米国は敵視政策破棄の勇断を
朝鮮政府・政党・団体連席会議の参加者が公開書簡 
−2016年6月10日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮政府・政党・団体連席会議の参加者一同は10日、米国に送る全文次のような公開書簡を発表した。


 平和な世界で民族万代の繁栄を遂げ、統一した富強祖国を建設しようとするのは、わが人民の確固不動の志向であり、要求である。

 わが千万軍民は、このために堅忍不抜の意志で年代と世紀を継いで歴史の風波をかき分け、たゆみなくたたかってきた。

 先日開かれた歴史的な朝鮮労働党第7回大会で、我々の最高指導者は、民族自身の力で朝鮮半島に生じた重大な情勢の局面を打開し、平和的統一を遂げることに関する最も正当で現実的な路線と方針を示したし、全民族がその実現のためのたたかいにこぞって立ち上がった。

 新たに示された祖国統一の路線と方針は、朝鮮半島問題の解決と世界の平和保障で大きな意義をもつ歴史的宣言である。

 これには、民族自主の旗印、民族大団結の旗印を高くかかげて、朝鮮半島の平和と安全を保障し、連邦制を実現する方法で長々70余年に達する民族分裂の歴史に終止符を打ち、富強繁栄する統一祖国を必ず打ち立てようとする沸き返る民族の熱望と意志はもちろん、朝鮮半島と極東地域の平和と安全を願う世界の人民の志向と要求も幅広く込められている。

 思考と判断が正しいなら、誰もが国の統一問題をその主人である朝鮮民族の意思と要求に即して、みずからの団結した力で解決すべきであるという我々の立場に共感し、その正当性を認めざるを得ないであろう。

 しかし、もっぱら米国だけは、我々の当然の要求を正しく受け入れるかわりに、不穏当な主張と好戦的な行動で平和と統一に向かう歴史の流れを必死に阻んでおり、そこに追従勢力まで引き入れている。

 生じている事態と関連して9日に招集された朝鮮政府・政党・団体連席会議は、次のような我々の原則的立場が明らかにされた公開書簡を米国に送ることにした。

 1.米国は、これ以上そのまま強行されてはならない対朝鮮敵視政策を破棄する勇断をくださなければならない。

 わが共和国が創建された時からこんにちまで続いている米国の対朝鮮敵視政策は、自分の思想と制度を固守し、自主権と生存権を守るためのわが人民の志向と念願、正義の偉業にたいする暴悪非道な挑戦である。

 不正義に妥協を知らず、もっぱら正義と真理に生きるわが軍隊と人民である。

 善良で純潔なわが人民は、一度も米国を侵害していないし、米国の利益を苦したことはなおさらない。いまだに、米国の地に向けてどっさり積み上げた銃弾一発放ったこともないわが人民である。

 この厳然たる事実に米国は、我々を敵視する何の正当な理由や口実も設けるのは難しいであろう。

 あるとすればもっぱら、我々の思想と制度、我々の政見と主張が米国と異なるというその一つだけであろう。

 しかし、これが多極化したこんにちの世界で、自主にたいする人類の志向が止められない流れになっているこんにちの現実で、我々と敵対する何の根拠になり得ようか。

 思想と制度の選択は、誰も強要できないその国、その人民、その民族の最も基本的な権利である。

 この地球上で肌の色も、言語も、理念も互いに異なる多くの国と民族が、自分式の思想と感情をもち、自分式に生きているが、彼ら皆が米国を真似て米国の言うとおりに従わなければならないという法はどこにもない。

 一国の覇権のための不当千万で傲慢無礼な試みが、どの時代を問わず悲惨な終りを告げたのは決して偶然ではない。

 我々にたいする米国の敵視がこのように根拠も、妥当性もない不当極まりないものなら、わが軍隊と人民の反米感情と復讐心は、米国の朝鮮侵略の歴史がもたらしたあまりにも当然の帰結である。

 数千年の間一つで生きてきたわが民族、わが国土を二つに分け、血なまぐさい侵略戦争の挑発でわが人民に計り知れない惨禍と損失を浴びせた張本人も米国であり、それにも足りずに、こんにちも国の半分の地を占領し、永久分裂を画策している強盗の輩もほかならぬ米国である。

