朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省のスポークスマンは21日、米政府が南朝鮮の哨戒艦チョンアン沈没事件に関する報道官声明を発表したことで、これを非難する談話を発表した。その全文は次のとおり。


　米国が南朝鮮の艦船沈没事件に関連し、「北朝鮮の攻撃行為」「国際平和と安保に対する挑戦」だの何のと我々に言いがかりをつけた。

　南朝鮮の李明博逆賊一味をかばって、我々対する国際的な圧迫の雰囲気を高揚させようとの腹づもりである。

　これは、米国が我が共和国を孤立させ、圧殺しようとする敵視政策を相変わらず追求していることを示している。

　既に明らかにしたように、我々はかいらい艦船の沈没事件とは何の関係もない。国際法を常に遵守してきた我々にとって米国の主張は盗人猛々しいものである。

　今回の事件の捏造とその「調査結果」なるものは、徹頭徹尾、米国の承認と庇護、助長による自作劇である。米国は表面上「科学的で客観的な調査」を騒ぎながらも、結果が出る前から「北朝鮮以外には、ほかの容疑者がほとんどいない」「沈没の原因は十中八九、北朝鮮の魚雷攻撃である」などと、当初から我々に「容疑者」の烙印を押し、それに合わせて事件調査を誘導した。

　米国は、我々が制裁に屈服するであろうと誤った判断をしたことから、「戦略的忍耐」という看板のもとで対話と交渉を回避する道を選んだ。朝米はもともと、2009年12月の平壌双務会談に続いて、ニューヨークでもう一度会談を行うための交渉の最中であった。これは、６者会談議長国である中国が提唱した３段階提案に沿って究極的に６者の枠組みを復活させるための努力の一環であった。

　しかし、対外政策で弱腰であるとの評判を受け、ことし１月の上院補欠選挙で共和党に敗れた民主党のオバマ政府は再び強硬へとかじを切って、かいらい艦船の沈没事件一つを理由に朝鮮半島の非核化プロセスまで全面的に遮断させた。制裁を国際化して我々を政治・経済的に窒息させ、南朝鮮を自分らの対アジア戦略実現の手下にしようというのが、現在の米政府の打算である。

　しかし、世の中をだますことがそれほど容易でないことを米国は知るべきである。世界の人々は、2003年２月にパウエル米国務長官が国連安全保障理事会の壇上で、イラクに大量破壊兵器があるとする「極秘情報資料」を70分もの間ぶち上げた時の、その得意満面で、「説得力のあった」姿を生々しく記憶している。その世紀のうそで、米国はイラクに対する武力侵攻を合理化したし、今もその恥ずべき結果から脱せずにいる。朝鮮半島でまた米国がうそをついて、その「飼い犬」たちが盲従して情勢を悪化させるなら、彼らが払うべき代価はイラク戦争の場合とは比べものにならないであろう。

　米国とその追従勢力はいくら待っていても、自分らが夢見たものとは反対に、強盛復興する社会主義朝鮮の現実だけを見るであろう。

　朝鮮半島の非核化を実現し、地域の安定と平和を守るのは我々の一貫した政策であるが、我々の自主権と生存権を侵害しようとする行為は少しも許さない。