南当局は軍事当局会談提案に応じるべきだ
朝鮮国防委員会公開書簡 
−2016年5月20日−

 朝鮮中央通信によると、国防委員会は20日、全文次のような公開書簡を発表した。


 太陽の民族史の特大出来事、世界の人類政治史に類例のない大政治祭典として盛大におこなわれた朝鮮労働党第7回大会で我々の不世出の偉人が分裂と対決による同胞の悲劇的苦痛を取り除き、自主的平和統一をなし遂げるために示した、愛国、愛族、愛民の熱い思想と路線はいま、全世界を丸ごと震撼させている。

 朝鮮半島に垂れ込めた核戦争の暗雲を跡形もなく吹き飛ばし、世界に響き渡った民族自主と民族大団結、平和保障と連邦制実現方案は、北と南、海外の全同胞を懐に抱いた祖国統一の救い星、民族の大聖人だけがくだせる非凡な大決断、大勇断である。

 さらに、北南軍事当局会談の提案は、国の平和と民族の安全のための最上、最大の現実的方策である。

 それが誰であれ、朝鮮人ならこれに呼応できない何の理由もないであろう。

 しかし、南朝鮮当局は、我々の寛容で真心のこもった呼びかけを深く吟味もしないで、むやみに拒否する不穏当な行為で全同胞を失望させている。

 南朝鮮当局は、我々の北南軍事当局会談の提案にたいして「真実味のない宣伝攻勢」「平和偽装戦術」と罵倒してむやみに全面否定、全面拒否する一方、しまいには「先に非核化後に対話」という話にならない論理を持ち出して「厳正な対応」を騒ぎ立てるに至った。

 わが民族、皆の運命と直結している死活の問題である朝鮮半島の平和と安全保障に必要なすべての問題を対話と協議で解決しようとする提案以上に真実味のある態度と立場はない。

 特に、現在のように北南軍事当局間の意思通路が完全に遮断されており、互いに銃口を向けた状態で戦争の局面が続くなら、予想外の武力衝突と、それによる全面戦争の勃発を防ぐことができないのがこんにちの厳しい現実である。

 いかなる一方的な党利党略と主義主張も、民族の運命のうえに置くことはできない。

 敵対と偏見の前に、わが民族の生のよりどころである朝鮮半島の平和を優先させる時である。

 不世出の偉人の崇高な愛国愛族の意と不滅の祖国統一大綱に従って国防委員会は、北南関係に生じた現破局状態を対話と協議で克服していくために南朝鮮当局に次のように厳かに求める。

 1.南朝鮮当局は、北南間に不信と対決を助長し、関係改善を妨害する基本障害物である一切の敵対行為を中止し、軍事的信頼を保つための活路をともに開いていこうという我々の提案に直ちに応じるべきであろう。

 こんにち、前線一帯で繰り広げられている心理戦放送とビラ散布をはじめ、相手を刺激し、誹謗中傷するさまざまなすべての敵対行為は、双方軍当局の責任と決して無関係ではない。

 外部勢力によって強要された軍事境界線と朝鮮西海のホットスポットを挟んで互いに銃口を向けた険悪な事態が続けば続くほど、武力衝突と戦争勃発を避けられなくなっている。

 不信ではなく信頼を醸成し、対決ではなく対話を志向することこそ、一触即発の戦争状況から平和と繁栄の大道をもたらすことができる最善の方策であり、これ以上先延ばしにできない急務である。

 南朝鮮当局は、北南関係の前途はもっぱら対話と協議で開いていくことができるということを銘記しなければならない。

 2.南朝鮮当局は、朝鮮半島での軍事的緊張状態を緩和し、北南関係を改善するために提起されるすべての問題を解決するための双方軍部対話を速やかに開催しようという我々の提案に積極的に呼応すべきであろう。

 北にいようと南にいようと、軍隊は、わが国、わが民族の平和と安全の守護を使命としている。

 この地に徘徊している戦争の危険を取り除き、緊張状態を解消するのは徹頭徹尾、軍当局の責務である。

 銃口を突きつけては平和を遂げることができず、誹謗中傷と敵対感では安全を保障できないものである。

 このことから我々は、提起されたすべての関心事を軍部対話のテーブルに乗せて虚心坦懐に論議、解決しようというのである。

 南朝鮮当局が、現在の北南関係を改善する用意があるなら、これを拒むいかなる理由や口実も持ち出せないということをはっきりと認識しなければならない。

 3.南朝鮮当局は、国の平和と民族の安全保障に合致する果敢な実践的措置に積極的に合流することで全同胞の大きな期待に応じるべきであろう。

 いまは、十、百の言葉よりも一つの実践行動がより切実な時である。

 いくら平和が大切であると言っても言葉では絶対に保障できないし、しまいには戦争の渦に巻き込まれて残酷な災難だけを被ることになるであろう。

 恥ずべき過去と断固決別し、新たな出発をしなければならない。

 北と南がともに手を取り、朝鮮半島で軍事的緊張と衝突の危険を解消し、関係改善と祖国統一運動の新たなページを開く大きな歩みを踏み出さなければならない。

 聡明な単一民族である我々が志と力を合わせればこの世界に恐れるものもなく、やり遂げられないこともない。

 南朝鮮当局は、我々の熱い真心と寛容な雅量を誤って判断してはならず、民族の構成員らしく賢明に行動しなければならないであろう。

 全同胞は、朝鮮半島で対決と衝突の危険を解消し、わが民族の最大の悲願である祖国統一聖業を遂げるための我々の果敢な実践的措置を近く見ることになるであろう。【朝鮮通信=東京】


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