 したがって、わが軍隊と人民は、米国をわが民族に代を継いで晴らせない恨みを残した百年来の敵として、同じ空の下で募らせない不倶戴天の敵として、一人残らず徹底的に掃滅すべき侵略の群れとして呪い、糾弾している。

 世紀と年代を越えて働いた万古無比の罪悪でも足りず、こんにちまでも我々の自主的発展と統一の前途をあくまでも阻もうとする忌まわしい侵略者の群れにたいする骨髄に徹した恨みと報復の熱気はもはや抑えられない域に至っており、それはいつ爆発するかもしれない憎悪の爆弾、怒りの核爆弾にフル装塡されている。

 堤を壊して奔流となった大河の激流は、何によっても止められないであろう。たとえ、遅きに失した感はあるが、米国は自分のためにも理性ある判断をすべきであり、そもそも誤りであり、その致命的な結果を計算できない反朝鮮敵視政策の根本から大胆に除き去る政治的勇断をくださなければならない。

 長い間、自分らの思考と実践を束縛してきた時代錯誤の対朝鮮敵視政策の古い枠を脱して新しい思考、新しい実践を志向していくことだけが、こんにち、米国ができる十分に歓迎される最も賢明な行為になるであろう。

 2.情勢緊張の禍根である南朝鮮にたいする武力増強策動と北侵戦争演習を直ちに中止し、朝鮮半島の真の平和と安全を保障するための新たな道に入らなければならない。

 朝鮮半島は、世界が公認する最大のホットスポットであり、最も危険極まりない核戦争の発源地である。

 これは全的に、南朝鮮を極東最大の火薬庫にし、侵略武力を絶えず増強して各種の北侵核戦争演習を狂乱的に繰り広げている米国の好戦的妄動に起因する。

 我々は、米国に問いたい。

 朝鮮戦争以後、数十年間、米国が南朝鮮に、丸々数回の戦争をおこなっても余る莫大な武力を投入し、各種の軍事演習に天文学的な額のドルを湯水のように注ぎ込んだが、果たして得たものは何なのか。

 この地にたいする支配の野望を遂げたのか、あるいは名誉を得たのか。

 我々の神聖な国土にたいする侵略と挑発を少しも許さないわが軍隊と人民の恐ろしい怒りと切っ先鋭い自衛の銃剣の前に、米国の執拗な戦争ばくちが失敗と挫折を免れなかったのは誰もが認める事実である。

 むしろ、米国と数十年間、銃口を向け合って戦うなかで我々の軍事力が民族史上かつてない最上の域に至ったし、これは朝鮮半島の戦略的地位と流れを根本的に変えている。

 我々が米国のような最大の核強国に立ち向かって、みずからの思想と制度、生存を守るための運命の決戦をおこなわなかったなら、果たして、こんにちのように核戦力を中枢とする最強の自衛的軍力を備えられたであろうか。

 世紀をまたぐ歴史の対決で政治・軍事的に、精神・道徳的に勝利し、強者の月桂冠を獲得したのは米国ではなく、わが共和国である。

 わが共和国にたいする孤立と封鎖、軍事的圧力と戦争挑発に総力を傾け、いわゆる「崩壊」を一刻千秋の思いで待っていた米国は、こんにちになって自分らがどれほど無知で愚かであったのかを改めて思い知っているであろう。

 米国みずからが推し進めたわが共和国の奇想天外な変化に「最大の脅威」だの、「頭痛の種」だの、「適した対応方案がない」だのと自分ら同士で甲論乙駁し、頭を抱えている姿こそ、世紀の笑いの種と言わずして何と言おうか。

 核を持った相手との解法は、米国みずからが示さなければならない。

 我々には屑鉄のように思える戦争の凶器を南朝鮮に持ち込んで、「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」だの「ウルチ(乙支)フリーダムガーディアン」だのと1年を通して軍事演習の火薬臭を放ちたければ引き続き放ってみよというのが、わが軍隊と人民の力強い度胸である。

