類の平和と安全にたいする犯罪になると明白に規定した。

 国家間の自主権尊重は、国際法上の要求である前に、初歩的な国際慣例であり、国際関係樹立の道徳的基礎であり、これは当該国の尊厳と利益の最高代表者にたいする尊重を通じて集中的に表現される。

 他国の指導部にたいする当局者の暴言と外交的失言が特に多いことで有名であったブッシュ・ジュニア政府さえも、我々の運命のすべてである最高の尊厳を直接狙って米国内法を発動する常識外れの行動はしなかった。

 オバマ政府が我々の最高の尊厳を冒涜したのは、自分らの対朝鮮政策の完全な失敗を自認したことになる。

 現米政府の「戦略的忍耐」とは本質上、無為無策であり、オバマとその参謀には朝鮮問題に取り組む能力も、意思もないという認識が国際的に定着して既に久しい。

 昨年1月、オバマが動画投稿サイト「ユーチューブ」の動画制作者と会って我々の体制を「崩壊させる」と豪語したときも、米国内ではオバマが後の事を考えずに発言して本心をさらけ出した、このような発言は対朝鮮政策の失敗を認めたものであるという主張が少なからず出た。

 米政府は、対朝鮮政策失敗のイメージを少しでも覆い隠そうと我々の最高の尊厳に手出しする卑劣な方法にしがみついたが、むしろ、それによって自分らの戦略的無能と苦しい境遇だけをみずからさらけ出した。

 6日、米国務省の報道官は、今回の制裁措置が逆効果にならないのかとの質問に、「我々もよく考えた末にこのような措置を講じた」と答えたという。

 しかし、米国はこのような無分別な行為がまねく破局的結果まではすべて推し量れていない。

 既に、朝鮮政府は外務省の声明で、我々の最高の尊厳を中傷、冒涜した米国の行為を宣戦布告とみなし、米国との一切の外交的接触とチャンネルの遮断を含む対応措置を講じるという立場を宣明した。

 米国の挑発的制裁は、ほとんどゼロの水準にあった朝米関係をこれ以上抜き差しならぬ迷宮に追い込み、朝鮮半島の情勢を緊張激化の悪循環へとさらに後押しする新しい出発点になった。

 わが共和国を圧殺するための米国の政治的・軍事的挑発が極限に達し、朝米間にもっぱら力による決算だけが残ったこんにちの現実は、我々に国家の最高の尊厳と利益を守るための新たな強硬措置を取らざるを得なくしている。

 朝鮮半島の情勢と朝米関係が極度に悪化したなかでおこなわれる「ウルチ(乙支)フリーダムガーディアン」合同軍事演習を契機に、また別の情勢の爆発が起きないという何の保証もない。

 「天を仰いで唾を吐く」という言葉があるように、米国の誤った選択によってまねかれるすべての災難は、そのまま米国の頭上に降りかかるであろう。【朝鮮通信=東京】


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