国連は朝鮮統一問題解決に肯定的な寄与を
朝鮮政府・政党・団体連席会議で採択された書簡を国連事務局に伝達 
−2016年6月13日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は、9日におこなわれた朝鮮政府・政党・団体連席会議で採択された書簡を13日、国連事務局に伝達した。書簡の全文は、次のとおり。


 朝鮮の政府、政党、団体は、わが党と人民の最高指導者である敬愛する金正恩同志が朝鮮労働党第7回大会で示した主体的祖国統一の路線と方針を貫徹するための連席会議をおこない、権威ある国際平和保障機関として知られた国連が公正な立場で国の自主的平和統一を実現するためのわが人民のたたかいに積極的な支援を寄せることを期待し、貴事務局にこの書簡を送る。

 5千年の悠久な歴史と燦爛たる文化を誇るわが民族が外部勢力によって二つに分かれるつらい悲劇に見舞われた時から70余年という長久な歳月が流れた。

 世紀と年代がかわり、世界は見違えるほど変わったが、分裂民族の姿は変わらなかったし、北と南との間の対決は極限に至った。

 地球上に唯一残っている分裂民族の不幸と苦痛を一日も早く終わらせ、この地に統一と平和、富強繁栄の新時代を開いていこうとするのは、わが同胞の切々たる願いであり、一様な志向である。

 朝鮮労働党委員長である我々の敬愛する金正恩同志は、深まる民族の痛みと日を追って緊迫する朝鮮半島の情勢を洞察し、民族自身の力で国の統一問題を解決するための方向と方途を全面的に明らかにした。

 民族自主、民族大団結の族印を高くかかげて朝鮮半島で平和と安全を保障し、全民族的合意にもとづいた連邦制方式で統一を実現することに関する我々の祖国統一路線は、長い歴史的闘争を通じて、その正当性と真理性が実証され、北と南の複雑多端な現実を深く反映した最も公明正大で合理的な民族共同の統一方略である。

 特に、内外の懸念をかき立てている北南関係の現在の破局状態を改善するための寛大で画期的な提案は、民族の内部で激化している対立と葛藤を克服し、朝鮮半島の超緊張状態を緩和の方向に戻せる新しい活路を明示している。

 盛り込まれた思想の奥深さと真理性、実践的方案の合理性と賢明さ、満ちあふれる愛国愛族の熱い真心によって全同胞の絶対的な支持、歓迎を受けている祖国統一の路線と方針に従って北南関係と統一問題解決の新たな活路を果敢に開いていこうとするわが党と朝鮮政府の意志は確固不動であり、既にその実践闘争の幕は上がった。

 問題となるのは、朝鮮の分裂と統一問題に深く関わりがあり、重要な役割を果たすべき国連が果たしてどんな態度と立場をとるのかということである。

 事実、国連は、朝鮮の統一問題に決して背を向けられない歴史的、法律的、道義的な責任を負っている。

 朝鮮問題に不当に介入して北と南の分裂を固着させ、20世紀の50年代に米国が起こした侵略戦争にその名を盗用した多国籍武力を投入して罪のないわが人民を災難と犠牲へと追い込んだそれらすべての犯罪行為は、千年、万年の歳月が流れてもこの地から絶対に消えないであろう。

 人類の平和と安全を守り、世界の自主化と正義を志向すべき国連がその使命と任務を忘却していないなら、たとえ遅きに失した感はあるが、いまからでも国の統一を自主的に、平和的に実現しようとするわが人民のたたかいを心から支援することで自身が与えた被害を賠償してしかるべきであろう。

 しかし、現在も国連は米国の背後操縦のもとに、合法的な主権国家であり、堂々たる国連加盟国であるわが共和国を不当に接し、朝鮮半島の統一ではなく、分裂の固着に同調している。

 朝鮮半島統一問題で基本障害は、わが民族内部に介入して北南対決を激化させ、アジア太平洋地域にたいする侵略と支配の名分を得ようとする米国の不純な企図と無分別な策動である。

 事実、米国という招かれざる客さえいなかったなら、わが民族の統一問題は朝鮮人同士で既に、以前にスムーズに解決されたであろう。

 しかし、国連は、この厳然たる真実に背を向けて、わが共和国にたいする敵視政策に執拗にしがみつく一方、自分らの隷属下にある南朝鮮を同族対決へと絶えずあおり立て、朝鮮半島の統一を妨害して情勢を絶え間なく緊張させている米国を一方的に庇護している。

 最近、国連でわが共和国を狙ってでっち上げられたあらゆる「制裁決議」は、その集中的なあらわれである。

 わが共和国の自主権と尊厳、利益を守るための自衛的で合法的な措置と活動にいわゆる「脅威」や「挑発」であると言いがかりをつけ、すべての手段を総動員して我々を孤立、窒息させ、崩壊させようとする米国とその追従勢力に国連憲章に規定された法規まで破って政治的舞台を提供し、合法性を付与しているのがほかならぬ国連である。