 それは、米国の行為が核戦争の火の海にみずから飛び込んで刃物をくわえて飛び回るような最も愚かな自滅的妄動にしか見えないからである。

 我々は既に、米国に現在の状況を脱せられる善意の方向を教えた。

 歴史的な朝鮮労働党第7回大会では、わが共和国が責任ある核保有国として侵略的な敵対勢力が核で我々の自主権を侵害しない限り、先に核兵器を使用しないであろうし、世界の非核化を実現するために積極的に努力するであろうという画期的な立場も厳かに宣明した。

 米国は、これ以上我々のいわゆる「脅威」に言いがかりをつける何の口実もないし、無分別な北侵戦争演習と武力増強策動にしがみつくことが墓穴を掘る道になることを認識しなければならない。

 誤った場所で、誤った時間に、誤った相手と誤った戦争をおこなったという敗戦の将の苦々しい告白に込められた歴史の教訓を振り返り、機会を失う前に我々の正当で平和的な発案と提案を虚心に受け入れるべきであろう。

 3.米国は、わが民族内部の問題に口を挟んで対決を助長し、自主的統一を阻む愚かな行為をこれ以上してはならない。

 わが国の統一問題で基本の障害は、民族内部に割り込んで北南間の敵対と対決をあおり、緊張を激化させている米国である。

 振り返れば分裂を克服して国の統一偉業を自主的に遂げる絶え間ないたたかいのなかで、北南宣言をはじめ、民族共同の貴重な合意が誕生し、和解、団結の新たなページがもたらされもした。しかし、そのたびに米国は直接いちいち干渉し、手間をかけて育てた親米の手先を押し立てて陰に陽に執拗に妨害した。

 自国の利益を物差しにして朝鮮の統一問題を計り、自分らの覇権戦略実現のためにわが民族の運命をいけにえにする米国の破廉恥な侵略と干渉策動こそ、長期化している民族分裂の根源である。

 朝鮮民族の運命の問題、統一問題解決の基準と物差しは、あくまでもわが民族自身の念願と志向、要求であり、そこに米国は、何の関係も、口を挟む権利もない。

 自分の国、自分の民族を守る力がなくてあちこち訪ね回り、保護と独立を哀願して解放が分裂につながる嘆かわしい悲劇さえ防げなかった過去には、米国が「解放者」「保護者」として君臨し、南朝鮮を占領して強権と侵略のこん棒を好き勝手に振り回すことができた。

 しかし、こんにちの朝鮮民族は、みずからの尊厳と利益をむやみに籠絡するいかなる侵略者も、絶対に許さない強大な民族へと運命の劇的転換を遂げたし、もはや、その正義の力にかなう者はこの世界にいない。

 朝鮮労働党第7回大会の高い演壇で示された自主統一大綱には、新たな高みに上がったわが民族の戦略的地位と強力な主体的力にもとづいて祖国統一の最後の勝利を早めようとする断固たる決心と意志がそのまま反映されている。

 こんにち、我々が言う統一問題の解決で民族自主の新しい真の意味はまさにそこにある。

 わが民族の自主統一に決定的な障害物になっている米国と、言葉ではなくもっぱら行動で計算するすべての準備ができているわが軍隊と人民である。

 世界の面前で断固たる懲罰を受けて恥ずかしく追い出されるのか、あるいは朝鮮問題から手を引いて「アメリカ紳士」らしくみずから退くのか。

 米国は、わが民族の厳かな問いに明白な答えを出さなければならない。

 自主と平和、和解と団結、統一と繁栄に向かって進む民族史の力強い流れをこれ以上阻んではならないし、一握りにもならない親米の手先を駆り出してわが民族を離間させ、対決を助長する愚かな行為をやめなければならない。

 もし、米国が我々の決心と意志を誤判し、自主統一の前途を依然として阻むなら、我々は世紀をまたぐ反米対決の最後の聖戦で民族の敵を一掃するであろう。

 いまこそ、誰それの「崩壊」を云々する時ではなく、日を追って衰退、没落する米国自体の運命と未来を心配すべき重要な時刻であることを忘れてはならない。

 米国に送る我々の警告が、決して空言ではないことを歴史と時間がはっきりと証明することになるであろう。

 我々はこの機会に、米国の良心的で自覚のある各階層の人士と広範な人民が朝鮮の公明正大で、平和愛好的で誠意ある呼びかけに積極的に呼応するものとの期待を表明する。【朝鮮通信=東京】


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