大韓赤十字社は集団拉致女性送還の努力を
−2016年8月22日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮赤十字会は22日、大韓赤十字社に次のような書簡を送った。

 貴社も既知のように、わが方は、既に南側当局に誘引、拉致された我々の公民の無条件送還と、被害者家族の切々たる要請どおり彼らがソウルに行って娘たちと直接会えるようにすることを何度も要求したし、南側の各階層の団体と国連機関、国際人権団体も我々の女性たちにたいする弁護士の接見と家族との面談などを強く主張している。

 しかし、南側当局は、我々の公民たちを集団誘引・拉致して連れ去って4カ月以上も不当に監禁し、いわゆる「自発的脱北」であると世論をミスリードして「帰順」懐柔工作をおこなったばかりか、先日は彼女たちを「社会に送り出して定着」させたと発表した。

 これは、我々の公民の強制抑留にたいする内外の非難と彼女たちの無条件送還を求める世論の圧力を免れ、南側の国家情報院が働いた天人共に怒れる集団拉致蛮行の真相を覆い隠すための卑劣な謀略劇であるとしか言えない。

 南側当局が、「北の従業員たちが自由の身」になったと言いながらも「身辺保護」という口実で彼女たちを依然として公開せず、メディアとの接触も一切遮断しているのは、今回の発表が完全にでっち上げた嘘であることをそのまま示している。

 そのうえ、怒りをかき立てるのは、「離散家族問題の解決」と北南間の人道協力を標榜する南側の赤十字社が我々の公民を愛する父母、家族と生き別れにしようとしている当局の反人道的行為を黙過していることである。

 貴社が当局の反人道的で反人倫的な行為に対して沈黙し、袖手傍観するのは事実上、それを庇護するのも同然であって、わが方はそれに強く抗議する。

 戦時でもない平和な時期に新たな離散家族・親戚が生まれているこんにちのこの悲劇的な事態に背を向けるのは、崇高な人道主義を理念とする赤十字団体の正しい姿勢と態度ではない。

 南側当局が強制抑留している我々の公民を送還しないなら、今後、北南間にいかなる人道問題も論議さえできず、取り返しのつかない結果をまねくということを貴社もよく知るところであろう。

 貴社が北南間の人道問題の解決に真に関心があるなら、いまからでも我々の公民を家族が待ちわびる共和国の懐に送還するために責任ある誠意ある努力を傾けるべきであろう。

 貴社の今後の態度を見守るであろう。【朝鮮通信=東京】


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