 国連憲章のどこにも、加盟国の自衛権行使を阻み、核実験をおこなったからといって制裁を科すべきであると規定した条項はないということを我々は知っている。

 恐らくこれにより、これまで数百回にわたって核実験をおこなって多くの核兵器を保有した国々がたった一度の制裁も受けていないとみなされる。

 ならば、なぜわが共和国だけがとんでもない「挑発」と「脅威」のレッテルを張られて強盗さながらの制裁と圧力を受けなければならないのか納得できない。

 わが共和国の自主権と尊厳、生存権を乱暴に侵害して数十年間もこの地に核戦争の脅威を加える米国こそ、朝鮮半島平和の破壊者であり、戦争挑発者である。

 我々の核は、誰それを侵略して脅かそうというものではなく、民族の運命を代を継いでもてあそんできた米国の野望と強盗の専横を阻止し、自分の国、自分の地の永遠の平和と安定を守り、自主的統一を早めるための自衛的手段である。

 米国を首魁とする帝国主義列強の執拗な侵略の脅威がなかったなら、我々があれほど高い代価を払って核保有の道を選択しなかったであろうし、その必要もなかったであろう。

 国連は、何が真の脅威、挑発であり、誰が誰を弾劾して裁判すべきであるかを米国の専横と独断に乗せられずにしっかりと自分の頭で冷徹に判断しなければならない。

 最近、国連傘下の機関がありもしないわが共和国の「人権問題」に執拗に言いがかりをつけて「決議案採択」だの何のとするのも同様である。

 一つの国、一つの体制を転覆して崩壊させることに目的を置き、歪曲と捏造、謀略で一貫した反朝鮮「人権」騒動を起こすことこそ許しがたい卑劣な政治的敵対行為である。

 特に、これまで数十回にわたって国連で採択された人権決議案を何一つまともに履行せず、最も乱暴に蹂躙する米国が、いわゆる「人権保護者」を自任して他国の内政にむやみに介入していることこそ荒唐無稽でとんでもない妄動にほかならない。

 これらすべては、その活動で穏当な基準や柱もなく一国の政治の道具としてもてあそばれている国連の残酷な現実をそのまま実証している。

 大国であるからといって、どんな悪行も意のままに働いて他国にたいする支配と干渉、強権と専横を公然とおこなうのは全く問題視されず、むしろ、それに対処して自衛的力をあらゆる面から強化し、みずからの発展の道を自主的に開いていこうとする正当な模索と努力だけが「犯罪」視され、制裁と圧力を受けなければならないなら、果たして、ここにいわゆる国連が提唱する国際正義があり、公正性があると言えようか。

 国際社会に大小の国はあっても、国の上下はあり得ない。

 自主権尊重と内政不干渉、平等と互恵こそ、国際秩序の基本原則であり、平和維持の先決条件ではないと言うのか。

 これを無視して、国連が、米国をはじめ大国の一方的な要求を活動の基準とみなし、その不当な主張をむやみに復唱するなら、誰もそのような国際機関を信頼しないであろう。

 国連は、一国中心の二重基準、二重の物差しでわが共和国をはじめとする小国を圧迫して自主的な志向と発展に莫大な障害をきたすのではなく、公正で冷徹な目で提起される問題の本質を見抜き、正しい解決に当然の寄与をすべきであろう。

 既に宣明されたように、朝鮮の統一は、わが民族自身が力を合わせて自主的に解決していくべきであり、我々にはそのための十分な土台と力が備わっている。

 外部勢力の不当な干渉と介入はむしろ、朝鮮半島を取り巻く地域の情勢に複雑さばかりを生み、わが民族の統一の展望を暗くするだけである。

 国連は、わが国の統一問題に終始干渉して永久分裂を追求してきた米国の策動をこれ以上黙認したり、それにむやみに同調してはならないし、朝鮮の統一に関連して徹底的にわが民族の自主権と自決権を尊重する原則を堅持すべきであろう。

 朝鮮半島で平和と統一の真の出発は、米国の対朝鮮敵視政策の撤回と国連の看板を盗用して南朝鮮を占領している米帝侵略軍の危険千万な北侵軍事行動の無条件の中断にある。

 国連は、朝鮮半島に強固な平和保障体系を樹立し、祖国の統一に有利な環境と雰囲気をもたらそうとする我々の意志と念願を正しく見て積極的に支持しなければならない。

 真に朝鮮半島と地域の平和と安全を願うなら、国連が米国に不当な侵略野望と対朝鮮敵視政策から放棄するよう影響力を行使すべきであろう。

 数十年間存在しているこんにちの現実を無視して南朝鮮当局がそれほど執拗に固執する一方的な「体制統一」輪が内包している不当性と危険性をしっかり見極めないなら、国連は不純で卑劣な術策にむやみに愚弄される無力な機関としての汚名を残すことになるであろう。

 特に、国連事務総長をはじめとする機関を動かす主要人士が、北南関係の改善と統一問題に介入する意向を表明しながらも、専横と独断、強権を振り回すのが体質化された米国に踊らされるなら、国連は正義と公正さを失った機関、国連の主要人士は何の定見と権限もないかかしの烙印を押されるであろう。

 いまは、わが民族の運命と未来が決する重大な時期であり、北南関係を決定的に改善して自主統一の大道を開いていこうとする我々の意志は確固不動である。

 国連は、朝鮮民族の志向と大勢の流れを正しく見て、いまからでも平和保障機関として自分のなすべきことを行動に移すべきであろう。

 我々は、事務総長をはじめとする国連事務局の責任ある人士が世界最大の関心が集まっている朝鮮半島情勢の緩和と統一問題の解決に肯定的な寄与をすることで、国連の歴史に意味ある一ページを記すようになることを期待する。

 肯定的に応じることを願う。【朝鮮通信=東京】


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