退陣控えたオバマ政府の軍事的圧力騒動
−2017年1月13日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮アジア太平洋平和委員会(ア太委)は13日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。

 最近、退陣を目前に控えているオバマ政府が、自重、自粛すべき自身の立場も忘れ、わが共和国を狙った軍事的圧力騒動に愚かにしがみついて内外の嘲笑を買っている。

 連日、我々にたいする好戦的暴言を並べて悪習を重ねてさらけ出すばかりか、米本土から9万3000トン級原子力空母であるカール・ビンソンを朝鮮半島周辺海域に緊急出動させるだの何のと年頭から騒がしく振る舞っているのが、その代表的な実例である。

 多くの艦載機と核爆弾を搭載しているカール・ビンソンは1月中旬、ハワイに到着して駆逐艦と巡洋艦を含む艦船と打撃群を編成した後、朝鮮半島周辺海域に進出して朝鮮を威嚇、恐喝する各種の戦争演習に進入することになるという。

 日本の横須賀港を母港に原子力空母ロナルド・レーガンを含む打撃群を恒常的に配備している米国が再び他の空母戦団を追加投入するのは、非常に異例の動きであり、朝鮮半島と周辺地域に新たな軍事的緊張をもたらそうとする危険極まりない挑発的妄動にほかならない。

 これと時を同じくして、オバマ一味は、我々の正当な国防力強化措置に引き続き言いがかりをつけて「代価を払うであろう」だの何のの悪態を公然とつく一方、手先とさまざまな謀議を凝らして政権がかわっても我々にたいする制裁、圧力を持続させ、早期に南朝鮮へのTHAAD配備を強行する悪巧みを巡らすのにも血眼になって狂奔している。

 ホワイトハウスから荷物をまとめて直ちに退かなければならないオバマ一味が憂さ晴らしでもするかのように我々にたいする政治的・軍事的圧力劇にしつこくしがみつき、最後の気力を全て注ぎ込んでいる理由は他にあるのではない。

 それは、「戦略的忍耐」で知られた対朝鮮敵視政策の失敗の全責任を負い、不名誉な退陣をせざるを得なくなったオバマが手段と方法を尽くして朝米対決での惨敗のありさまを少しでも覆い隠し、朝鮮半島と地域の情勢が平和と緩和の方向に流れないようくさびを打ち込もうとする卑劣な下心に発したものである。

 さらには、このような軍事的威嚇で我々の新たな自衛的核戦力強化措置を抑止することで、自分らの覇権的地位が完全に崩れる破滅的事態を防ごうとする差し迫った下心も潜んでいる。

 しかし、ホワイトハウスの主人を8年も務めたという者にしては、あまりにも低レベルで幼稚な思考と行動に改めて失笑を禁じ得ない。

 こんにち、世界が公認する新進の核強国としてのわが共和国の新たな戦略的地位は、ほかならぬオバマ自身の無分別で偏見的で、時代錯誤な反朝鮮敵視と強硬圧殺政策が生んだ必然の産物である。

 最も露骨な核の威嚇と恐喝で合法的な主権国家の自主権と生存権、発展権をことごとく奪って踏みにじろうとする極悪非道な制裁、圧力に、不屈の自彊力で堂々と立ち向かい、暴政の核を打ちのめせる正義の核のハンマーをしっかり握ったわが共和国によってオバマ政府の対朝鮮圧殺政策とアジア太平洋支配戦略が総破綻に直面したのは、自他共に認める厳然たる現実である。

 最近、米国の政界では、一介のえせ巫女とその操り人形のスカート風に乗せられたオバマが節穴でわが共和国の実態を正しく見れず、米国の没落を早めた致命的な失策を犯したという非難が高まっており、対朝鮮政策の速やかな転換を主張する声も大きく上がっている。

 先日おこなわれた米国大統領選挙でオバマ政府の政策継承を主張した民主党候補が予想外の惨敗を喫したのは、このような情勢の流れと絶対に無関係ではない。

 にもかかわらず、政治の舞台から退場する最後の瞬間まで真実に必死に背を向けて自分らの失敗を成功にすりかえようとするオバマ一味こそ、自分が殴られても殴ったと喜ぶ阿Qのような精神病者でなくて果たして何なのか。オバマに初歩的な事理と分別でもあるなら、一体誰が誰を脅かし、誰が誰に降伏すべきかということぐらいは見分けるべきであろう。

 水爆を含む最強の核兵器と最先端戦略攻撃手段を保有したわが共和国は、原子力空母戦団が十、百と押し寄せるとしてもびくともしないし、それが誰であれ、わずかな挑発の徴候でも見せるなら断固たる先制攻撃で侵略の牙城を火の海にする万端の準備ができている。

 世界のどの国も経ていない未曽有の試練と難関のなかで最強の核保有国としてそびえ立った先軍朝鮮は、制裁であれ、圧力であれ、戦争であれ何も恐れるものがないし、時間と正義はもっぱら我々の側にある。

 無謀で無分別な制裁と圧力はむしろ、我々に勝利の頂上にさらに高く立つ機会を提供するであろうし、侵略者、挑発者には、さらなる恥と汚名が与えられることになるだけであるというのがオバマ政府が世界に残す苦い教訓である。

 米国が過去の失敗から教訓を得られずに節穴のように轍を踏むなら、その未来が果たしてどうなのるかは自分がよりよく知っているであろう。

 我々は、オバマが自身の無力さを隠すために追従者の前で口癖のように騒いできた「好戦国家」でも「ならず者国家」でも「人権蹂躙国家」でもなく、地球上で最も理想的で平和志向的であり、義に徹した核強国である。

 米国は、過去と根本的に変わっただけでなく、限りない発展の潜在力を持ったわが共和国の地位と力、志向と理想を直視すべきであり、自身のためにも賢明な選択をする方が良かろう。

 米国とその追従勢力の核の威嚇と脅迫が続く限り、そして、我々の門前でおこなう年次的の看板を掲げた戦争演習騒動をやめない限り、我々は既に宣明したとおり、核戦力を中枢とする自衛的国防力と先制攻撃能力を引き続き強化していくであろう。

 それが誰であれ、大勢に逆行する愚かな妄動にしがみつくなら、与えられるのはもっぱら悲惨な敗北と破滅だけである。【朝鮮通信=東京】


 <参考>1)ふし‐あな【節穴】板などの節のあな。眼力のないことをののしっていう語。「お前の眼は―か」(広辞苑第六版より引用)
 2)あキューせいでん【阿Q正伝】魯迅の小説。1921〜22年発表。日雇い農民阿Qは辛亥革命に憧れるが、強盗犯として革命軍に銃殺される。中国人の国民性を批判し、民衆が変わらぬ限り革命はあり得ないことを描いた。(広辞苑第六版より引用)


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